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2009年11月10日 (火)

水銀の化学(15)金原子と水銀原子の相対論的効果

水銀の原子番号は80であるが、その前の79は金である。
金は、洋の東西を問わず古代から富裕の象徴とされてきた。
永久に変わらない光沢を放つことがその主因と思われる。
4月に、静岡県立美術館で展示された「よみがえる黄金文明展-ブルガリアに眠る古代トラキアの秘宝-」という展示会を見に行った。

日本では縄文時代の頃、現在のブルガリアには黄金文明が栄えていた。
Photo_9有名なエジプトのツタンカーメンの黄金のマスクに匹敵するといわれるトラキア王の黄金のマスクも展示されていた。
私は、このような文明の存在すら知らなかった。

この金が黄金色に輝くのは、相対性理論による現象だという。
(富永裕久『元素 #図解雑学#』ナツメ社(0512))
意外なことであるが、どうやら次のようなことらしい。
相対性理論によれば、高速に近づくと質量が増える。
原子核の周りを回っている1s軌道の電子の平均速度は、原子番号に比例して早くなる。
つまり、質量が増え、軌道の半径が収縮する。
s軌道が収縮すると、p軌道も収縮し、d軌道とf軌道は離れていく。
Photo_10
金が黄金色に輝くのは、原子軌道の大きさが変わることにより、電子遷移時に電子が青から紫の可視光を吸収するようになり、その補色である赤から黄色の光を反射して黄金色となる。
水銀が常温で液体であるのも、相対論的効果で原子半径が小さくなり、イオン化されにくくて水銀原子同士の結合が弱いため、常温で液体になる。
Photo_11

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