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2010年10月15日 (金)

戦略的互恵関係とは?

どうも、最近の首相(政治家)は、言葉が軽いような気がする。
自分が齢を重ねたためかとも思うが、麻生、鳩山、菅と並べれば、同意する人も多いのではなかろうか。
麻生氏は、数多くの失言を残し、「永久保存版、麻生太郎失言集!」なるサイトがあるくらいである。
⇒http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col1223.htm
鳩山氏も普天間飛行場の移設先を、「最低でも県外」とした発言を、「努力をしたいという思い」のことだと説明するように、発言に重みが感じられなかったことは記憶に新しい。

菅首相も、負けてはいないようだ。
国連総会での演説で、「国のリーダーがまず果たすべきことは疾病、貧困、紛争といった不幸をできる限り小さくすること、つまりは最小不幸社会を作ることにあると」と持論を述べたが、なんと、「疾病」を「しつびょう」と発音している。
http://www.youtube.com/watch?v=Dw_efrR0WYA

尖閣諸島海域でおきた中国漁船の領海侵犯事件で中国人船長を釈放したことについて、蓮舫大臣の強弁については既にふれた。
⇒2010年10月 3日 (日):尖閣問題に対する蓮舫大臣の強弁

この大臣は、強弁するのが好きらしい。
先の国会内のファッション雑誌の写真撮影に関しても、つぎのようにコメントしている。

蓮舫行政刷新担当相は12日の閣議後の記者会見で、国会内でファッション雑誌の写真撮影に応じたことについて「商業目的で雑誌の取材を受けたわけではない。政治への関心を高く持っていただきたいという思いで受けている」と強調した。 
http://mirurumama8723.wordpress.com/

尖閣問題について、菅首相は次のように述べている。
「検察当局が事件の性質などを総合的に考慮し、国内法に基づいて粛々と判断した結果だ」。
また、日中関係については、「両国は国際社会に責任を持つ重要な隣国であり、戦略的互恵関係を深めるために、日中双方が冷静に努力していくことが必要だ」。

「粛々」というのは、一種の流行病のようである。
しかし、語感については分かったような気がするが、本当にふさわしい言葉と言えるのかどうか、判断に迷うことばである。
そこで辞書をみると、次のように解説されている。

ひっそりと静まっているさま。「鞭声―夜河を過(わた)る」
おごそかなさま。厳粛なさま。
つつしみうやまうさま。

大辞泉:http://dic.yahoo.co.jp/dsearch/0/0na/10657608744300/

果たして、どの意味か?
それはとむかく、「戦略的互恵関係」についてはどう理解したらいいだろうか?
「戦略的」と「互恵関係」に分解して考えれば、「互恵関係」は双方にメリットのある関係ということだろう。
要するに、「Win-Win」の関係である。

それに「戦略的」という限定がつくわけである。
「戦略的」でないこととは?

普通、「戦略的」に対比して使われるのは、「戦術的」である。
しかし、「戦術的互恵関係」はあり得るだろうか?
「戦略的互恵関係」は、仙石官房長官流に言えば、「柳腰」で臨むというこである。
言葉が宙を飛んでいる(足が地についていない)ような気がする。

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コメント

はじめてコメントさせていただきます。
三友亭主人という名でつまらぬブログを書いているものです。

おっしゃるように首相(政治家)の言葉の軽さには呆れることが続いております。
あまり昔のことは記憶にはないのですが、ことに2000年代に入ってからのそれには目を覆いたくなるようなことが多いように思います。このことは、私には政治家がテレビの場に多くその姿を晒すようになってきてからのことのように思うのですが、いかがでしょうか。

以前といえば、政治家の姿をテレビで見るのはニュース番組か時事放談ぐらい・・・

今は何でもありといった状況です。その場その場で、おのが思いを披瀝し発信してくださるのは結構なのですが、それがテレビという具を使っての発信である限り、テレビ受けをするような内容でなければなりません。必然的に視聴者の望むような質のものでなければならないし、何時までもおんなじことを言っていては飽きられてしまいます。次から次へと目先を変えなければならない。ひとつの問題を熟慮することなしに新たな考えを披露することを要請される・・・

媚と余裕の無さがそこに感じられてなりません。

初めてのコメントでいきなりながながと、申し訳ありません。とはいえ、この「夢幻と湧幻」へは以前からしばしば訪問させていただいておりました。とくに大和に暮らし、古代に興味を持っている私がそんな内容のサイトを検索してゆくと、必ずと言っていいほどこちらにたどり着くこととなり、いつもいつも勉強させていただいています。

この度、失礼ながらこの素晴らしいサイトを私のブログに訪問してくださる数少ない方々にもお知らせしたいと思い勝手にリンクを貼らせていただきました。もし、お気に入りにならないのでしたらすぐにはずさせていただきますのでお知らせください。

投稿: 三友亭主人 | 2010年10月16日 (土) 20時48分

三友亭主人様

ご丁寧なコメント有難うございます。
確かに、TV出演の影響があるのかも知れません。
TVは影響力の強いメディアですから、政治家がTVに出たがるのも理解できますが、ウケることを意識しすぎるのでしょう。
リンクを貼っていただくのは、基本的に有難いことだと思っています。当方のブログにも貴ブログをリンクさせていただきます。
時間に余裕ができたら、大和の地を訪ねたいと思っていましたが、治療を優先せざるを得なくなってしまいました。

投稿: 管理人 | 2010年10月17日 (日) 05時07分

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