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2011年1月21日 (金)

政府・民主党における真摯さの欠如

先の内閣改造で注目を集めた(批判を浴びた)のは、与謝野馨氏の入閣であろう。
もちろん、このことに賛否両論あるだろうが、私は強く「否」と言いたい。
それは次のような理由による。

第一に、与謝野氏の議員としての資格との関係においてである。
周知のように、与謝野氏は、政権交代がなされた総選挙において、東京1区で自民党公認候補として落選し、比例区で復活当選した。
その後、自民党を離党し、たちあがれ日本を結成して共同代表の座に就いた。
今度は、たちあがれ日本を離党し、民主党政権入りすると共に、民主党の会派にも加わったのである。

このような行動は、主権者である国民の意思に反することは明らかであろう。
先ず、与謝野氏を落選させた選挙区の有権者の意思に反する。
与謝野馨という個人は落選し、自由民主党のという限定付きの与謝野馨が当選した。
与謝野氏が国会議員であるのは、自民党員もしくは自民党会派の人としてであると考えられる。
したがって、比例区の投票において自民党と書いた有権者の意思にも反していることになる。

第二に、与謝野氏の政策との関係においてである。
与謝野氏は、自公連立の最後の麻生太郎内閣において、経済財政政策担当相に再任されると共に、中川昭一氏の辞任に伴い、中川氏の担当していた財務大臣並びに金融担当大臣の後任を務めていた。
与謝野氏は、1人で経済関連3閣僚を兼任していたのである。

そして、自公連立政権は国民から強い「NO」を突き付けられることになったわけである。
言ってみれば、菅首相が喫緊の課題として掲げた社会保障と税に関しては、与謝野氏はNGとされたと考えていいだろう。
それとも、麻生内閣で、自分だけは別だと考えているのであろうか。
いくら自分に残された時間がないと考えて、確信的な行為であることを配慮するとしても、いささか驕った考えだとせざるを得ない。
海江田万里氏ならずとも、不条理なことと考える。

また、併せて藤井裕久氏の官房副長官補就任にも注目すべきであろう。
藤井氏といえば、長く小沢一郎氏の盟友として活動してきたが、いまは袂を分かって反小沢の立場である。
その理由は詳らかに知るところではないし、小沢か反小沢かという区分けにはいささか食傷気味でもある。
ここでは、藤井氏が、「旧大蔵官僚で、細川内閣において大蔵大臣も経験した78歳の重鎮」(高橋洋『菅改造内閣、カギは「藤井官房副長官」』日経ビジネスオンライン110118)であることを確認しておきたい。
一説によると、仙谷氏の後任の官房長官への要請を高齢を理由に断ったが、それなら副長官で、という菅首相の要望を断りきれなかったのだという。

藤井氏には、与謝野氏のような「変節」の印象はない。むしろ、硬骨漢というイメージである。
しかし、本人が言うように、さすがに高齢ではあると思う。
政治家は概して一般人に比べ、老化は遅いようである。にしても78歳というのは普通ならば現役を退いて悠々自適の境遇を楽しむ歳であろう。
まあ生き方は人それぞれであるから、藤井氏の人事に対しても異を唱えるべきではないだろう。
ただ、民主党の人材不足ぶりを印象付けられたことは否めない。

与謝野氏と藤井氏の配置をみれば、消費税増税、財務省よりの布陣であることは明らかである。
露骨過ぎると言ってもいい。
菅首相が、財務大臣在任当時、子ども手当の乗数効果を尋ねられて立往生し、爾来財務官僚の手の内にある、というのはもっぱらの評判である。
⇒2010年9月18日 (土):改造菅政権のスタート

私には結論ありきの人事のように思える。
しかし、菅首相自身は、これから議論を始めようというところだ、などと言っている。
煙幕を張っているつもりかも知れないが、どうみても真摯な態度とは言えないであろう。
「もしドラ」で一挙に読者層を広げたドラッカーは、リーダーの条件として、真摯さを必須のものとしている。
Photo

真摯さを定義することは難しい。しかし真摯さの欠如は、マネジメントの地位にあることを不適とするほどに重大である。
・・・・・・
真摯さよりも頭のよさを重視する者をマネジメントの地位につけてはならない。有能な部下に脅威を感じる者もマネジメントの地位につけてはならない。そして、自らの仕事に高い基準を設定しない者をマネジメントの地位につけてはならない。
『マネジメント-課題・責任・実践』
http://muchasuerte.blog78.fc2.com/blog-entry-100.html

菅、仙谷、蓮舫などの諸氏を代表とする政府・民主党に(そして、多くの自民党政治家にも)感じるのは、この真摯さの欠如ということではないだろうか。

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