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2011年3月24日 (木)

安全基準の信憑性について

地震や原発に関する情報が錯綜していて、不要なトラブルが発生している。
本来最も信頼すべき官邸からの情報も意図的に隠蔽しているのではないと思うが、何か不信感を抱かせるような発表の仕方ではなかろうか。
例えば3月15日の朝の記者会見で、枝野官房長官が、「サプレッションプールに欠損がみつかった」と“さりげなく”発表した。

私は、そのさりげなさが気になりつつ、何を言っているのか良く理解できなかったので、ネットで検索してみた。
⇒2011年3月15日 (火):地震情報と「伝える力」
案の定、サプレッションプールは、重要な機能を果たすものであり、それが欠損したということは容易ならぬ事態を想像させた。

枝野氏は、後日の記者会見では、「何とかプール」というような言い方をして、自身も余り詳しく知らないことを明かした。
知らないことを責めるのではない。深刻なことは、深刻であると表明してもらいたいのだ。
その後の推移は、私の直感的危惧が的外れでなかったことを示している。

食品の放射性物質の値についても、同様である。
食品安全宝の暫定基準を超える放射性物質が検出されたという。
しかし、枝野官房長官は、「暫定基準値を超えたものを口にしたとしても、直ちに健康に重大な影響を与えるものではない」と言って、消費者に冷静な行動を求めた。
直ちにという表現のいかがわしさについてはすでに触れた。
⇒2011年3月20日 (日):福島第1原発事故と放射線量の用語について
直ちに影響がないならば、多少は食しても大丈夫だろうと思う。
冷静とは過剰に反応しないということだろう。
ところが首相はニュアンスの異なる指示をする。

福島第一原発の放射能漏れ事故で、菅首相は23日、原子力災害対策特別措置法に基づき、福島県の葉物野菜と、ブロッコリーなど花蕾(からい)類について、出荷制限と食べることを控える摂取制限を指示、さらに、同県のカブ、茨城県の牛乳とパセリについて出荷制限を指示した。
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=38475

要するに、どう判断すればいいのか?
水道水についても同じようなことがいえるだろう。

東京都は、都内の浄水場の水から乳児向け飲用基準の2倍を超える放射性ヨウ素が検出されたとして、23区と5つの市の住民に、乳児の水道水摂取を控えるように呼びかけている。
石原都知事は「ただちに健康には影響はありませんし、生活用水に使って問題はありません。ただし、1歳未満の乳児については、水道水で粉ミルクを溶くなど、飲食を控えてほしい」と語った。

http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00195877.html

健康に影響がないとしたら、基準値は何のために設定して、その数値は何を意味するのか?
なぜ、出荷制限あるいは摂取制限を指示するのか? そのような制限をしながら「直ちに影響がない」と言うのは、ダブルスタンダードではないのか?
そもそも暫定とはどういうことか? 
いかにも、自信なさげではないか。

それもそのはずである。
この基準値は、3月17日に定められたばかりなのである。

福島第1原発の事故を受け、厚生労働省は17日、食品の放射能汚染について暫定的な規制値を設け、基準を上回る食品が流通しないよう自治体に通知した。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201103/2011031700622

そもそも、これらの食物を摂取するだけではないのに、複合した場合のリスクの解説はない。
ミネラルウォーターを求めて“右往左往”する母親を嘲笑するかのような口ぶりの解説者がいたが、とんでもない。
母親が必死になるのは当然である。
情報は、分かるように伝えるのが発信側の責務ではないか。

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