障害者に優しいツール:ポメラ/闘病記・中間報告(12)
多田富雄さんの文章の一節に、次のようにある。
リハビリを続けたお陰で、何とか左手だけでパソコンを打ち、人間らしい文筆生活を送っている。
私の場合、文筆生活などといえるレベルではないが、このブログも、左手だけのPC操作で書いている。
発症前は、ブラインドタッチとは言えないまでも、両手でキーボードから入力していた。
今は、キーボードはおろか、マウスの操作にも右手は使えない。
結果的に、文章作成速度は、10分の1くらいである。
そんな状態だから、長めの文章を投稿した時など、疲れるのではないかと心配してくれる人がいる。
しかし、ブログの更新自体をリハビリの一環として位置づけているので、ある程度の負担は織り込んでいる。
それにテキストデータのメモ作成用に、有難いツールが誕生した。
キングジム社から発売されている「ポメラ」という商品である。
ポメラというのは、ポケット・メモ・ライターの略である。
メーカーは、事務用品で馴染み深いキングジム社。
別にキングジムの宣伝に強力するつもりはないが、入院する前から気になる商品であった。
回復期リハビリ病棟に入院している時、病室にインターネット環境がないのをみた友人が、「それではポメラをプレゼントしよう」と言ってくれたので、喜んでいただくことにした。
商品概要は、当該サイト(https://www.kingjim.co.jp/pomera/)を参照してもらう方が早いが、次の絵が特徴を表現している。
要は、メモ書きに特化したモバイルギヤだということである。
ネットにつながるわけでも、画像を扱えるわけでもない。
ある意味で、徹底的に機能を絞り込んだのが特徴だといえる。
私にとって、具体的にどういうメリットがあるか?
先ず第一に、左手だけで、すべての操作ができる。
特にマウスがないのが、ありがたい。
カーソルの位置の移動は、上下左右向きのキーで行う。
次に、乾電池で駆動するというのが、斬新である。
モバイルとしてのPCの弱点は、バッテリーにあると思う。
随分と省電化されてきてはいるが、電池のモチには未だ不満がある。
携帯電話ですら、頻繁に充電しなければならない。
ポメラは、単4の乾電池2本で駆動する。
1週間程度は十分にもつが、乾電池は汎用品なので、どこでもスペアが入手しやすいし、単4ならばペンケースにも入る。
起動も速いので、「いつでも、どこでも」メモを作成することができる。
キーボードは折りたたみ式で、十分なピッチ幅を有する。
打鍵感も満足できるものである。
メモ書きに特化した、文房具メーカーならではのコンセプトが成功したといえよう。
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