ウィキリークスをめぐる謀略の匂い
ウィキリークス創設者のジュリアン・アサンジが逮捕されたのは、強姦容疑である。
それについては真偽が不明ではあるが、次のようなことだという。
『ウィキリークスのジュリアン・アサンジっていったい何者か』(日経ビジネス オンライン101224)
事件が起きたのは今年8月中旬のことである。
アサンジはスウェーデンで開かれた報道の自由についてのセミナーに招待された際に、主催者の一人だったアナ・アルディンさん(31)から「自分の留守中アパートに泊まらないか」と提案されたという。
彼は、アルディンさんとベットを共にしたが、アルディンさんは警察に対して「私が寝てしまったときにアサンジは性交を強要。私が避妊具を付けるように頼んだのを無視してセックスをした」と供述した。
スウェーデンの刑法では、「女性が避妊具をつけることを要求したにもかかわらず、これを無視して、性交に及んだ場合は強姦とみなす」との条文があり、アサンジは強姦容疑を被せられた。
この強姦容疑は、アサンジ側に言わせると「完全なでっち上げ」ということになる。
アルディンさんは左翼シンパとがされているが、それは「隠れ蓑」で、実際にはCIAの工作員だという。
米情報サイト「Raw Story」によると、アルディンさんはキューバに留学中に、CIAが資金を支援している反カストロ・フェミニスト団体「Las damas de blanco」(白い服の女たち)に所属していたという。
CIAがアルディンさんを使ってアサンジを「強姦容疑」で告発させ、逮捕されるよう仕組んだことは十分にあり得ることだろう。
アサンジのターゲットはアメリカ政府だけではない。
彼は「ニューヨーカー」のインタビューで述べている。
ウィキリークスの究極の標的は、一般大衆を抑圧し、言論の自由や人権を抑圧しているアフリカやアジアの国々――中国やロシア、さらにはミャンマーなど――の独裁政権の極秘文書を暴き、全世界の人たちに知らせることです。無論、その前に、不法かつモラルに反する政策を一般大衆に押し付けている支配権力に立ち向かおうとしている西側諸国の人たちを支援するのが先決です。彼らのために極秘文書をリークする。今はそれが大事なことだと思っています。
ウィキリークスの矛先は、将来的には、中国共産党一党独裁政権や金正日世襲独裁政権にも向けられることになろう。
ここで語られているウィキリークスの理念そのものは否定すべきではないように思われる。
問題は、その力が大きすぎる脅威となることである。
インターネットは人が作り出したツールである。
それは原子力と同じように、利用の仕方如何によって、大きな力にもなるし、大きすぎる脅威にもなる。
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