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2011年3月 7日 (月)

民主党は内ゲバ集団か?/民主党とは何だったのか(5)

ポスト菅の最有力候補と自他ともに認めていた前原誠司外相が、外国人から政治献金を受けていたことが明らかになり辞任した。
常識的には前原氏の「献金の認識はなかった」という言葉を信じたいが、そうであっても、いまこの状況において、果たして「それなら問題なし」というわけにも行かないだろう。
「5万円/年」程度の金額ならば、という気もするが、「量」の問題ではなく「質」の問題だということであろう。
前原氏自身がそう判断して、自発的に辞任した。
前原氏といえば、偽メール事件の失態の記憶が甦るが、もう少し脇を固めることはできないのだろうか、と素朴に思う。

菅政権という泥舟から降りた、とか、将来の目を残すために、といったことも考えられよう。
表面的にはそう読める。
しかし、この件にはさらにウラがありそうである。

前原氏には、この件以外にも筋の悪い献金についてのウワサがあり、それに波及するのを防いだ、という「風説」がある。
また、前原氏と同様に野党が狙いを定めているのが、野田佳彦財務相や蓮舫行政刷新担当相らということで、いずれもポスト菅として名前が挙がっている。
野党のやりそうなこと、と考えるのは甘い、という。
これらの情報をリークしているのが官邸ではないか、という穿った見方があるという。
スターリンや毛沢東などの例を見れば、あながちあり得ないことではないかも知れない。
こうなると、もはやサスペンス小説の世界である。

前原氏の辞任によって、政治日程はますます混迷の度を深めることになろう。
菅政権はカウントダウンの段階に入ったが、ポスト菅はどうなるのdろうか?
一方の旗頭の小沢氏は起訴中、もう一方の旗頭の前原氏がこのような状況では、民主党政権は、鳩山、菅の2代で崩壊ということになるのだろうか。
政権交代に対する熱い国民の期待からすれば、背信もはなはだしいと言わざるを得ない。
週刊新潮2月24日号に掲載された横田由美子氏の『小説民主党・「内部ゲヴァルト」水滸伝』は、民主党が内ゲバを繰り返す姿を描いている。

この“小説”は、菅首相が側近の寺田学総理補佐官とばかり昼食を摂っているシーンから始まる。
当選3回のまだ若手の寺田補佐官だが、「菅の森蘭丸」と呼ばれるほどに、菅首相に寄り添っている。
菅首相の胸中を、秘書官の1人は、「寺田の甘言に誘われて、厳しい現実に直面しながら、これを政策によって打開するのではなく、“小沢切り”という政局の演出によって内閣の浮揚を図ろうと夢見ているのだろう」と推測している。
菅首相自身が、調整役を果たすのではなく、みずから火種に酸素を送り火勢を強めるよな行動をとっている。
「平成の開国」を言う前に、自らの心を開くことが必要なようだ。

2003年自民党に対抗し得る2大政党を目指して、小沢氏率いる自由党は、菅直人氏率いる民主党に吸収される形で合併した。民由合併である。
しばらくは「新参の」小沢氏はおとなしくしていたが、偽メール事件で前原氏が引責辞任した結果、後任に小沢氏が代表に就く。
小沢氏がトップダウンで政策を決めることに、政策に自負心を持つ前原グループ(凌雲会)などの議員は不満を高め、距離を置くようになっていった。
小沢批判派の中心だった仙谷由人、前原誠司、枝野幸男、福山哲郎氏らが、現在それぞれ要職を占めていることは、5年に及ぶ反小沢闘争が結実したことを物語っている。

政権交代が確実視されるようになってきた2009年春、西松建設違法献金容疑が浮上し、小沢氏は代表を辞して、代わりに鳩山由紀夫氏が代表になる。
そして総選挙を迎えることになる。
政権交代を予想して、岡田克也、福山氏らの「マニフェスト検討委員会」のメンバーは、「郵政選挙」におけるマニフェストから文言の骨抜きを図った。
特に、沖縄問題は、言質を取られるような表現は避けるべきだ、と慎重に考えた。
しかし、鳩山氏は無頓着に「最低でも県外」と、沖縄県民にオーバーコミットしてしまう。

そして、政権交代が実現した。
民主党の政権交代時のウリの1つが政治主導だった。
だがそれを担うはずの国家戦略室は、菅初代担当大臣の不手際によって局に格上げされることなく、首相交代によって、単なる首相のアドバイザリー機関に堕してしまう。

鳩山前首相は、想定されたように(?)普天間問題で躓いて退陣する。
後継の代表選に勝った菅氏は、「6月2日から世の中は変わった」と異様な昂揚感に包まれながら、消費税増税を口にし始める。
そして、参院選で敗北したものの、党内選挙の結果、菅氏が代表に再選される。
以後のことは既に触れてきたところであるが、横田氏は、小沢グループと凌雲会はお互いを徹底的につぶし合うところまでいくいかない、と書いている。
かつて、革共同の革マル派と中核派が熾烈な殲滅戦を繰り広げたように、同じ組織にいた者が敵対すろ関係になると、歯止めが利かなくなるらしい。
民主党はもはや修復不能なひび割れをしているということだろう。

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