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2009年6月23日 (火)

日本郵政社長人事の決着

佐藤勉総務相が、日本郵政の西川善文社長の再任を認可する方針を決めた。
西川氏が、「かんぽの宿」譲渡問題などをめぐる業務改善命令を受けた是正措置報告を説明、報酬を3カ月間、30%返上する意向を伝えたことを了承したものだという。
また、ガバナンスの強化のために、取締役会会長を社外取締役から選任するとしている。
これによって混乱していた日本郵政の人事は、ひとまず落着することになるが、果たして国民にとって納得的な解決策だと言えるだろうか?

私は、まったく納得的ではないと思う。
まず、報酬を3カ月間、30%カットする根拠は何か?
西川社長の報酬がいくらなのかが明示されなければ、30%の意味も判断できない。
日本郵政の社長の報酬は、その負担に比べて安すぎて、西川氏以外に引き受け手がいない、というような説明もされているが、本当にそんなことがあるのだろうか?
この際、いくらの報酬を、30%×3カ月間カットするので、カット額は○○円になる、という程度の開示は必要なのではないだろうか?

会長職を設けたことの意味は?
これもオフィシャルな情報ということではないようであるが、一時、西川氏を会長とする妥協案があったらしい。
当面は空席の職位を設けたのは、将来的に、西川氏が社長を退任する際の受け皿を用意したとも解説されている。
しかし、日本郵政問題の本質はそんなところにあるのだろうか?

静岡新聞の論壇というコラムに、佐藤隆三ニューヨーク大学名誉教授が書いている。
その要旨を抜粋してみよう。

小泉元首相の郵政選挙以来、わが国の政治も経済も郵政問題にもみくちゃにされた観がある。

同感である。
私は、この選挙は“詐欺”に近いものだったと考えている。
09年6月14日の項:郵政民営化総選挙という“詐欺”

中総務相は、小泉改革によって広がった格差問題、地方の疲弊、否、日本経済の脆弱化は「改革が不十分のため」と弁明をし続けている。

フーバー大統領が…米経済を事実上破綻させたのと同じロジックである。ここで両者に共通なのは「官から民へ」の市場万能主義である。

実際に、小泉改革と呼ばれるものによって、日本の経済力が落ち込んだことはデータでも示されていることが、南堂氏のサイトで指摘されている。
http://www005.upp.so-net.ne.jp/greentree/koizumi/main.htm
日本のGDPの推移(小泉時代の日本の経済力低下の数字)

佐藤氏は、麻生首相と鳩山前総務相の見解の相違を、次のように要約している。

首相側の「日本郵政は民間企業だから人事に干渉できない」に対して、鳩山氏側は「日本政府(財務省)が100%の株主だから人事権行使は当然」と主張した。

この問題に関し、佐藤氏は、日本政府が100%の株主だから、日本政府がこの企業のトップの進退問題に口を出すのは当然だ、としている。
また、政府が100%の株を持つ企業は、日本以外では民間企業として定義づけていない、とし、それはパブリック・エンタープライズ(公的企業体)であって、鳩山氏に軍配があがる、としている。

そして、佐藤氏は、次のように言う。

国民が鳩山氏の主張を支持したのは、こうした企業形態論の立場に基づいている訳ではなく、政府の改革路線の旗振り役を務めた財界人の会社に、不当な廉価で国民の財産「かんぽの宿」を売却しようとした点に納得していないからだ。

無用の箱物を造った罪は万死に値するが、過去の罪よりも今後どうするかの対策の方が独り立ちする真の民間企業になるために、日本郵政にとって不可欠な決断である。

全く同感である。
西川氏が続投しなければ、改革が後退すると言われている。
しかし、多くの国民の目には、今や西川氏はアンシャンレジームの象徴のように見えるのではないだろうか?
国民が何を問題視しているかについて、麻生首相も、その周辺も、本質的な理解を欠いていると言わざるを得ない。
そもそも佐藤総務相の結論が最初からミエミエだったことは、誰の目にも明らかであろう。

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コメント

民主党 郵政民営化見直しより「ゆうメイト」の格差是正が重要


◆「ゆうメイト」問題の解決を優先すべき
 新政権発足後、郵政民営化の見直し論議が先行していますが、郵政の根本的な問題は公社時代の所謂“ゆうメイト”の問題です。全国で約10万人が期間雇用(現在6種)されているアルバイト等“非正規雇用社員”の問題です。  これは郵政民営化以前から続いている制度です。勤続10年以上の人も数多く存在しています。その期間雇用社員の方々が時間給:800円~1,000円で働いて郵便事業を支えているということです。また、ゆうパック事業についても、最低賃金を割るような単価で外注に仕事を投げているようです。であるならば、民営化後の郵便局会社の職員は何をしているのでしょうかと言いたくもなります。  新政権は「格差是正」や「最低賃金の見直し」を主張しながら、まだそれらに踏み込んでいないのが現状です。郵政を国が運営するなら、この部分も国がリーダーシップを発揮して手本を示していくべきと考えます。
下記ブログをご参照下さい
◆人事総務部ブログ 
http://www.xn--3kq4dp1l5y0dq7t.jp/ 

投稿: 人事総務部 | 2009年10月30日 (金) 12時54分

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