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2011年3月15日 (火)

地震情報と「伝える力」

時間の経過と共に地震の被害はますます深刻なものであることが明らかになりつつある。
未だ救出されていない多くの被災者がいるに違いない。
一刻も早い救出に努めてほしい。
いまはボランティアの出番はないようだが、そのうち大勢のボランティアが力を発揮することだろう。

福島原発も、日増しに状況が悪くなるようである。

「起こるべくして起こった。世界で起こる地震の1-2割は日本で起きている。政府と電力会社はどんな地震が来ても大丈夫だと豪語して原子力発電所を建ててきた。耐震と想定する地震の規模とを過小評価した。全くの人災だ」
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920008&sid=aG9J6xX5F2xM

京都大学原子炉実験所の小出裕章助教の言葉だが、政府、原子力安全・保安院、東電の説明とはずい分異なる印象である。
問題は、いくつかあるだろう。
例えば、説明が変わってしまうことである。
菅首相は、現地視察の後、「危機的な状況にはならない」と強調していたが、その後の推移は危機的な状況以外の何ものでもないように思える。

東京電力の福島第1原子力発電所4号機で爆発音がした問題で、経済産業省原子力安全・保安院は15日、同電力から「午前6時14分、大きな爆発音がして、原子炉建屋(たてや)の外壁に8メートル四方の穴が2カ所開いた」との通報があったと発表した。3号機付近で午前10時22分、一般人の年間被ばく限度の400倍に匹敵する1時間あたり400ミリシーベルトの放射線量を記録。菅直人首相は同日、第1原発から半径20~30キロの範囲内の住民に屋内退避を求めた。
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110316k0000m040102000c.html

「最悪の事態を想定して……」の程度が逐次的に悪化しているのである。
もちろん、時間の経過により分かってくることがあろのであろうが、人によっては最初からより悲観的な推測をしていた人もいた。
海外からは、被災地の秩序が保たれていることに称賛の声が上がる一方で、原発事故に対しては不信感が高まっているという。

また専門用語が飛び交うのも果たしてやむを得ないことなのだろうか。
「爆発的事象」「臨界」「メルトダウン」……
何となくは分かるが、正確な意味は?
今朝の枝野官房長官の記者会見において、「サプレッションプール」という言葉が説明なしに使われていた。
格納容器に繋がるサプレッションプールと呼ばれる箇所に欠損がみられることが明らかになった、という説明である。
耳で聞いただけでは、何と言っているのかも理解できなかった。
説明上手といわれる官房長官でも、である。
その後の他の番組で解説されていたが、専門用語は間違いではない程度に易しく言い換えて説明した方がいい。

東電柏崎刈羽原子力発電所の資料では以下のように説明されている。

圧力抑制室内のサプレッションプールは、格納容器という、原子炉本体を囲んでいる容器の底にあり、約4千トンの水(学校のプール10 個分)を貯えています。
配管が壊れて格納容器に蒸気が充満してしまい中の圧力が高くなった場合に、蒸気をこのプールに逃がしてやって圧力を下げます。また、原子炉の水が少なくなった時に原子炉へ水を補給する水源にもなります。サプレッションプールとはいわば「防火用水」のような役割を持っています。
http://www.tiikinokai.jp/meeting/PDF/7data_02.pdf

Photo http://gigazine.net/news/20110315_fukushima_1f2_suppression_pool/

上記のような解説を検索してもますます不安になる。
防火用水が欠損しているとしたら、その影響はどうなるのであろうか?

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コメント

おはようございます。
・・・地震大丈夫ですか?

想像もしていなかった大災害が起こりました。
東北地震の恐怖は・・・言葉が出ません。
そんな中、昨夜は東海地方で震度6強の地震。
そちらもかなり揺れたのでは?心配です。
くれぐれも身の安全を・・・!
気をつけていてくださいね。

投稿: YOKO YAM | 2011年3月16日 (水) 09時25分

YOKO YAM様

コメント有難うございます。
このところ、「揺れ」には大分慣れてきましたが、昨夜のはかなり強烈でびっくりしました。
しかし、幸いなことにこれといった被害はありませんでした。身体不如意なので、他人の足手まといにならないよう心掛けています。
とりあえず、元気です。
そちらもお元気のようで何よりです。

投稿: 夢幻亭 | 2011年3月16日 (水) 17時47分

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