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2009年6月12日 (金)

詐欺のケーススタディ-脱税容疑を入口に

詐欺のニュースが後を絶たない。
山崎和邦『詐欺師と虚業家の華麗な稼ぎ方 人はこうして騙される』中経出版(0511)によれば、詐欺には次の三段階がある。
第一段階は、サギろうとする相手(これを「カモ」と称する)を、ごく自然に錯覚に導くことである。(09年5月4日の項
第二段階は、カモが誘導された錯覚に基づいて意思決定するように仕向けることであり、これを「瑕疵ある意思決定」という。(09年5月5日の項
第三段階は、相手(カモ)に財物を提供させることである。(09年5月6日の項

この定義による詐欺の格好の事例が、産経MSNの「衝撃事件の核心」というシリーズに紹介されている。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090607/crm0906070800001-n1.htm

「あなたは脱税で捜査されている」。国税人脈を誇示する人物にこう言われ、「捜査を止められる」と金を要求されたら…。こんな事件が寿司店「びっくり寿司」を運営していた「びっくり本舗」(東京、民事再生手続き中)を舞台に起きた。同社元社長(51)への詐欺未遂事件で逮捕、起訴された男は、舞台回しとして知人の韓国人を「前国税庁長官」に仕立てていたという。実際の国税人脈は皆無だったが、共犯として逮捕された男の義理の息子ですら「義父は国税にパイプがある」と信じ切っていた。
……
元社長が18年2月、「びっくり本舗」を第三者に事業譲渡した際、第三者は「貸付金」の形で譲渡金を経理処理。この処理は不正で脱税に当たるため、東京地検や国税当局が元社長の捜査を進めている-。

冷静に考えれば、第三者の経理処理が不正であったとしても、元社長が脱税で疑われるはずがない。
元社長も、身に覚えがないと思いつつ、不安になった。
それは、元社長の在任当時、びっくり本舗の経営が悪化して、税金を滞納しており、その支払いを督促されて、今回の事件の被告(原田豊実)に連れられて、国税局や社会保険事務所に相談に行ったことがあったからである。

その時、原田被告が、分納手続きを手配した。
会社の責任者がいれば、分納は通常の手続きで済むという。
本件でも、現役の役員が同行していたのでスムーズに手続きを済ませることができた。
それを、元社長は、原田被告が国税当局に“口利き”できる人物だと誤信した。

原田被告は、リクルートの元会長が実刑にならなかったのも、自分が裏で手をまわしたからだ、と元社長に吹聴していたという。
原田被告は、元社長に電話をしてきて、前国税庁長官に代わるといって、ある人物を電話に出させた。

「原田君から事情を聞いたけど、本来はできないことですが、頼みがあったから今回はなんとかしましょう。今後、こういうことはありませんから」

電話に出た男はそう話した。
ところが、この男は、原田被告の韓国籍の男で、事情はよく分らなかったが、原田被告に言われるままに話したのだという。
この男の供述が決め手になって原田被告が逮捕され、この案件は未遂に終わった。

前国税庁長官が韓国籍の男性だったというのはいささかお手軽な感じもするが、税務相談への対応など事前の根回しをうまくやっていたことから、錯覚への誘導と瑕疵ある意思決定までは、順調に(?)進んだ。
しかし、財物の受け渡しを完了する前にバレてしまったというわけである。
しかし、同様の手口で、約8000万円を詐取された会社社長もいるという。

ちなみに、原田被告は、目黒区の自宅マンション、品川区のコンサルタント会社事務所、世田谷区の娘夫婦のマンションの計3部屋の家賃を、月額約300万円支払っており、一度も延滞していないという。
原田被告が経営していたというコンサルタント会社は、事業実体がなく、詐欺で得た資金で家賃を支払っていたというから、詐欺もばかにならないと言うべきだろう。

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