« 偶然か? それとも・・・(5)袖振り合う縁 | トップページ | 「逝」と「行」/「同じ」と「違う」(8) »

2009年9月26日 (土)

マエハラ(タ)、頑張れ!(続)

八ツ場ダム、JAL、高速道路の無料化と、国土交通行政をめぐって難題が山積している。
そういう中で、JR西日本・福知山線の脱線事故の事故調査委員会をめぐって、信じられないようなことが報じられている。
結果的に起訴されることになった山崎正夫前社長が、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(現・運輸安全委員会)の山口浩一元委員から事故報告書案を入手し、JR西に不利にならない内容に書き換えるように働きかけていたというのである。

山崎前社長が修正を求めたのは、事故現場にATS(自動列車停止装置)がなかったことに関して、あれば事故が防げたと指摘している箇所だという。
この事件については、下記で触れたことがある。
2009年7月18日 (土):過失論と予見可能性

論点は、「ATSを設置していれば事故が防げたことを予見していたか否か」である。
事故が故意に起こされたものでないことは当然である。
問題は、責任を問われるべき過失があったのかどうか、であり、予見可能性がその判断基準となる。
山崎社長は、社内会議で「ATSがあれば(函館線の)事故は防げた」との報告を受けていた。
つまり、福知山線についても、危険性の認識があったと考えるのが相当であるとして起訴された。

山崎前社長は、「ATSがあれば事故が防げた」という認識は、「後出しじゃんけんのようなもの」だから、山口元委員に、表現を柔らかくするか、削除して欲しいと要請した。
これを受けて、山口元委員は、「後出しじゃんけんのようで、いかがなものか」と発言したという。
結果的に、他の委員や事務局の反発で受け入れられなかったという。

「ATSがあれば事故が防げた」という認識は、果たして「後出しじゃんけん」か?
山崎社長は、事前に認識できなかったということを主張したかったのだろう。
しかし、それこそが、第三者的な判断を求められるところではないのか?
当然のことながら、事故調査委員会の委員は、利害関係者との個別の接触を禁じられている。
山崎前社長は、まさに当事者中の当事者である。

山口元委員は、山崎前社長の先輩に当たるという。
山口氏に協力を求めた見返りは、夕食の接待や菓子・新幹線の模型・チョロQなどの手土産だったという。
食事の場は、「赤ちょうちんに近い店で供応のイメージとは違う」と説明している。
たとえ「赤ちょうちん」そのものであっても、調査が進展している段階での接触そのものが論外というべきだろう。

山口元委員は、「法に触れるという認識はあった」と述べている。
それにもかかわらず、山崎前社長と接触して情報を漏洩しているのは、先輩後輩という間柄だったからだという。
ここにも「仲間主義という妖怪」がいたことになる。
2009年3月13日 (金):日本を徘徊する「仲間主義」という妖怪

前原国交相は、「今後は密接関係者を審議から外す」としている。
事故調査委員会は、国交省内に置かれ、調査官は同省から派遣されている。
それで委員会の独立性が保たれるのか、事故の遺族等からは、従前から疑問が呈されていた。
脱官僚主導の必要性が、こうしたところにも窺えるだろう。

|

« 偶然か? それとも・・・(5)袖振り合う縁 | トップページ | 「逝」と「行」/「同じ」と「違う」(8) »

ニュース」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/395349/31525878

この記事へのトラックバック一覧です: マエハラ(タ)、頑張れ!(続):

« 偶然か? それとも・・・(5)袖振り合う縁 | トップページ | 「逝」と「行」/「同じ」と「違う」(8) »