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2011年3月20日 (日)

福島第1原発事故と放射線量の用語について

宮城県沖を震源とする地震による地殻変動は、牡鹿半島で5.3mに達することが、国土地理院から発表された。
垂直方向への変化は約1.2mの沈下だという。
この地盤沈下により、広い面積で水が引かず、救助を一層困難にしている。
行方不明だった岩手県大槌町の加藤町長は遺体で発見された。
死者・行方不明者の数は2万人を超えたという。

福島原発の事故への対応も予断を許さない状況が続いている。

原子力安全・保安院は18日、福島第一原発1~3号機の事故について、事態の深刻さを示す国際原子力事象評価尺度(INES)の暫定評価を「レベル5」(広範囲な影響を伴う事故)に引き上げた。
http://www.cnn.co.jp/world/30002191.html

深刻さにおいて、スリーマイル島の事故に匹敵するということだ。
当初4~5ではないかとされていたが、事態が明らかになって、より深刻化したわけである。
⇒2011年3月13日 (日):歴史的な規模の巨大地震と震災
海外には、もっと深刻ではないかという見方もある。

フランス原子力安全局のアンドレクロード・ラコスト局長は15日、福島第一原発の事故について、国際原子力機関(IAEA)が定める8段階の国際原子力事象評価尺度(INES)で「レベル6」に当たると述べた。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110315-OYT1T00789.htm

原発事故について過剰反応を戒める声が多いが、そう言う関係者自身が不安気であるようにも見える。
政府、東電、原子力安全・保安院等の発表に対し、疑心暗鬼にならざるを得ない。
危機管理が専門の佐々淳行氏(元内閣安全保障室長)は、サンデー毎日で山田厚俊氏(ジャーナリスト)に対して次のように語っている。

危機管理の基本は、“悲観的に準備し、楽観的に対処せよ”。ところが菅首相は全くの逆。治安・防衛・外交・危機管理を後回しにして、現実に直面するとヒステリーを起こしている。

正直なところ、不安である。
「自分にできることは?」と考えてみても、身障者の境遇では、せいぜい足手まといにならないよう努力するだけだ。

原子力用語には馴染のないものが多いが、最近では、理科的素養のない妻まで、○○シーベルトなどと口にしている。
放射線被曝も「曝」という字が常用漢字にないためか、「被ばく」と表記されることが多い。
「被ばく」からは、爆発とか爆弾を連想しがちである。特に、水素爆発報道があったりすると。しかし、「被曝」は爆発等とは直接は関係ない。

ひ‐ばく【被曝】=放射線にさらされること。
広辞苑第六版

単位についても同様である。
枝野官房長官が記者会見で、ミリシーベルトで報告するとき、わざわざ今までのマイクロシーベルトと単位が異なることに注意を促していた。
そのことは大事なことだが、「単位が1つ異なる」という表現にちょっと引っかかった。
確かに、ミリとマイクロは数の単位としては隣接しているが、「大きさとしては3ケタ違う」と説明した方がより親切だと思う。
ミリはm、マイクロはμと表記する。

被曝の影響をについて考えるときの単位が「シーベルト」である。
物理的な量を表す単位には、グレイ(Gy)があるが、同じエネルギー(線量)でも放射線の種類によって生物に与える影響が変わる。これを補足したのがシーベルト(Sv)である。
Photo

Sv=放射線の種類による生物効果の定数×Gy
http://www.hicare.jp/09/hi03.html

シーベルトの値については、総量と強度の違いに留意する必要がある。
例えば次のような表現がある。

東京電力は16日、同日午前10時20分ごろ、福島第1原発の正門前で毎時2399マイクロシーベルトの放射線量を観測したと発表した。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110316/dst11031611430035-n1.htm

上記には「一般人の年間被ばく線量限度は千マイクロシーベルト」のコメントがついている。
2399μSv/時ならば、1000μSvになるのに25分である。

自然界から受ける放射線量は、2.4mSv/年という説もあり(Wikipedia110319最終更新)もあり、これなら1時間で自然界の1年分ということになる。
大分様子が異なる。
政府発表も「直ちに影響のあるレベルではない」というような表現である。
「直ちに」というのが、急性の障害ということなのか、総量としての時間的猶予ということなのか曖昧だから、やっぱり不安である。

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