聖武天皇の宝剣?/やまとの謎(3)
古代史ファンの1人として、平城遷都1300年の今年、大和の地を訪ねたいという望みを持っていた。
⇒2010年9月26日 (日):“やまと”の謎(1)
そんな話を、見舞いに来てくれた以前に住んでいたご近所の気心の知れた人たちにしたところ、早速「行きましょう!」ということになった。
夫婦3組計6人で、日・月・火の2泊3日のミニツアーである。
私と妻は15年ぶりだが、他の4人は、1人を除いてほとんど修学旅行以来のようである。
私も古代史ファンといってもここ数年来のことであり、実際の現地の様子はほとんど知らないに等しい。
私の歩行に不安があったこともあり、車椅子を登載したジャンボタクシーを頼んだ。
結果的に、これが大正解であった。
タクシーの運転手は、長年の間にすっかり豊富な知識を蓄え、的確な説明をしてくれた。
また、雨中を厭わず車椅子を押してくれた。
私自身は、車椅子は保険のつもりであったが、かなり欲張ったスケジュールだったこともあり、ほとんどお世話になってしまった。
2日目の昨日の夜は、少しゆっくりしようということになって、ホテルの近くの居酒屋に出かけた。
私はノンアルコールビールである。
以前はバカにしていたが、食事の際の飲み物として結構いける。
たまたまTVをつけたら、大仏の膝下から出土した刀が、聖武天皇の宝剣ではないか、というニュースが流れた。
東大寺には前日行ったばかりである。
偶然にしろ、忘れられない思い出の1つとなるだろう。
東大寺の大仏のひざの下に埋められていた2本の大刀は、1250年もの間行方不明とされた「陰寶劔(いんほうけん)」と「陽寶劔(ようほうけん)」だった。当時正倉院に収めた聖武天皇の遺品を「除物(じょもつ)」にして持ち出せたのは、献納した本人の光明皇后ただ1人。大刀が正倉院から出された759年12月は光明皇后が世を去る半年前で、皇后は死を前に何を願って夫の遺愛の大刀を大仏の下に埋めたのか。
奈良国立博物館の西山厚・学芸部長(仏教史)は、正倉院の別の除物で、聖武天皇と光明皇后の結納品「封箱(ふうのはこ)」に着目する。陰・陽寶劔と同じ日に正倉院から出したと記録され、大刀が埋納されたころ、光明皇后が発願した法華寺でも地鎮祭があったと伝わることから、「国分寺、国分尼寺の代表である東大寺と法華寺の安寧こそが国家の安寧。特別な霊力を秘めた刀を東大寺の鎮壇具(ちんだんぐ)にし、女性として特別な封箱は法華寺の鎮壇具にしたのでは」と推測している。
一方、東野治之・奈良大教授(日本古代史)は、大刀が大仏殿竣工(しゅんこう)後に埋納されていることから「鎮壇具ではなく、個人的な信仰に基づく行為」と判断。大刀と同時に大仏周辺から出土している「歯」に着目し、「歯は聖武天皇のもので、聖武天皇の冥福と自身の病気の平癒を願い宝物とともに大仏のそばに埋めた」ととらえる。
杉本一樹・宮内庁正倉院事務所長も埋納時期が遅いことから「『鎮壇』をどう位置づけるべきか議論の余地がある」とするが、その目的については「国を守るシンボルの下に置くことで、国家の安泰を願った」とみている。
当時の時代背景から光明皇后の心中を察した見方もある。森本公誠・東大寺長老は「藤原仲麻呂が台頭する政治的混乱の中で正倉院の遺品が四散することを恐れて大事な宝物を取り出し、より大仏の身近に埋めたのではないか」と思いをめぐらせた。
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/101026/acd1010260842003-c.htm
写真は、http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101025-00000862-yom-soci
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