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2010年8月27日 (金)

カン違いしたのは、菅首相かわれわれか?

民主党の代表戦に、小沢一郎前幹事長が出馬表明し、菅首相と一騎打ちの構図が明らかになった。
1年前の総選挙で、政権交代が実現してから、民主党への期待は一貫して裏切られ続けてきたが、ここ数週間の経過はその集大成であった。
鳩山前首相が小沢氏を道連れにして辞任して一時的に支持率は上昇したが、参院選で大敗したにもかかわらず正面からその敗因を分析することはなかった。
⇒2010年7月12日 (月):日本の政治はどうなるのだろうか?
⇒2010年7月13日 (火):タレント候補擁立に象徴される民主党の民意の読み違い

菅首相は、内憂外患が山積しているにもかかわらず、代表戦の対応に終始し、政治的なモラトリアム状態に陥っていた。
「政治とカネ」の問題で身を引いたはずの2人が、主役のような態度で振舞っている。
影響力の行使を差し控えるはずだった前首相が、精一杯影響力を行使しようとしている。
1年の間に3人も首相が変わるのは対外的が信用が失われるという消極的な理由「だけ」で、つまり積極的な理由なしで続投が支持される。

このような状況をみて、民主党「にも」愛想を尽かした人も多いのではないか。
民主党「にも」というのは、そもそも政権交代は自民党が愛想を尽かされた結果だと思うからである。
小沢氏の出馬表明により、代表戦の状況については次図のように解説されている(図は、夕刊フジ100828)。
Img_2
小沢氏が出馬を最終的に判断したのは、鳩山氏が支援を約束したからだといわれる。
もちろん、代表戦は党規約の上からも実施されなければならないし、菅首相支持派が、「脱(反)小沢」を軸にしている以上、小沢氏もしくはその代理人が出馬することは必然でもあろう。

残念だったのは、菅首相の対応振りであった。
私は、市民運動家であった菅氏に、ある種のアマチュア性を期待していた。
⇒2010年8月10日 (火):政治におけるアマチュアの可能性
世襲政治家とは違って、日本社会を覆っている閉塞感に穴を開ける突破力があるのではないかとみえたのである。

しかし、参院選に大敗し、代表戦に没頭する姿から、わが国をどうにかしようという気迫を感じることはできない。
TVに映る顔からは精彩さが失われ、目は虚ろにさえ見えた。
市民運動家が大衆迎合的であるのは必然かも知れない。
しかし、一国のリーダーには、「千万人と雖も吾往かん」という気概が欲しいではないか。
そんな場合か、という気もするが、かくなる上は現在の政党の枠を超えて、政界再編成に進むのが一番いいのかも知れない。

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コメント

そして今、「千万人と雖も吾往かん」の安倍首相を批判する愚かさよ。マジでウケるわ、表現のつもりかもしれないが、単なる人の悪口をインターネットに撒き散らしている罪を自覚したほうがいい。

投稿: | 2016年9月 3日 (土) 15時29分

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