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2011年4月 8日 (金)

やっぱり菅首相は、一刻も早く退陣すべきだ(2)

東日本大震災は、日本史上でも最大級の災厄であろう。
1日にして、数万の人の命が失われ、今なお、現代技術の象徴ともいうべき原発が予断を許さない状況である。
貞観11(869)年に、地震と津波の様子が史書に記録されているが、3月11日の地震と津波との類似性が指摘されていたという。
しかし、人間の活動の規模と質が全く違うので、自然現象としては類似ししていても、災害としては比較にならない。

わが国の総人口がピークをうったまさにその時に、この未曽有の震災が起きたことに運命的な何かを感じる。
Photo
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/1150.html

とくに、原発事故を併発していることが事態を深刻化させているのも特徴といえる。。
地震の発生の翌日、福島第1原発を視察した首相は、野党の代表者たちに、原発は大丈夫だと言った。
しかし、今もって収束の見通しがつかない状況に陥っている。
しかも、昨晩は余震といえども相当に大きな地震が発生し、天変地異も収束していないことを改めて認識させられた。

今回の震災は、われわれに文明史とでもいうべき課題を突き付けたのではなかろうか?
それに加えて、最高指揮者には、あの人が居座ったままである。
日頃、宗教とは縁の薄い人間であるが、「神の与えたもうた試練」などという言葉が頭を掠める。

福島原発の現場では、命がけで事故処理にあたっている多くの人がいる。
前にも書いたが、被害を局限しようと奮闘している人を賞賛したいし、心から感謝したい。
⇒2011年3月21日 (月):ヒーローを讃えよ。しかし、英雄待望論に陥るなかれ
その上で敢えて言おう。菅首相は一刻も早く退陣すべきだ。
彼が指揮を執り続けることのマイナスは、余りにも大きい。

実際に、地震発生後の4週間を振り返ると、どうしてそうしたのか、という疑問点がいくつもある。
その時々に思ったことや考えたことは、一応書いてきたつもりである。
しかし、地震の発生する前から、菅氏の不適格性は露わであったのだ。

首相就任後初めての国会論戦において、早くも適性に不安を抱かせるものがあった。
⇒2010年8月 4日 (水):迫力欠く菅首相の国会論戦
私は、党首選を前に、参院選の敗北という結果にもかかわらず、菅首相が続投することへの疑問を呈した。
⇒2010年9月11日 (土):菅首相続投で、本当にいいのだろうか?
不幸にして、その後の経緯は私の疑問を具体的化するものであった。
既に地震の直前には、民主党の内部でさえ、ポスト菅をにらんで様々な思惑が蠢動していたのである。
⇒2011年3月 8日 (火):「啓蟄」とポスト菅の行方/民主党とは何だったのか(6)

地震が起きなければ、という仮定は意味がないが、解散か退陣かという選択肢しか残されていないような状況であった。
震災を奇貨として、と書くのもおぞましい気がするが、外国人から献金を受けていたことなど、無かったことにできるとでも思っているらしい。

地震や津波などの自然現象は、防ぎようがないだろう。しかし、災害は人との関係において発生する。
まして原発の事故は、発生そのものにも人的要素が係ってくる。
福島原発において、人災の要素はどうだろうか。
安倍内閣で首相公邸連絡調整官を務めた宮家邦彦氏は次のように書く。

その「危機管理」能力に関し、菅直人内閣がネット上で炎上している。正しい情報を出さない、情報伝達が不十分、責任の所在が不明確、統治能力を欠く、パフォーマンスばかり、リーダーシップがない、国家意識が欠けている、等々かなり手厳しい内容だ。
もっともらしく聞こえるが、実は的外れの批判も多い。「危機」になれば多くの方策が不調に終わり、その不満は必ずトップリーダーに向かう。首相を弁護するつもりはないが、今回の危機管理の議論を単なる政局談議や現内閣批判に矮小化させてはならない。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110407/dst11040714530034-n1.htm

私は、菅退陣論は、決して「単なる政局談議や現内閣批判」ではないと考える。
拓殖大学教授の遠藤浩一は「菅氏では国民はもう頑張れない」という。

オロオロするか、怒鳴り散らすか、自己保身のための弁明に言葉を費やす指導者とともに、この頑張りをいつまで続けることができるだろうか。この際一致団結して国難に立ち向かうためにも指導者の交代と政権の補強は避けられない課題ではないか。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110406/plc11040603430002-n3.htm 

私もそう思う。国民が国難に立ち向かうために、菅退陣が必要条件なのである。
そもそも、マニフェストが実質的な意味を失ってしまっているのであるから、菅政権に正当性はないはずだ。

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