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2011年5月27日 (金)

情報の秘匿によりパニックは回避されたのか?/やっぱり菅首相は、一刻も早く退陣すべきだ(37)

菅首相は念願のサミットに行き、フランスのサルコジ大統領から手厚い接遇を受けてご満悦の様子である。
しかし、国内では、東日本大震災の被災者がまだ11万人以上の人が避難所暮らしを余儀なくされている。
避難所には入っていなくても、自宅を出ざるを得なくなった人も数多いと思われる。

私の知り合いに南福島市出身者がいる。
本人は実家を離れて都内に住んでいるが、両親は南福島市に在住していた。フクシマから24kmほど離れた場所である。
幸いにして津波の災害は逃れることができたものの、計画的避難地域に指定されたため、都内の息子と同居する覚悟を決めた。
前から体調を崩していたものの、さほど重篤という状態ではなかった。

それが周囲も予期せぬ早さで悪化していき、とうとう先週末に他界することになった。
避難(疎開)生活が影響したことは間違いないであろうが、因果関係を立証することは困難である。
原発の被害死ではあるが、補償の対象にはなりにくいと思われる。

知人は、今日震災後初めて南福島市に入った。
今朝方の電話によれば、実家の周辺はやっと瓦礫が路肩に寄せられた状態で、重油や腐敗臭などが混じった異臭が立ち込めているという。
要するに、フクシマのために、地震や津波の被害から立ち直る機会が失われたままなのだ。

フクシマは収束に向かうどころか、ますます混迷していると言わざるを得ない状況である。
朝のみのもんた司会の「朝ズバ」でのやりとりである。

政府と東京電力は本気で福島原発事故を収束させようと考えているのか――。東日本大地震の翌日の3月12日(2011年)、1号機の炉心を冷やすために海水を注入したが、首相官邸の意向で55分間にわたって注水を中断していたと東電はこれまで発表していた。ところが昨日、福島第一原発の吉田昌郎所長が独自の判断で注入を継続していたことが明らかになった。
・・・・・・
コメンテーターの吉川美代子(TBS解説員)「現場を知り尽くしている人だと聞いています。命がけで事故防止にあたっている現場の人には心強い味方ではないでしょうか」
与良正男(毎日新聞解説委員)「当初、菅総理は海水注水は自分の判断で指示したと手柄話のように語っていた。その後、班目春樹・内閣府原子力安全委員会委員長の再臨界うんぬんという進言で、中断を求めたとしていた。しかし、班目発言問題が起こり、これだけでもお粗末な事態なのに、今回また新たな問題が判明した。政府と東電は正面から事故と向き合っているとは思えない」
みのも「今回のことで東電本社の中には、吉田所長を処分しろという声があるようだが、これだけの気骨を持って懸命に事故対策に当たっている人はいない。その人を現場から外すというのは考えられないことだ」と力説した。
たしかに、今回の吉田所長の判断は適切だったが、所長は東電内で「原子力村」と揶揄される原発担当部署のエリート技術者で、原子力村が本社の意向さえ無視できる一大社内勢力であることをはしなくも明らかにした。その原子力村こそが、これまで「安全神話」を喧伝し、原発をアンタッチャブルにしてきた元凶でもある。単純に、気骨のある人と評価するわけにはいかないのではないか。

http://www.j-cast.com/tv/2011/05/27096705.html

結果論から言えば、吉田所長の判断がもっとも適切だったといえる。
しかし、これだけのことが明らかになるのに、極端なことを言えば日本中が大騒ぎだった。
東電も政府もマネジメント能力に欠けることが改めて浮き彫りにされているといえよう。
こんな状態では、いつになったら収束するのか全く予断を許さない。

それと言うのも、政府自ら都合の悪い情報は隠蔽しようとしてきたからではないか。
例えばSPEEDIの予測である。

福島第一原発事故で、放射能汚染が原発から北西方向を中心に広がると、原発2号機が破損した当日の3月15日時点で政府は予測していた。
・・・・・・
政府が当初、避難を求めていたのは、原発から半径20キロ圏内の住民。だが4月11日になって、北西方向で20キロ圏外にある飯舘村や葛尾村など5市町村に対しても、5月末までに住民避難を求めることにした。対象は約3千世帯、計約1万人とされる。
SPEEDIによる試算約5千件はこれまで未公表だった。その理由について、細野豪志首相補佐官は2日の会見で「国民がパニックになることを懸念した」と説明した。

http://www.asahi.com/national/update/0504/TKY201105040273.html

細野補佐官が独断で情報を開示しなかったとは思えない。
政府ぐるみの隠蔽と考えるのが自然である。
未だに尖閣ビデオもオープンにしていない政府である。
この先、フクシマがテロの標的になった場合などにおいても、パニックになるからという理由で情報を隠しておくのだろうか?

パニックになるから、という理由で情報の秘匿を図った政府は、その引き換えに信頼を失った。
小田嶋隆『パニック回避の代わりに彼らが失ったもの』日経ビジネスオンライン110527号は次のように書く。

政府および東電は、これまでの一連の情報コントロールを通じて、あるいは、国民の突発的な怒りや、驚きや、爆発的な不安の高まりを回避し得たのかもしれない。が、その代わりに、国民全般に根の深い「不信」を植えつけることになった。端的に言って、彼らは信頼を失ったのだ。
・・・・・・
気象予報士だって、たとえば雨天の到来を期して職を辞さねばならぬ条件下で勤務しているのであれば、容易に降雨を認めないはずだ。彼は精一杯抵抗するだろう。
「空気中の水蒸気が突発的に水滴化する事象が観察されてはいるものの、まだ降雨と呼ぶには足りない」
「一部において粒子の大きい霧が発生しているのは事実だが、全体的な観察からすれば、必ずしも雨天という認識には至っていない」
「地面への降水という局面に限って言うなら、ご指摘のとおり、土砂降りに近いデータは当方の観測所においても報告されている。しかしながら、豪雨という言い方は無用の混乱を招くので、この際、排除したい。断続的な空中水結晶の落下およびそれらの結果としての地表面への浸水というふうに理解している旨を申し上げてご報告にかえさせていただく」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20110526/220252/

国会ではようやく「菅不信任」が現実味を帯びてきたようだ。

菅直人首相が、仏ドービル・サミットで不在のなか、おひざ元の民主党内から「菅降ろし」の狼煙が続々と上がってきた。東日本大震災や福島第1原発事故に迅速に対応できず、場当たり政治を続ける菅首相に堪忍袋の緒が切れているのだ。天敵・小沢一郎元代表の怪しい動き。サミット後の「6月大政局」が現実味を帯びてきたのか。
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110526/plt1105261145000-n1.htm

サミット前に退陣を求めるべきであった。
余りにも遅すぎるし、不甲斐ないと思うが、その人たちを選んだのは私たちでもある。

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コメント

日本人の話には根拠の上に立った理屈はない。
だから相手の言うことを信じるしかない。つまり、信心の問題である。
神州は不滅であるという神話、巨大地震は予知できるという神話、原発は安全という神話、日本に停電はおこらないという神話など、いろいろある。
各種の安全神話の内容を祈願して、各所の神々に詣でてきた。
人々は、いわゆる神話の世界に住んでいる。
そして、その都度、期待を裏切られてきた。
神話に関する責任をとる人はいない。
国がひっくり返った時も、責任者は出なかった。

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/terasima/diary/200812

投稿: noga | 2011年5月29日 (日) 18時13分

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