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2010年10月21日 (木)

仙谷官房長官の弁論技術

女房役といわれる官房長官が、いまや表の顔として機能している。
⇒2010年10月18日 (月):危うい菅内閣(続)
「出る杭は打たれる」というか、仙谷氏に対する風当たりが強くなっているようだ。

自民党の鶴保庸介参院決算委員長は18日の委員会冒頭で参院予算委での答弁で野党側の姿勢を批判した仙谷由人官房長官に対して「国務大臣として品位を汚すことなく、真摯(しんし)かつ適切な答弁に努めることを強く望みたい」と注意した。決算委員長が別の委員会審議での閣僚発言に注文を付けるのは異例。
仙谷氏は14、15両日の参院予算委で、中国漁船衝突事件を巡る報道内容の真偽を尋ねる野党議員を批判。民主党政権の天下り防止の取り組みを批判する現職官僚を野党側が政府参考人として出席させたことに対して「彼の将来を傷つける」などと答弁した。仙谷氏は18日の記者会見で「重く受け止めている」と語った。

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20101019ddm005010031000c.html

確かに、仙谷氏の発言には傲岸さが窺える。
上の鶴保委員長の注意に関しても、本当に反省しているようには見受けられなかった。
仙谷氏には、弁護士として培った弁論技術があるといわれる。
う仙谷氏の答弁は、はたして仙谷氏の高等戦術であろうか。

15日の参院予算委員会で、みんなの党の小野次郎氏が中国漁船衝突事件のことを尋ねた時のこと。仙谷氏は「質問はいただいていないが、ひと言話をさせていただきます」と前置きしたうえで、小野氏の出席要請を受けて同委で政権批判めいた答弁をした経済産業省官僚の発言を突然取り上げた。
「上司として話すが、彼の将来を傷つけると思う」。この仙谷氏の「不規則発言」に野党側は「勝手な発言をするな」と騒然となり、仙谷氏の陳謝を要求。後日、民主党の前田武志参院予算委員長が仙谷氏を口頭で厳重注意した。

http://www.asahi.com/politics/update/1020/TKY201010200486.html

仙谷氏は19日の記者会見でも、尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件に関する仙谷氏との電話での会話内容を暴露した自民党の丸山和也参院議員を「いい加減な人」と批判。これに対して、野党は「図に乗っている」などと、態度を一段と硬化させた。対立は激化の一途をたどり、野党は仙谷氏に対する問責決議案の提出も視野に入れ始めた。
「乱暴な答弁が多い。自分のことを棚に上げして侮辱的な発言をする」(石原伸晃自民党幹事長)、「強圧的で傲慢(ごうまん)にみえる」(漆原良夫公明党国対委員長)、「問責決議案に値する」(渡辺喜美みんなの党代表)-。一連の仙谷氏の「乱暴」な答弁に対し、野党幹部は19日、相次いで批判の声を上げた。
丸山氏が18日の参院決算委員会で中国漁船船長の釈放をめぐり、仙谷氏が電話で「APEC(アジア太平洋経済協力会議)が吹っ飛んでしまう。属国化は今に始まったことでない」と言ったと紹介したのに対し、仙谷氏は「健忘症なのか分からないが、会話の内容は全く記憶にない」とけむに巻き、19日の記者会見で丸山氏について、「いい加減な人のいい加減な発言については、全く関与するつもりはない」と反撃した。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/101019/stt1010192031007-c.htm

健忘症とは言うものである。
それだけ答えるのに窮したとみることもできる。
野党側では、「健忘症が官房長官に就くのは不適格だ」という声があり、診断書を提出させることも検討するということであるが、そうなるとほとんど子供のケンカである。
みすみす仙谷氏の術にはまることになろう。

民主党の中にも仙谷氏の言動を批判する動きがあるようである。
自民党の山本一太氏の報道をもにした質問を、「最も拙劣」と批判したことは、10月18日に触れた。
民主党の前田委員長に陳謝した仙谷氏は、25日の参院予算委で謝罪することになったが、19日の記者会見では、陳謝するかどうかは「次の予算委で明らかになる」ととぼけた。

11月には、APEC(アジア太平洋経済協力会議)が横浜で開催される。
胡錦濤中国家主席が出席することが予定されている。
仙谷氏や菅直人首相はそれを考慮し、「政治判断」で釈放を決めたのではないかといわれる。
つまり検察に責任を転嫁したこれまでの答弁は虚偽ということになる。
「政治判断」はあってしかるべきだが、虚偽の答弁は許されないだろう。
弁論技術の範囲を逸脱している。
「上手の手から水が漏れる」ということもある。

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