“やまと”の謎(1)
平城京に遷都(710年)してから1300年ということで、今年はさまざまなイベントが行われている。
⇒平城遷都1300年祭ホームページ
私も、数年前から、古代史ファンの1人として、この節目の年に奈良の地を訪ねたいと思い、楽しみにしていた。
ところが、昨年末来の入院生活で、すっかり予定が狂ってしまった。
しかし、まだ期待を放棄したわけではない。
そんなわけで、関連資料は折に触れ目にしている。
かねてから、何で「奈良(≒やまと)」の地に古代宮都が置かれたか、という疑問を持っていた。
“やまと”の優位性は何か?
竹村公太郎『土地の文明 地形とデータで日本の都市の謎を解く』PHP研究所(0506)に、びっくりするような図が載っている。
都道府県別の、旅館・ホテルの客室数の図である。
H9年度のデータであるが、なんと奈良県が最下位なのだ。
私のイメージとこのグラフは全く合わない。
奈良といえば京都と並んで、観光のメッカである。
私は違かったが、修学旅行の定番の土地である。
ちなみに、1位、2位は、東京と北海道であり、これはまあ納得的である。
わが静岡県が3位に入っているのは意外(?)であるが、山と海に恵まれ、温泉なども多いからであろうか?
それにしても、奈良県は歴史遺産の宝庫であるはずだ。
邪馬台国の有力な候補地であるし(私は現時点では九州説であるが)、纏向遺跡の頃から、聖徳太子の頃の飛鳥や斑鳩、藤原京や平城京まで、奈良は日本古代史の重要な土地だった。
今年は、全国10の地域でエイペックが開催される。
奈良市においても、「観光大臣会合」が、9月22日、23日に終了したばかりである。
http://apec2010nara.jp/meeting/
つまり、奈良は日本を代表する観光地という位置づけである。
その奈良が、なぜ最下位?
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 藤井太洋『東京の子』/私撰アンソロジー(56)(2019.04.07)
- 内閣の番犬・横畠内閣法制局長官/人間の理解(24)(2019.03.13)
- 日本文学への深い愛・ドナルドキーン/追悼(138)(2019.02.24)
- 秀才かつクリエイティブ・堺屋太一/追悼(137)(2019.02.11)
- 自然と命の画家・堀文子/追悼(136)(2019.02.09)
「日本古代史」カテゴリの記事
- 沼津市が「高尾山古墳」保存の最終案/やまとの謎(122)(2017.12.24)
- 薬師寺論争と年輪年代法/やまとの謎(117)(2016.12.28)
- 半世紀前に出土木簡からペルシャ人情報/やまとの謎(116)(2016.10.07)
- 天皇制の始まりを告げる儀式の跡か?/天皇の歴史(9)(2016.10.05)
- 国石・ヒスイの古代における流通/やまとの謎(115)(2016.09.28)
「思考技術」カテゴリの記事
- 際立つNHKの阿諛追従/安部政権の命運(93)(2019.03.16)
- 安倍トモ百田尚樹の『日本国紀』/安部政権の命運(95)(2019.03.18)
- 平成史の汚点としての森友事件/安部政権の命運(92)(2019.03.15)
- 横畠内閣法制局長官の不遜/安部政権の命運(91)(2019.03.12)
- 安倍首相の「法の支配」認識/安部政権の命運(89)(2019.03.10)
「やまとの謎」カテゴリの記事
- 元号と改元と日本建国/やまとの謎(125)(2019.01.10)
- どんどん焼き・左義長/やまとの謎(124)(2019.01.07)
- 今上天皇在位最後の誕生日/やまとの謎(123)(2018.12.23)
- 沼津市が「高尾山古墳」保存の最終案/やまとの謎(122)(2017.12.24)
「邪馬台国」カテゴリの記事
- 「壹・臺」論争は決着したのか?/やまとの謎(96)(2014.08.25)
- 邪馬台国と金印/やまとの謎(72)(2012.12.20)
- 邪馬台国所在地問題の陥穽/やまとの謎(70)(2012.12.13)
- 魏使の行程のアポリアとしての「水行十日陸行一月」/邪馬台国所在地論(2012.12.07)
- 「邪馬台国=西都」説/オーソドックスなアプローチ(2012.11.20)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント