ファシリテーターと理路の見える化/知的生産の方法(10)
ビジネスの場で、ファシリテーションの重要性が言われている。
ファシリテーションとは以下のようなことである。
ファシリテーション(英: Facilitation)は、会議、ミーティング等の場で、発言や参加を促したり、話の流れを整理したり、参加者の認識の一致を確認したりする行為で介入し、合意形成や相互理解をサポートすることにより、組織や参加者の活性化、協働を促進させる手法・技術・行為の総称。
Wikipedia110106最終更新
価値観が多様化し、ものの見方・考え方が錯綜するようになって、会議が収束しにくくなっていることが背景にあるといっていいだろう。
会議の場等において、ファシリテーションを行う人がファシリテーターである。
ファシリテーターにはどのようなスキルが必要だろうか?
アリストテレスは、『弁論術』において、説得について考察し、次の3つの方法があるとした。
・logos(ロゴス、言論) - 理屈による説得
・pathos(パトス、感情)- 聞き手の感情への訴えかけによる説得
・ethos(エートス、人柄)- 話し手の人柄による説得
Wikipedia「弁論術」の項Wikipedia110131最終更新
http://oscarcyan.exblog.jp/14455309/
ファシリテーターは、この3要素のうち、主としてロゴスをサポートするものであろう。
エトスやパトスは属人的な要素が大きいからでる。
ロゴスをサポートするということは、ロジックを分かり易くすることである。
論理の筋道すなわち理路を明確にすることによって、参加者の共通理解を図る。
ロジックの基本構造は下記の三角形で示される。
![]()
合理的な主張には、客観的なデータと、そのデータと主張を結びつける理由付けが必要です。主張、データ、理由付けによる論理を三角ロジックと呼びます。主張に対する「Why?」という疑問の答えが、データと理由付け(合わせて根拠)で示されます。逆に根拠に対する「So what?」という疑問の答えが主張になります。
http://www.logicalskill.co.jp/logical/triangle.html
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