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2009年9月 6日 (日)

自由民主党・自壊の構造 その3.遺産を食いつぶした三代目

自民党が、首相指名選挙への対応でもめているらしい。
首相指名選挙は、9月16日に予定されている。
麻生太郎総裁は既に辞意を表明しているが、後継を決める自民党総裁選挙は、18日告示、28日投開票で行うことになっている。
したがって、16日時点では麻生氏が総裁であるが、敗軍の将である麻生氏の名前を書くことに異論が噴出しているのだという。

そのため、白紙で臨むという案が有力になってきているという。
麻生総裁で白紙投票とは如何なものか、ということで、辞任を前倒しにするなどの意見も出ているようだ。
そんな状態だから、惨敗を喫することになる、ということだろう。
今までは、自民党総裁=内閣総理大臣であり、総裁選は、首相を選ぶのと同義であった。
しかし、今回は首相指名選挙では、民主党の鳩山由紀夫代表が指名されることは確実である。
つまり、自民党の総裁は野党の党首を選ぶという意味しかない。

もちろん、党再生の重要な第一歩であるから、広範な意見を徴することも重要であろう。
しかし、自民党が野党でいる期間は、おそらく細川内閣時代よりもずっと長引くのではないか。
安倍、福田、麻生の短期総裁を考えれば、暫定総裁という可能性だって大きい。
速やかに次期総裁を決定し、その名前を書くことが、自民党としてなすべきことではないのだろうか?

権力の承継というのは難しい。
江戸の川柳に、「売り家と唐様で書く三代目」がある。
そのこころは、次の通りである。
http://kotowaza.exblog.jp/1424039/

初代はその財を築くために、それこそ夢中になって働いて、文字を習う暇もないほどであったが、その子や孫はその財産を使うばかり。そのうちには悪い遊びも覚え、三代目あたりになると財産といえば自分の家くらいしか残らなくなってしまう。ついにはその家までも手離さなければならず、ただ一つ身についた腕で、売家という文字を唐様のしゃれた書体で書く。祖父の忍苦を忘れて、孫の代で無残に財産を使い果たす意味の川柳。名家や富豪と評判の家で三代目につぶれる家が多い。
語:唐様=明(みん)の書風をまねた漢字の書体。

日本古代史においても、蘇我氏三代の例がある。
事実上の初代ともいうべき馬子から、蝦夷を経て、三代目の入鹿で滅亡した。
藤原鎌足を初代とすれば、不比等を経て、三代目の武智麻呂、房前、宇合、麻呂の三代目は、同じ年に病死した。
源頼朝を初代とする源氏政権は、頼家を経て、三代目の実朝が暗殺されて滅亡した。
近代に目を移しても、明治維新で誕生した大日本帝国は、明治、大正、昭和の三代で潰えた。

権力を三代を超えて維持しようと意図すれば、当然のことながら、創業に近い努力を継続しなければならない。麻生首相も、吉田茂元首相の孫であるから、三代目の宿命を背負っていた。
今の指導者層は、戦後の再出発から三代目世代ということになる。
象徴天皇制の出発点を昭和天皇とすれば、皇太子が三代目ということになる。
皇室の危機が顕在化するのは、皇太子が皇位に就いてからだろう。

自民党についていえば、麻生首相は、ポスト小泉の安部、福田に次ぐ三代目とみるべきかも知れない。
郵政民営化総選挙の遺産は、見事に三代の間に食いつぶされたということではないだろうか。

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