赤ちゃんロボットと認識の発達過程
『山椒魚戦争 #岩波文庫#』(栗栖継訳 (1978)の作者カレル・チャペックは、「人造人間」を意味する「ロボット」の造語者として知られる。
チャペックが、『R・U・R(エル・ウ・エル)』において、「ロボット」という言葉を使用したのが1920年。
爾来90年。ロボットという言葉は、ますます広範に用いられるようになっている。
「ロボット」の進化の軸として、次の2つが考えられる(2010年5月23日 (日):「恐竜の脳」の話(4)山椒魚 )。
1.産業用ロボット
2.人間の各種の活動の本質を理解しようとする試み
現在は、ロボットの進化において、進化の系統樹の幹の部分が生まれつつある時代だ、と言われる(立花隆『ロボットは「脳進化」の夢をみるか』<「現代0306」所収>)。
分類は別として、最近、ちょっと興味をひくロボットの開発が報じられた。
大阪大、東京大などのチームによる『Noby』である。
ノビーは、身長71センチ、体重7.9キロで、生後9カ月の乳児の平均値と同じ骨格と運動能力を持つものである。
http://sankei.jp.msn.com/science/science/100611/scn1006112259002-n1.htm
視覚、聴覚に加え、ウレタン製の柔らかい皮膚には全身に600個のセンサーを備えているため、触覚もある。
スタッフに抱かれたノビーは、人形に触ろうとしたり、じっとしているのに飽きて手足をもぞもぞ動かしたりと、かわいらしい赤ちゃんぶりを発揮するという。
乳児型ロボットは、運動と認知機能が劇的に発達する生後9カ月の時期に乳児がどんな感じ方をするか、どんなふうに好奇心を持つかなどを調べるシミュレーションを目的として開発された。
研究総括の大阪大学大学院、浅田稔教授は「人間の学習・発達メカニズムの深い理解につながる」と話している。
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