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2009年11月27日 (金)

卑弥呼の死(8)「天の岩戸隠れ」との関係

金田弘之『軍事からみた邪馬台の軌跡』国書刊行会(9903)は、安本美典氏らの「卑弥呼=天照大御神」説の妥当性について検証している。
『古事記』の「天照大神は天の岩屋戸を開いてお隠れになった」という記述については、以下のように解説している。

『古事記』では、天照大神とが須佐男命が「誓約(ウケイ)」をしたとしている。
須佐男命が天に上がりたまうときに、山川が成り騒ぎ国土が振動した……天照大神は驚いて『弟は国を奪おうと思っているのかも知れない』と……天照大御神は髪を解き、左右の手に勾玉を持ち、背には靱を負い……弟は天照大神に誓いを立てて男の子を生み自分が正しいことを証明した、というものである。
これを、金田氏は、次のように解釈する。

「天照大御神の支配する国と須佐男命の支配する国が戦争をおこなった。戦争はいったん平和裏に終結するかにみえた。しかし、須佐男命の支配する国が因縁をつけて再び天照大神の支配する国を侵略した」のであろう。天照大神は、「髪を解き、左右の手に勾玉を持ち、背には矢が千本も入る靱を負った」と記述する。この意味は、天照大神自ら戦闘の最前線で戦ったことを示している。
須佐男命の乱暴とは戦争(侵略)を意味するものであり、最終的に天照大神は戦争に敗れたのである。その結果「天照大神は殺害された」と私は考える。「天の岩屋戸」とは、お墓(古墳)のことである。中つ国が闇くなったとする意味は、太陽に使える天照大神が巫女としての力を失った、つまり「死」を意味するものと考える。

これを、「天照大神の死」と表現しないことについては、坂口光司氏(郷土史家)の説を援用し、次のように説明している。
天照大神は世襲された官職名であって、何人も存在した。
卑弥呼に相当するのは三代目であり、台与は四代目である。
つまり、「死」は同時に世代交代であった。

あるいは、桜井光堂氏の次のような説を紹介している。
新しい女王は、亡くなった老女王とおなじ人物として、老女王が生き返ったという扱いかたをする。
生まれかわったのではなく、息をふきかえしたという扱いだから、そのまま生存年齢が延長される。

古代においては、日の神に仕える巫女(日巫女)は、永遠に生きつづけなければならなかった。
天の岩屋戸に隠れるのは、あくまで一時的なもので、再び地上に現れなければならなかった。
『古事記』は、「死」という表現を使っていないが、岩屋戸隠れは、明らかに「天照大神の死」を意味している。

一方、卑弥呼の死についてはどうか。
松本清張は、「戦争責任をとり『よって』殺害された」とする。
天文学の斎藤国治氏は、西暦247年と248年に、九州上空で皆既日食が発生した、とする。
皆既日食により天界が闇くなったことは、日の神に仕える巫女(日巫女)である卑弥呼が力を失ったことを暗示させるものであろう。
皆既日食という自然現象を、古代人は不吉な予兆ととらえたと思われる。

金田氏は、狗奴国との戦争の敗北による人心の離反の中で、卑弥呼が殺害される運命にあったのではないか、とする。
『古事記』が、「中つ国が闇くなった」とするのは、皆既日食による暗黒の世界の出現と同じことである。
また、『古事記』が「天の岩屋戸に入る」とするのは、『魏志倭人伝』の、「卑弥呼以死」と同じ意味である。
つまり、天照大神と日に使える巫女としての卑弥呼は、その立場や死亡した背景、場の類似性等から、同一人物であるとする「仮説」は肯定される、というのが金田氏の検証の結論である。

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投稿: 木村佳乃 東山紀之と真剣交際!来春にも結婚か | 2009年11月28日 (土) 13時03分

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