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2010年12月 3日 (金)

沖縄にとっての大和/やまとの謎(11)

「宇宙戦艦ヤマト」を実写化した映画「SPACE BATTLESHIP ヤマト」が1日に封切られた。
主人公・古代進を演じているのは、SMAPの木村拓哉さんである。ヒット作となる条件は揃っているが、実際の観客数はどうなるだろうか?

ヤマトは日本のアイデンティティを表している。
本物の戦艦大和は、米軍が沖縄上陸後、米軍砲撃のため沖縄に向かう途中で撃沈された。
沖縄にとって、「大和」は無用の長物だったわけである。

11月28日(日)に行われた沖縄知事選では、現職の仲井真弘多氏が再選された。
前宜野湾市長の伊波洋一氏氏の挑戦を退けた。
確定得票数は以下の通りである。
当 335708 仲井真弘多 無現=[公][み]
   297082 伊波 洋一  無新=[共][社][国]
        13116 金城 竜郎  諸新

この結果を、大差とみるか僅差とみるかは人によりけりだろうが、私は接戦であったと思う。
仲井真氏は普天間基地の移設に関し、辺野古への受入れを条件付きで容認する立場だったが、県内世論の変化などにより、県外移設を要求する立場に変わった。
一方、伊波氏は、日米安保条約を見直し、普天間をグアムへ移設するよう求めていた。
いずれにせよ、政府の方針とは合致しない。
政権与党が、自らの政策推進に賛同する候補者を立てられないのは無責任の謗りを免れないと思う。
⇒2010年11月13日 (土):菅内閣の無責任性と強弁・詭弁・独善的なレトリック

さて、仲井真氏の当選により、普天間基地の問題はどうなるであろうか。
菅首相と仲井真知事が2日会談した。

仲井真氏は冒頭、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の移設問題について「県外移設実現は私の(知事選)公約の大きな部分だ。日米の共同発表をぜひ見直していただきたい」と表明。同県名護市辺野古を移設先とする5月の日米合意を見直し、県外移設を実現するよう求めた。
・・・・・・
これに対し、菅首相は「知事の公約はよく拝見している。政府としては日米合意の中で、何とか方向性を見いだしたい」と述べ、日米合意に基づき、辺野古移設に向け、地元の理解を求めていく意向を表明。
・・・・・・
再選後の会見でも「県内移設はあきらめた方がいい」と強調。政府は沖縄側の軟化を図るため、経済振興と基地負担軽減を協議する沖縄政策協議会(主宰・仙谷官房長官)を通じて、移設実現への糸口を探りたい考えだ。年内にも政策協の部会を開催する方向で調整している。

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20101202dde001010026000c.html

政府は、仲井真氏が、かつて名護市辺野古の移設を容認していたことから、条件さえ揃えば移設容認になるだろうと考えているのかもしれない。
しかし、仲井真氏が移設容認であったのは、当時の名護市が条件付きではあるが、受け入れの意向を示していたからである。
鳩山前首相の無責任な言動でその条件が無くなった以上、仲井真氏も移設を容認することはできないと考えなければならない。

さて、選挙前の「日経ビジネスオンライン」1125号に『争点がぼやけた県知事選で、沖縄は何を訴えるのか』に、「もう、これ以上の失望はしたくない。結果はどちらに出るかわからないが、沖縄県民として、民意の声を大和に届けることだけはしたい」という言葉がある。
大和である。
いわゆる内地(沖縄以外の日本)のことを、沖縄では大和という。内地の人は大和人(ヤマトンチュウ)である。

従来であれば、基地の受け入れによって振興策を日本政府から引き出すことの可否を問うのが、両派の争点となっていた。しかしいまや「基地はいらない」「辺野古移設絶対阻止」で、割れていた島は一致しており、

菅首相の思惑のようにはいかないことは明白というべきだろう。
にもかかわらず、未だ方向性の表明すら行われていない。
弥縫策ではどうしようもない状況になってしまっていると思う。
対応を間違えると、沖縄の人たちは大和からの独立を目指すことになりかねないのではないか。

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