東海大震災は防げるか?
集中豪雨が凶暴化している。
各地で記録破りの豪雨により、被害が発生している。
しかし、自然災害の被害の大きさは、原因となる自然事象の激烈さに必ずしも比例しない。
社会的条件に左右される要素も少なくないからである。
往々にして、富者よりも貧者により厳しい被害が集中する。
貧者の住環境の方が災害抵抗力が弱いためである。
阪神淡路大震災でも、そういう傾向がみられた。
次の文章は、被害が大きかった長田地区の小学生の作文である。
http://comrade.at.webry.info/201001/article_8.html
被害が弱者に集中する傾向は、「かみさまのいじわる」というよりも、「災害の階級性」というべきかも知れない。
9月1日の「防災の日」は、関東大震災の発生の日に由来する。
地球の表面が下図に示したような何枚かの固い岩板(プレートと呼ぶ)で構成されており、このプレートが対流するマントルに乗って互いに動いているとするプレートテクトニクスが地球科学の定説になっている。
大陸でさえも、プレートに乗って移動するのである。
日本列島は、4つのプレートに取り囲まれ、プレートの交差点のような場所に位置している。
http://www.e-quakes.pref.shizuoka.jp/why/b-01.htm
そのため、日本は世界でも有数の地震国である。
地震による被害は、防災の準備によって大きく変わる。
いつ起きてもおかしくない、と言われているのが東海地震である。
政府は東海地震対策として、1988年に「大規模地震対策特別措置法」を制定し、これまでに大きな被害を受けろ可能性のある8都県、160市町村を防災対策強化地域に指定している。
東海地震が、予知の取り組みが最も進んでいる。
静岡・愛知両県の21カ所に「前兆滑り:プレスリップ」をとらえるための「ひずみ計」を設置している。
観測データは地震学者らで構成する判定会議で検討する。
予兆が疑われる場合、次の3段階の情報を出し、防災体制に入る。
1.予知情報
2.注意情報
3.観測情報
これまで、予知情報、注意情報が発せられたことはない。
観測情報は、昨年8月の駿河湾沖を震源とする地震(マグニチュード6.5)の発生を受けて出されたが、東海地震との関連はないとして解除されている。
⇒2009年8月11日 (火):駿河湾を震源とする地震が発生
日本付近で起きる大地震は、下記のほぼ4種類に分類することができる。
(1)プレート境界型地震 | (例=1994年三陸はるか沖地震) |
(2)浅い場所でのプレート内部破壊による地震 | (例=1994年北海道東方沖地震) |
(3)深い場所でのプレート内部破壊による地震 | (例=1993年釧路沖地震) |
(4)地表近くの活断層による地震 | (例=1995年兵庫県南部地震) |
フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に潜り込む場所で発生が予想されており、駿河湾内の最深部(「駿河トラフ〔トラフとは浅い海溝のこと〕と呼ばれるところ)で起きるので「海溝型地震」とも呼ばれる。
地震の被害と予知の有無については、次のように想定されている。
静岡県人としては、予知の精度が上がり、被害が局限されるのを願うのみである。
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