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2009年6月16日 (火)

日本郵便不正事件と西川社長の進退問題

“やはり”というべきであろう。
鳩山総務相の事実上の更迭という事態に対して、麻生内閣の支持率が急落していると報じられている。
また、千葉市長選挙では、民主党推薦候補が、自民・公明推薦候補を大差で破った。
31歳という全国最年少市長が、95万人の市民を擁する政令指定都市で誕生したのだ。
政令指定都市では、名古屋市、さいたま市に続いて、民主党の3連勝ということになる。
もちろん、これらの結果は、政権交代を求める民意を反映したものと考えていいだろう。

既に自民・公明政権は末期を迎えているが、ここにきての麻生内閣支持率の急落は、日本郵政の西川社長の再任問題の影響が大きいに違いない。
鳩山氏と西川氏のどちらを更迭すべきか、ということに関する世論調査では、西川氏を更迭すべし(続投を認めるべきではない)とする意見が多数意見のようだ。
世論の動向ばかり気にする必要はない、とも言えるが、現実に総選挙は目の前である。
それで、麻生降ろしという動きが顕在化してくるのではないか、という観測もあるらしい。
しかし、そういう目先の対応でどうこうなるものでもあるまい。

一方では、日本郵便の不正事件に関連して、厚労省の現職の局長が逮捕されるという事態が起きている。
それでも、西川社長は、続投するという気持ちは変わらないのであろうか?
一般の私企業ならば、これだけの不祥事が起これば、当然責任を問われることになるだろう。
自他共に産業界のリーダーとして認めているはずの日本郵政の取締役の指名委員会の面々(委員長の牛尾治朗ウシオ電機会長のほか、奥田碩トヨタ自動車相談役、丹羽宇一郎伊藤忠商事会長など-09年6月9日の項)は、果たして見解を変えないのであろうか?

日本郵便の不正事件に関して、報道されている内容は以下の通りである。

自称・障害者団体「凛(りん)の会」(現・白山会)を郵便割引制度の適用団体と認めた証明書を不正に発行したとして、大阪地検特捜部は14日、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長の村木厚子容疑者(53)を虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで逮捕した。厚労省によると、同省局長が逮捕されるのは初めて。村木局長は容疑を否認し、「凛の会や証明書のことは知らない。私はこの件に関与していない」と述べているという。
障害者団体向けの郵便割引制度が企業のダイレクトメール(DM)発送に悪用された一連の郵便不正事件は、制度適用を審査する立場にある厚労省幹部の逮捕にまで発展した。特捜部は15日午前、厚労省の局長室や埼玉県和光市の自宅を家宅捜索した。
Photo_7また特捜部は14日、証明書発行のための決裁文書を偽造した同容疑で逮捕していた元部下で障害保健福祉部企画課係長の上村勉容疑者(39)らも共犯容疑で再逮捕した。係長は「村木局長から証明書を早く発行するよう催促された」と供述しているといい、特捜部は局長を追及する。
障害者団体向け郵便制度悪用事件で、障害者団体の証明書を偽造、発行したとして、大阪地検特捜部は、14日、虚偽公文書作成・同行使の疑いで、当時の担当課長だった厚生労働省雇用均等・児童家庭局長村木厚子容疑者(53)=埼玉県和光市=を逮捕。同省係長上村勉容疑者(39)=同容疑で逮捕=ら3人を再逮捕した。……
事件は、障害者福祉の根幹を担う厚労省の組織的な関与を問う局面に発展。凛の会の証明書は省内で「政治案件」として扱われていたとの供述もあり、特捜部は政界からの口利きも含めて全容解明を進める。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200906150065.html

厚労省という役所は、よこぞこれほどまで、と感心してしまうくらい不祥事が多い。
国民の福祉に直接関係する役所だけに、暗澹たる気持ちになってしまう。
上図の国会議員というのは民主党の大物だという。
与党は、それを時限爆弾にするつもりなのだろう。
セットされている時間は何時なのだろうか?
小沢代表代行の秘書の公判に連動させて、という見方もあるらしい。
それにしても、日本郵政グループも不祥事続きと言っていいだろう。

鳩山氏更迭に関して、日本経済新聞の社説(6月13日)は、「郵政民営化路線を後退させないために」「西川氏の続投」を求めてきた、と書いている。
つまり、「西川氏の続投=民営化の推進」という論理である。
しかし、問題は日本郵政をめぐる不祥事の責任問題であって、民営化の推進論とは切り離して考えるべきだろう。

この件に関しては、南堂久史氏が分かりやすい比喩で説明している。
http://www005.upp.so-net.ne.jp/greentree/koizumi/main.htm

鳩山 「日本郵政の社長が国民の財産をタダみたいに投げ売りしたのは、けしからん」
与党 「日本郵政の社長は、郵政民営化の指導者であり象徴だ。それをクビにするわけには行かない」
簡単に言えば、次の比喩が成立する。
前首相の子分は、構造改革に賛同して、郵政民営化を実行した。そのあとで、泥棒を犯した。では、この泥棒を、どう処罰するか? 鳩山は「泥棒ゆえに有罪」と主張した。一方、前首相の支持派は、「前首相の子分あるがゆえに無罪」と主張した。
つまり、泥棒事件に対して、一方は泥棒事件として論じているのだが、他方は政治事件として論じている。「あいつの親分に政治的功績があれば、親分に免じて、子分のどんな犯罪も許される。さもないと、親分が批判されるからな」という理屈。

さて、鳩山邦夫氏の後任の佐藤総務相は、西川氏の続投問題に関して、どういう姿勢だろうか?

日本郵政の西川善文社長の人事問題で、新たに就任した佐藤総務相は13日、地元の栃木県壬生町で講演し、「一つの会社の社長を、株主である国があくまでも追及して代えるというのは、民営化の趣旨に若干反するのではないかと思う」と述べ、続投を容認する考えを示した。
http://www.asahi.com/politics/update/0613/TKY200906130253.html

ところが、初登庁後の記者会見では、「今後じっくりと考えていきたい」と発言を軌道修正した。
おそらくは、出来レースではないか、という批判を考慮した結果であろう。
しかし、最初の発言がホンネということはミエミエで、西川氏の続投は既定のことと考えていいだろう。
障害者団体向け割引制度悪用事件では、日本郵便の新大阪支店長と新東京支店総務主任が逮捕されたが、大阪地検特捜部は、組織的な問題が背景にあり、両容疑者が個人的な利得もないことなどを考慮し、略式起訴処分とした。
この両容疑者は、まあトカゲの尻尾というものだろう。

「組織的な問題が背景にある」としたら、それこそが明らかにされるべきではないだろうか?
日本郵便の社内には、利益を得た人間はいないのか?
素人考えでは、何の見返りもないのに悪事に加担するとは考えにくい。
誰かが不当な利得を得ているのではないか?
西川氏が続投するならば、その辺りを是非解明していただきたいと考えるものである。

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