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2009年6月 9日 (火)

日本郵政社長の進退問題

日本郵政の西川善文社長の進退問題が、膠着している。
取締役を選任する株主総会は、6月末に開催されるが、日本郵政の場合、取締役の人事は総務相の認可事項となっている。
鳩山邦夫総務相は、かねてから「かんぽの宿」の譲渡に係る疑惑等を理由に、西川氏の続投を認めない旨の発言をしてきた。

ところが、日本郵政の取締役会の「指名委員会」の方は、西川氏の続投を支持する方針を決めている。
指名委員会のメンバーは、委員長の牛尾治朗ウシオ電機会長のほか、奥田碩トヨタ自動車相談役、丹羽宇一郎伊藤忠商事会長ら社外役員が過半を占める。
今後の完全民営化に向けた経営強化に「金融に精通した西川氏の存在は欠かせない」と指名委は判断した。 http://www.asahi.com/business/update/0518/TKY200905180099.html

はたして、社内の機関である指名委員会の判断を、認可権限者が否認することができるだろうか?

答えは明瞭のように思われる。
鳩山総務相の発言はいかにも横車のようではあるが、認可権限者が否認できないとすれば、認可権限自体の意味がないだろう。
つまり、鳩山氏が「NO」という限り、西川氏の続投はあり得ないはずである。
それが、日本郵政の社内的判断と齟齬を来すとしても、そういう制度になっているのだと考える。

本件に関して、鳩山総務相の真意がどこにあるのかは、知るよしもない。
しかしながら、「かんぽの宿」に関する疑惑が大きな問題になったことについては、鳩山総務相の貢献は大であったと言える。
本件に関しては、私も大きな関心を抱いて何回か私見を披歴させて頂いてきたが、鳩山氏が取り上げなければ、私の関心の外に放置されていたかも知れない。

09年1月9日の項:郵政民営化の一帰結…「かんぽの宿」をオリックスに譲渡?
09年1月21日の項:「かんぽの宿」一括売却に関する竹中平蔵氏の宮内氏擁護論

09年2月1日の項:疑念深まる「かんぽの宿」譲渡問題
09年2月9日の項:「かんぽの宿」売却は、競争入札だったといえるのか?
09年2月14日の項:かんぽの宿売却は、偽装入札ではないのか?
09年3月9日の項:郵政民営化利権の行方
09年3月10日の項:郵政民営化に関する疑惑の一側面

09年3月13日の項:日本を徘徊する「仲間主義」という妖怪

麻生首相は、西川氏の続投容認というのが本心のようであるが、河村官房長官らに調整を委ねており、自らの判断を積極的に示そうとしていない。
「しかるべき時に指示する」としているが、時期をみて判断するような問題でもあるまいと考える。

麻生首相は、何故に、認可権限を有する自分の内閣の大臣の見解を認めないのか?
おそらくは、総選挙を前に、郵政民営化の是非論にまで論議が発展していくことは好ましくない、と考えているのだろう。
しかし、これは閣内不一致という事態である。
麻生首相が自分の考えと鳩山総務相の考えに齟齬があると判断するならば、鳩山氏の罷免も考慮しなければならないのではないか?

余人を以て替え難いほど、わが国の経済界は人材が払底しているのであろうか?
それにしても、バンカーとして高い評価を得ているとされる西川氏は、何故に日本郵政の社長のイスに執着するのであろうか?
西川氏は、1938年生まれとある。既に70歳を超えている。
もちろん、人間の能力には個人差があるが、大方の同年齢者は、既に前線からは引退しているだろう。
一説には、ここで鳩山総務相に更迭された形となると、狙っている経団連の要職のポストを失うからだという。
もしそういう思惑で社長のイスに座り続けようとしているのだとすると、晩節を汚したことになりはしないか。

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