« 民主党における菅・蓮舫的な胡散臭さ | トップページ | 平城京モデル/やまとの謎(24) »

2011年1月18日 (火)

馴質異化-地図の上下/知的生産の方法(7)

「馴質異化」という言葉がある。

馴質異化とは,既知のものを,新しい視点から見ることで新しい着想をえること。
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/prod0821.htm

発想法、創造性開発の基本的な手法と言ってよい。
異質馴化とセットであるが、言うは易く、実際に行うのが難しいことの1つだろう。

私がこの言葉を実感したのは、オーストラリアで南北が逆転した世界地図を見たときだった。
もちろん、地球はほぼ完全な球であり、上下がないことは理解していた。
しかし、普段見る地図は、すべて北が上で南が下である。
見慣れない地図に、新鮮な驚きだった。
Photo_4 
http://d.hatena.ne.jp/futaro1968/20070604/p1

同様に、日本地図も逆転してみるとずい分印象が違う。
特に、日本海を中心に朝鮮半島や中国沿岸部までいれた「環日本海諸国図」は、尖閣諸島や竹島などの問題を考える際には必携ともいえる。
網野善彦『日本とは何か 日本の歴史〈00〉』講談社(0010)の口絵に「「日本海」は大きな「内海」だった」と説明され、広く知られるようになった。

下図の右側が「環日本海諸国図」であるが、この地図には著作権があり、権利者の富山県は、「本県が進めている環日本海交流拠点作りを国内にPRするとともに、中国、ロシア等の対岸諸国に対し日本の重心が富山県沖の日本海にあることを強調するため、平成6年に、従来の視点を変えて北と南を逆さにし、大陸から日本を見た地図を作成しました」と説明している。
まさに、馴質異化の事例と言えよう。
また、「『環日本海諸国図』を書籍、ホームページ等に掲載される場合は、別途掲載許可申請が必要です」とのことだが、他のサイトから引用する場合はどうなんだろう。

Photo_9
http://landship.sub.jp/stocktaking/archives/000584.html

私は、自分がマンネリに陥ることへの戒めとして、自分の部屋に普通の地図を逆さまにして貼ってある。
もっとも、今度はそれに馴れてしまって、まったく戒めとしての用をなさないが。

日本の場合、逆さにしてみると、私の住んでいる地域は富山県に相当する。
伊豆半島≒能登半島、駿河湾≒富山湾である。
沼津・三島の辺りは、富山・高岡といった具合である。
海の幸、山の幸に恵まれているところは似ているが、気候がまるで違う。

国土地理院によると、日本の重心点は富山湾と佐渡島の間にある。
Photo_10 
http://www.gsi.go.jp/WNEW/LATEST/special00-01-Nnaka.htm

富山県は日本海の重要性を戦略的訴求しているが、石川県は重心点を観光的に利用している。
「重心点にもっとも近い陸地は能登半島先端の禄剛崎(ろっこうざき)です!」として、禄剛崎には「日本列島ここがまんなか」の碑が建っている。
Photo_11
http://puchitabi.jp/shimauma/2008/06/post-17.html
日頃見慣れた地図にも、いろいろな見方がある。

|

« 民主党における菅・蓮舫的な胡散臭さ | トップページ | 平城京モデル/やまとの謎(24) »

思考技術」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

知的生産の方法」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/395349/38487626

この記事へのトラックバック一覧です: 馴質異化-地図の上下/知的生産の方法(7):

« 民主党における菅・蓮舫的な胡散臭さ | トップページ | 平城京モデル/やまとの謎(24) »