再び問う、「菅首相続投で、本当にいいのだろうか?」
改造菅内閣がスタートした。
⇒2010年9月18日 (土):改造菅政権のスタート
世論の支持率も上々のようである。
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)は18、19の両日、合同世論調査を行った。菅内閣の支持率は前回調査(8月28、29日実施)から18・2ポイント上昇して64・2%となり、政権発足後最高を記録した。不支持率は21・2%(18・6ポイント減)。民主党代表選後の党役員人事、内閣改造で小沢一郎元幹事長を登用しなかったことを「評価する」と答えた人が74・8%に上っており、“脱小沢人事”が奏功した形だ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100920-00000509-san-pol
ちなみに、内閣支持率の推移は下図のようである。
産経新聞100921
折角の支持率上昇に水を指すつもりはないが、「脱小沢」を評価して、というのが主な理由ではいささか心許ない。
田中秀征元経済企画庁長官も、菅氏は、自民党と小沢さんの不人気に便乗して続投したと辛口のコメントを寄せている。
1つは自民党政権に戻したくない。2つ目は小沢さんを復活させたくない。3つ目は首相がコロコロ代わるのは好ましくない。そんな世論に巧みに便乗している。
だが、このような消極的な支持では政権を担当するだけの求心力は生まれない。小沢さんがいなくなれば菅内閣はすぐにつぶれてしまうだろうな。
産経新聞100921「単刀直言」欄
同感である。
田中氏は、菅首相は、就任してから強いメッセージを発していない、と指摘する。
「最小不幸社会」や「元気な日本」など、菅首相の発したキーワードを、「まったく胸に響かない」と切り捨てる。
内閣改造後の記者会見で、重点課題として〈1〉金融・財政対策〈2〉国際社会での活動〈3〉地域主権改革――の3点を挙げた。
⇒2010年9月18日 (土):改造菅政権のスタート
ところが、田中氏は、次のようにいう。
彼の関心事といえば、相撲で言えば土俵の整備だ。「二大政党制」「選挙制度」「クリーンでオープンな政治」とか。でも土俵でどんな相撲を取るかがはっきりしない。国にとって一番大事な経済、外交、地方が、彼の関心事から欠けている印象がある。
菅首相が重点課題としているものが、いずれも彼の関心の外にあったということだ。
具体論や迫力にかけるのは、そのためだったのか、と思ってしまうほど重なっている。
消費税発言については、このブログでも折に触れ言及してきた。
⇒2010年7月12日 (月):日本の政治はどうなるのだろうか?
⇒2010年8月 1日 (日):民主党におけるマネジメントの不在
田中氏も次のように手厳しい。
彼は霞ヶ関を倒す奇兵隊内閣などと言ったが、財務省に取り込まれて今や霞ヶ関幕府を守る新撰組になってしまった。
田中氏は、自民党は老朽住宅、民主党は仮設住宅で、どっちも永住する気になれない、ダメだと分かった政権を続ける必要はない、という。
私は、代表戦の前に、菅氏優勢との状況分析に対し、「菅首相続投で、本当にいいのだろうか?」と問うた。
⇒2010年9月11日 (土):菅首相続投で、本当にいいのだろうか?
支持率上昇を目にして、もう一度同じことを問いたいという思いに駆られる。
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