LEDの技術開発への期待
4月21日、小学6年と中学3年を対象とした全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)が実施された。
私たちが小中学生の頃にもあったのだが、日教組の反対などで取りやめになっていたものが、平成19年度に、43年ぶりに復活した。
今回は、復活後3回目ということになる。
結果の利用(市町村別公表等)については論議があるが、大人も含めて学力低下が問題になっている現況を考えれば、学力の把握自体は必要なことだろう。
もっとも、学力を左右する要因は複雑だろうから、データがあるからといって安易な判断はできないと考えた方がいいだろう。
パラパラと問題を眺めていたら、中学3年の「国語B」に、「発光ダイオード」の説明文に関する出題があった。
問題は、次のような文章から始まる。
最近、新しい信号機が増えてきたことに気付いているだろうか。これまでの信号機と違い、新しい信号機には小さな粒のようなものがたくさん付いている(写真参照)。この小さな粒は、発光ダイオードというもので、省エネルギーという点などから、近年様々な分野で使われるようになってきた。発光ダイオードは「ろうそくやランプなどの炎」、「白熱電球」、「蛍光灯」に続く、次世代の明かりとして注目されている。
発光ダイオードとは、いわゆるLED(Light Emitting Diode)のことで、電気を流すと光を発する半導体である。
上記の問題文にあるように、「第四世代のあかり」として位置づけられている。
LEDは、1907年に固体物質に電気を流すことで発光する現象が報告されてから、表示用途で実用化されてきた。
1993年に青色LEDが開発されて光の3原色である赤、緑、青の光源が揃い、1996年に青色LEDと黄色の蛍光体による白色LEDが実現した。
青色LEDの発明(いわゆる「職務発明」)の対価をめぐって、日亜化学と発明者の中村修二氏の間で、争いがあり、技術立国という観点からも、多くの論議を呼んだことは記憶に新しい(07年12月11日の項)。
産業革命以降、石炭や石油などの化石燃料の利用が飛躍的に増大し、炭酸ガスなどのいわゆる温室効果ガスの排出量が増えて、地球温暖化が進んでいるといわれている。
果たして本当に、地球は温暖化しているのか?
温暖化しているとして、それは大気中の炭酸ガスなどの濃度の上昇が原因なのか?
これらの問題に関しては、未だよく分かっていないことも多い。
しかしながら、環境問題は別として、化石燃料の有限性を考えれば、省エネ・省資源が好ましいことは当然であろう。
サステナブル社会とは、低炭素社会である。
日本でも、グリーン・ニューディールということが言われ始めている。
「100年に1度の経済危機」と言われている中で、省エネ・省資源も、経済を活性化させる方向で考えられなければならないだろう。
LEDが広く照明用途に使われるようになれば、新たな需要創造に結びつく。
学力テストの問題文を契機に、LEDの技術革新がさらに推進されていけば幸いだと思う。
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