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2011年4月27日 (水)

またしても菅政権の強弁/やっぱり菅首相は、一刻も早く退陣すべきだ(18)

菅政権が真摯に事態に向き合わず、強弁を繰り返してきたことはこの政権の基本的性格を表わしているものであると思う。
そうであるならば、自浄作用は期待できず、政権そのものを変える以外に方策はないのではないか。
自衛隊機が東電の清水社長の緊急搬送を拒否した事例をどう考えるか?
枝野官房長官の記者会見における答弁である。

-震災当日、東京電力の清水正孝社長が出張先から自衛隊の輸送機で戻り始めたが、防衛省の判断で引き返したとのことだが。
 3月11日に防衛省に東電社長を名古屋空港から東京まで輸送してほしい旨の打診があったこと、北沢俊美防衛相は被災者救援のための輸送を最優先すべきである旨を指示していたこと、結果的にそういった判断に基づいて社長の輸送は行われなかったという報告は受けている。防衛相の指示は妥当だったと考える。

http://jp.wsj.com/layout/set/print/Japan/node_228603

結果論かも知れない。
しかし、清水社長が本社に戻るのが遅れたこと、それによって東電の意思決定が遅れた可能性があること、は事実である。

清水社長が東電本店に不在だったために、事故発生直後の数時間という極めて重要なときに難しい決断を下すことに遅れが生じた可能性があると一部では指摘されている。
3月12日朝になってようやく清水社長が東京に戻った際、福島第1原発1号機では燃料棒が過熱し、容器内の圧力が危険な水準に達していたが、東電はベント作業を開始していなかった。専門家らはベントの遅れが同日の同原子炉建屋での爆発につながった可能性があると指摘している。

http://jp.wsj.com/layout/set/print/Japan/node_228603

当日の事情は以下のようであった。

防衛省によると、出張中だった清水社長の帰京について、自衛隊機の使用が打診されたのは3月11日午後9時40分ごろ。首相官邸に詰めていた運用企画局長を通じ、事態対処課長に「東電の社長を輸送できないか」と連絡があった。
同課長は担当者に連絡し、航空自衛隊小牧基地(愛知県)のC130輸送機による輸送を手配。同11時20分すぎに防衛相の判断を仰いだという。
これに対し、北沢防衛相は「被災者救援の輸送を最優先すべきだ」と答えたため、まだ離陸前だと思っていた同課長は輸送の取りやめを決めた。
既に同機は離陸していたが、「離陸したばかりなら、直ちに引き返せ」と命令。同機は翌12日午前0時13分に小牧基地に戻り、清水社長の帰京は同日にずれ込んだ。

http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2011042600323

もちろん東電の危機管理体制にも問題があるだろう。
社長不在を重大な意思決定の遅延の理由にしてはならない。危機対応チームで自律的な判断ができなければならないであろう。
また、もし自衛隊機がそのまま清水社長を東京まで載せて運んだとすれば、逆に批判されることになったかも知れない。

しかし、北沢防衛相の判断の根拠は次のごとく説明されている。

北沢防衛相は「新幹線が動いており、高速道路が閉鎖されていない中、(清水社長は帰京する)別の方法があったのではないか」としている。
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2011042600323

しかし実際にはどうだったのか。

実際には、東日本大震災直後に東海道新幹線は運行停止し、東名高速など主要道路も通行止めや渋滞で利用できなかった。何でも東電に責任転嫁する政権の体質がまた浮き彫りとなった。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110426/plc11042623410023-n1.htm

北沢防衛相がその時点で、認識違いをしていたことは明らかであるが、それを責めているわけではない。
認識が違っていたことを率直に認めればそれだけの話である。
にもかかわらず、強弁でそれをすり抜けようとする。
一事が万事で、他の事についてもそうなのかな、と思ってしまう。
政権の体質は官房長官の次の発言に如実に表れているように思う。

枝野氏は「名古屋-東京間は車を飛ばしても走れる状況だ。なぜ自衛隊に頼んだのか。自衛隊機が飛ばないなら自動車を飛ばすのは当然だ。常識ではないか」と強弁。「北沢防衛相は(輸送機について)被災者救援の輸送を最優先すべきだと指示していた。被災者救援に総力を挙げていた状況だったので防衛相の指示は妥当だった」と正当性を強調し、清水氏を輸送機にいったん乗せた自衛隊に対して「防衛相決裁を受けずになぜいったん飛び立ったのか、逆に不思議だ」と不快感を示した。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110426/plc11042623410023-n1.htm

改めて、この政権が弄してきた強弁・詭弁・失言・珍妙なレトリックを振り返ってみよう。
⇒2010年10月 3日 (日):尖閣問題に対する蓮舫大臣の強弁
⇒2010年11月13日 (土):菅内閣の無責任性と強弁・詭弁・独善的なレトリック
⇒2010年11月18日 (木):もはや誰も驚かない? 柳田法相の笑えぬ冗談(失言)
⇒2011年1月28日 (金):菅首相の国債発言に唖然。だが閣僚は……
⇒2011年2月12日 (土):マニフェストを履行するための消費税増税?(2)
⇒2011年4月14日 (木):本当に精神異常?/やっぱり菅首相は、一刻も早く退陣すべきだ(6)
⇒2011年4月19日 (火):尖閣も原発もベストの対応と強弁?/やっぱり菅首相は、一刻も早く退陣すべきだ(11)

これくらいで止めるが、別に統一地方選が特に不振だったわけではない。
参院選以後連戦連敗の事実をどう受け止めるか。
根底に、自らの失態・失政を強弁・詭弁・レトリックですり抜け(たつもりになり)、真摯に反省しないことが今日の事態を招いているのである。
菅退陣に猶予は許されない。

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