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2009年8月 2日 (日)

『富士の自然・信仰・文学に学ぶ』

裾野市、御殿場市、静岡市などで、小・中学校の教諭・教頭・校長等を歴任した渡邉宏行さんが、今年の2月に、『富士の自然・信仰・文学に学ぶ』という著書を自費出版された。
渡邉さんは、富士山の麓の裾野市で生まれ育ち、小学生の頃から富士山に興味を持ったという。
地元の研究者らの話を聞いたり、さまざまな文献を読むだけでなく、実際に登山して見識を深めた。
「富士山学」の1つの事例ということができるだろう。
以下、目次の概要を示す。
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Ⅰ 富士山の魅力

Ⅱ 富士山の自然
 1.富士山の生いたち
 2.富士山の植物について
 3.富士山麓の動物たち
 4.富士山頂の気象

Ⅲ 富士山への祈り
 1.富士山信仰の祈り
 2.富士山登山道の盛衰
 3.富士山中の特別な歩道
 4.浅間神社の成立
 5.山麓の主な浅間神社
 6.神社の諸様式と鳥居

Ⅳ 富士山の文学を辿る
 1.古典文学に見られる富士山
 2.中世文学に見られる富士山
 3.近世の漢詩・俳諧・和歌にみる富士山
 4.明治・太陽の文学にみる富士山
 5.昭和の文学にみる富士山

Ⅴ 富士山に学ぶ
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上記のような盛り沢山の内容を、A5版・108pに収めているので、個々の項目については、もう少し掘り下げてもらいたい部分がある。
浅間神社に関する項については、以下のように整理されている。
古代の日本人は、山麓に豊かな水を育み、時として激しく火を噴き上げる山に霊威を莞爾、自然を畏敬する固有の宗教を生み出した。
その1つに、富士山を神体とする浅間信仰がある。

大陸からの仏教、道教、儒教などが入ってくると、山岳信仰はそれらの様式を取り入れながら、修験道を生み出した。
富士山、立山、白山が三大霊山とされる。
富士山の修験道は、富士山全体が道場だったが、やがて一般庶民も登拝するようになる。
江戸時代になると、富士山の祭神は、火を鎮める神として木花開耶姫(コノハナサクヤヒメ)が祀られるようになった。
江戸時代中期には、関東を中心として富士山への参詣同行者で組織する「富士講」が隆盛を極め、全国各地から登拝者が集まった。

浅間神社は、センゲンジンジャと音読みする場合と、アサマジンジャと訓読みする場合がある。
アサマというのは、マレー語で「アサ:煙」「マ:母」ということで、「煙の母=火山」となる。
全国には約1,300社の浅間神社がある。
静岡県が150社、山梨県が66社であるが、意外なことに、千葉県が257社、埼玉県が129社あるという。
富士講の講社がこれらの地域に多かったことの反映だという。
富士宮市にある富士山本宮浅間大社は、駿河国の一宮だった。

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受信: 2009年8月 3日 (月) 11時27分

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