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2009年9月11日 (金)

詐欺のケーススタディ(3)メガバンクの内部協力者

詐欺のケーススタディとして、以下を取り上げてきたが、またまた格好の材料が現れた。
コシ・トラストという不動産会社が、三井住友銀行から融資金を騙し取った事件である。
2009年6月12日 (金):詐欺のケーススタディ-脱税容疑を入口に
2009年6月29日 (月):詐欺のケース・スタディ(2)-未公開株取引とマルチ商法
かつて、住友銀行といえば、攻撃的でありつつも、手堅い行風で知られていた。
例えばWikipediaでは、次のように記述されている(最終更新 2009年7月11日 (土))。

住友グループの中核で、本店は大阪市中央区の淀屋橋(現在の三井住友銀行大阪本店営業部)に置かれていた。2001年4月にさくら銀行と合併して三井住友銀行となった。また、先進的・効率的経営で定評がある一方、『逃げの住銀』・『石橋を叩いても渡らない』『住銀の歩いた後にはぺんぺん草も生えない』と評され、経済誌の顧客イメージランキングでは、常に他行の後塵を拝していた。同じ大阪に本店を置く三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)、大和銀行(現・りそな銀行)と並ぶ在阪三大都市銀行の一行でもあった。統一金融機関コード0009で、三井住友銀行に引き継がれている。

以前、私の関係していた会社も、住友銀行を準メインバンクとしていたが、業績が順調な時には新規案件の紹介に熱心であるが、業績に陰りが見えたりすると、手のひらを返したように債権管理に敏感になる。
これは銀行の一般的な態度でもあるが、住友の場合、特に顕著だったように思う。

Photo_2 今回の事件は、三井住友銀行高円寺支店を舞台としており、以下のような経緯である。
http://www.gendaisangyojoho.co.jp/cgi-bin/backnumber.cgi?NO=619&BODY=16

東京・渋谷に本社を置いていたコシ・トラストという不動産会社が、60数社を三井住友銀行に紹介、同行が約170億円を融資、100億円以上が回収不能となっている
……
『読売新聞』によれば、コシ・トラスト融資の仕組みは次のようなものだった。
「60数社の大半は融資の申し込みの際、偽造された経理書類を提出し、約20社は営業実態のないペーパーカンパニーだった」
この信じがたい迂闊さは、コシ・トラストを担当した三人の高円寺支店の行員が、程度の差こそあれ中林明久社長に籠絡されていたことで、ある程度、納得できた。最も親しかった元行員は、家賃補助を受けていたうえに、車やクルーザーの便宜を図ってもらっていたのだから、中林社長に「審査のくぐり抜け方」を伝授していたとしても無理はない。
……
マルチ商法と未公開株販売は、この商法に慣れ親しんだ人間たちが、くっついたり離れたりしながらビジネスを展開する場であり、最近は、そこに暴力団関係者が“しのぎ”として関与することが少なくない。今回、そこに三井住友、三菱UFJという二大メガバンクを引き連れた中林社長が飛び込んできた。

マルチ商法と未公開株販売は、上記のケーススタディ(2)でも取り上げたが、既に古典的な手口なのかも知れない。
ここで問題にしたいのは、三井住友銀行というメガバンクにおいて、内部に共犯者がいたと考えざるを得ない事態である。

高円寺といえば、ねじめ正一氏の『高円寺純情商店街』新潮文庫(9204)などで知られるように、ユニークな商店街を擁する下町(?)である。
高円寺で行われている「阿波踊り」は今や大人気のイベントで、静岡県の裾野市では、これを高円寺から移入し、数多くの連が踊りを競って、夏祭りを盛り上げている。

今回の事件は、このような街におよそ相応しくないものであるが、事情通の間では、闇勢力のメッカとも言われているようである。
http://facta.co.jp/article/200806036.html
上記サイトには、以下のような言葉が載っている。

「コシ・トラスト? ああ、三井住友銀行の高円寺支店から、なんぼでもカネ引けるちゅう会社やろ。有名だったわ。ブローカーの集まるような高円寺の喫茶店じゃ、関西弁が飛びこうとるって聞きましたで」(関西在住の企業舎弟)

3  9月10日の日経新聞では、他に逮捕された人物として、元コシ社役員で元暴力団組員や行政書士、法律事務所職員らがいる。
これらの事件関係者は、経営実体のない会社の虚偽の決算書類などを同行高円寺支店法人営業部に提出するなどして、融資を申し込んで詐取した。
銀行内部に協力者がいなければ、そう簡単に審査は通らなかったと思われる。
金額の大きさもさることながら、メガバンクに闇社会が深く食い込んでいる構図が明らかにされたことは重要であろう。
(図は、産経新聞9月10日)

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