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2009年8月19日 (水)

衆院選の公示

8月30日を投票日とする第45回衆院選が、18日公示された。
7月21日に解散されてから、既に1カ月近く過ぎているから、すっかり間延びした感じである。
それが、逆風といわれている与党陣営の狙いでもあったのだろうが、現時点の風向きをみると、その狙いが成功しているとはいえないようだ。
政権交代が実現するのかどうか、多くのメディアは、それを既定の事実の如く報じているが、選挙のベテランは、「まだ何が起きるか分からない」という。

私自身は、政権交代は必要だと考えている。
もちろん、交代してどうなるか、が重要な課題ではあるのだが、もし、自公政権が継続する状況を考えるとすると、この国は、選挙によっては変わらないのだ、という思いを多くの人が感じることになるだろう。

自民党の中では、既に、政権交代を前提として、「政権奪回プログラム」がささやかれているという。
早期の政権奪回を可能とするためには、衆院で何議席を獲得する必要があるか?
政権奪回のためには、誰を総裁にするべきか?
要するに、「いかに負けるか」という「負けっぷり」に賭けようという動きである。
「負け犬」の行動ということになるだろうか。

静岡県には8つの選挙区があって、28人が立候補を届け出ている。
注目したい点はいくつかある。
7区では、郵政民営化に反対の信念を貫いて、事実上自民党を除籍された城内実氏と、最も有名・有力な刺客とされた片山さつき氏が激突する構図が再現する。
城内氏は、4年間、地道に地元で活動を続けてきた。
片山氏は、財務省主計局で初めての女性主計官という華麗な経歴をもとに、弁舌鮮やかな論士としてTVなどのマスコミでも活躍してきた。
郵政民営化の評価を含め、全国的な注目区といってもいいだろう。

ところが、そこに民主党公認候補として、元NHKアナウンサーという斉木武志氏が割って入った。
斉木氏は、政権交代の風に乗って、好位置に付けているという下馬評である。
さらに、幸福実現党県副代表の竹内隆文氏が加わっている。
静岡7区の結果は、今後の動向を占う1つの指標となるだろう。

5区では、山本某嬢とのスキャンダルを報じられた細野豪志氏と、自民党の斉藤斗志二氏が再戦する。
細野氏は、郵政民営化選挙という民主党にとっての大逆風下でも、斉藤氏を制した実績を有する。
斉藤氏は、かつては静岡県政の有力門閥だった大昭和製紙の斉藤一族の1人である。
大昭和製紙そのものが、既に日本製紙と経営統合して、単独企業として存在していない。
栄枯盛衰は世のならいで、本来ならば、細野氏が圧倒的に有利な情勢のはずであるが、スキャンダルによる減票がどの程度になるのか?
そして、ここでも幸福実現党の県副代表という堀慎太郎氏が立候補している。

驚くべきこと(ではないのかも知れないが)に、幸福実現党は、8選挙区の全選挙区に候補者を擁立している。
全選挙区に候補者を立てているのは、自民党、民主党、幸福実現党の3党だけである。
公明党、社民党、国民新党、改革クラブ、新党日本、新党大地は、静岡県内の小選挙区候補者はいない。
共産党が2、みんなの党が1、無所属が上記の城内氏の1人である。
幸福実現党のデビュー戦略が、どのような結果を見せるのか。

この幸福実現党の候補者の肩書きをみると、全員が、幸福実現党の役員(県代表もしくは副代表)であり、かつ幸福の科学(施設)職員である。
つまり、幸福の科学の専従の活動家ということなのだろう。
しかも、ほとんどの人が、いわゆる有名大学の学部もしくは院という学歴である。
おそるべき(あるいは不気味なほどのというべきか)組織力・資金力である。

幸福実現党から、小選挙区で当選する候補者はいないだろうが、比例区への貢献度がどの程度になるのか?
これも1つの注目点だと思われる。
いずれにせよ、歴史的な総選挙と位置づけられることになるのではなかろうか。

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