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2011年1月 5日 (水)

綱領なき民主党の菅VS小沢の不毛な争い

菅首相が1日に年頭所感を発表し、また昨日は記者会見をして、今年の抱負を語った。

菅首相が時期を示して掲げた大きな政策目標は二つある。一つは今年を「平成の開国元年」と位置付け、貿易自由化を促す決意を表明したことである。米国などが進める環太平洋連携協定(TPP)に参加するかどうかは、6月ごろをめどに最終的に判断する。それまでに「若者が参加できる農業の再生」に向けて、農業の構造改革や支援策などをまとめるという。
もう一つは、社会保障と消費税を含む税制改革である。超党派の議論を開始し、こちらも6月をめどに方向性を示すとした。
いずれも菅首相が昨年から掲げてきたものだが、論議の足場も築けないままだ。例えば、税制改革をめぐる首相の年頭発言に、野党は一斉に反発している。首相の意欲と現実との落差は大きく、説得力に乏しい。

http://www.shinmai.co.jp/news/20110105/KT110104ETI090008000022.htm

TPPも 税制改革も、俯瞰的な議論がないままである。共に痛みを伴う層が存在するので、「熟議」が必要だろう。
性急な論議には胡散臭さがつきまとう。

上記と対照的に、小沢氏について踏み込んだ意思表示があったのが注目される。

収支報告書の虚偽記入事件で強制起訴された場合には、「政治家としての出処進退を明らかにして、裁判に専念されるのであればそうされるべきだ」と踏み込んだことである。野党の協力を得るめどが立たないなか、「脱小沢」を強調することで世論を味方に付けたい-。そんな狙いがあるのだろうか。
同上

果たしてこの狙いはうまくいくだろうか?
小沢氏は次のように反応したという。

小沢氏が強制起訴された場合に自発的な議員辞職を検討すべきだとの考えを示した菅直人首相の記者会見について「首相は、僕のことなんかどうでもいいんで、国民のために何を一生懸命やるかが問題だ」と批判した。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/480786/

一国のトップの年頭の記者会見としては、「小沢氏のことよりも、国民のために何を一生懸命やるか」を聞きたいとは思うが、当の小沢氏の口から出るとなると・・・・・・。
菅首相は、自分の議員活動の原点がロッキード事件に象徴される金権政治との対決であった、と一貫して反小沢のスタンスをとってきたかのような口ぶりである。
しかし、首相就任当時、幹事長辞任をもってけじめをつけた、という認識を披歴したことは記憶に新しい。
また、小沢邸で行われる新年会にも、自発的に(率先して)参加していたのではなかったか。

菅首相の態度を見ていると、自党の亀裂が修復できないと踏んだのだろうか、野党にすり寄る姿勢が目立つ。
まさかという感じの、「たちあがれ日本」との連立打診にも驚いた。
⇒2010年12月29日 (水):「たちあがれ日本」との連立という発想に驚く
社会保障と消費税を含む税制改革についての超党派の議論を始める、という記者会見にしても、苦し紛れ、という感が拭えない。

こんな様子を見ていると、民主党が1つの政党である必然性があるのか、という疑問に思い至る。
そう言えば、民主党には綱領がなかった。
鳩山前首相と菅首相の共通点は、場当たり的な発言が多いことである。
虚偽記載とは言わないが、誇大広告的であったことは否定できないマニフェストに惑わされて、綱領なき政党に政権を託したのが間違いだったような気がする。

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