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2009年8月23日 (日)

「幸福の科学」のビジネスモデル

幸福実現党のPR動画に関連して、「神がかり」と「軍国化」の複合の危険性を指摘した。
8月21日:幸福実現党の軍国化路線

宗教法人だから「神がかり」は当然なのかも知れないが、それが現実政策として提示されると、黙視しているわけにはいかないだろう。
幸福の科学出版社から、「ザ・リバティ」という月刊誌が刊行されている。
宗教法人「幸福の科学」の機関誌もしくは広報誌である。
その0907月号に、『金正日・鳩山由紀夫守護霊の霊言』という記事が掲載されている。
同教団の大川隆法総裁の、『金正日守護霊の霊言』幸福の科学出版(0907)という書籍が刊行され、その一部を紹介したものだ。

内容は、金正日総書記と鳩山由紀夫民主党代表の守護霊へのインタビュー、ということである。
ちなみに、守護霊については、次のように説明されている。

守護霊とは、地上で生きている人間の人生をあの世から導いている霊のこと。すべての人に1人ずつおり、心理学上は「潜在意識(無意識)」の一部と位置づけられる。そのため、本人の表面意識も自覚していない「本音」が表れる。

また、霊言とは、霊的なメッセージのことである、という。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CE%EE%B8%C0

先ず、金正日の守護霊の霊言である。
1.「核兵器、揃えました。すべての都市を攻撃できます。10分以内に日本人を滅ぼすことができます」
2.「民主党、共産党、社民党、まあ、これらはみんな、わしらの“部下”」
3.「日本人には奴隷的拘束を35年は受ける義務がある」

これらは大見出しともいうべき項目で、次に、ブレークダウンした以下のような項目が並ぶ。
■「中国は北朝鮮を強化して、アメリカの覇権を終わらせようとしているから、実は、隠れた、2回目の冷戦が、今、始っておるんだよ」
そして、「本文」でこれらの言葉が解説されている、というスタイルである。

鳩山由紀夫の守護霊の霊言は、次の通りである。
1.「私は撃ち込まれるまで信じませんね」
2.「日本も悪いことをいっぱいしてきましたからね。(北朝鮮に)許しを乞わなければいけません」
3.「弟のほうに、自民党を割るように指示はしてあります」

インタビューだということだから口語表現になっているのだろうが、なんとなくユーモラスな感じもするが、「本人も自覚していない『本音』」と言われると、反論のしようもない、ということになる。
この守護霊の霊言を紹介する、という形で大量の書物を刊行する、というのが大川隆法氏もしくは「幸福の科学」のビジネスモデル、といっていいだろう。
書物は大部数になれば、原価は紙代に近づいてくる。
超ベストセラーを手にした出版社がビルを新築した事例はいくらでもある。
「幸福の科学」で出している出版物の部数がどの程度かは不明だが、幸福実現党の資金源であると考えていいだろう。
しかし、出発点が、「守護霊=あの世から導いている霊」だというのは、やはりオカルトと位置づけるしかないのではなかろうか。

守護霊にインタビューすることができるのは、大川総裁だけなのだろうか?
あるいは、一定の霊的(?)なポジションを確保できれば、守護霊とコミュニケーションできるのだろうか?
また、守護霊はすべての人に1人ずついるということであるが、どの守護霊とも無差別にコミュニケーションできるのだろうか?

彼らの考えによれば、私にも守護霊がいて、私の意識しないところで私の思考をコントロールしている、ということになる。
つまり、主体性を持った個人というものは存在しないということになるのだろう。
余り真面目に考えるべき問題ではないとは思うが、それが一定の影響力を持っている(例えば、小池百合子氏との共闘)ところが危うい。
合理の目を失わず、批判すべきは批判したい。

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コメント

ちょっと調べればわかるのにちゃんと調べてから書いてください。

霊言本は10数年ぶりのこと。全然ビジネスモデルじゃない。って私でも調べたらわかるのに。。

投稿: kuwaman | 2009年8月23日 (日) 23時05分

kuwamanさん、コメント有難うございます。

私の論旨は、何年ぶりかということとは基本的に関係ありません。
重要なことは、大部数(程度の問題ではありますが)が売れているか否かということと、反論できない「しくみ」の考案ということです。
それが共に否定されるべきものであるのであれば、私の見解は撤回します。

投稿: 管理人 | 2009年8月24日 (月) 11時29分

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