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2009年3月 9日 (月)

郵政民営化利権の行方

衆議院の静岡県の第7区選挙区は、郵政民営化総選挙における象徴的な選挙区の1つだった。
浜松市、湖西市、浜名郡等の地域である。
郵政民営化に反対していたことから、自民党の現職でありながら公認を得られなかった城内実氏と、強力な刺客として送り込まれた片山さつき氏が激しく争って、片山氏が僅差で当選した選挙区である。
Wikipediaの城内実の項(09年2月23日最終更新)を見てみよう。

2003年11月、第43回衆議院議員総選挙に静岡7区から無所属で出馬し、与党である保守新党の熊谷弘党首を4万票の大差で破って初当選を果たしたことで話題となった。後自民党入りし、自民党法務部会で国会提出を巡って紛糾した人権用語法案について、同僚議員であった古川禎久、古屋圭司らとともに法案反対派の急先鋒として論陣を張るなど保守的な言動で知られ、安倍晋三の側近として信頼を勝ち得ていた。しかし、郵政国会の際に、首相出身派閥の森派議員の中で唯一反対票を投じたが、安倍の再三の説得を振り切って反対票を投じる姿がTVで繰り返し放映された。「刺客騒動」とあいまって直後の第44回衆議院議員総選挙において静岡7区は一躍注目の選挙区となった。
同衆院選では公認を得られず、自民党公認の「刺客」片山さつき
と激戦を繰り広げた。当初城内優勢で進んだが、自民党の大幅てこ入れや、奥田経団連会長(当時)によるトヨタの圧力及び公明党の大動員などもあり、748票の僅差で落選した。その後、党から離党勧告処分(事実上の除名)が出され、離党届が受理された。

私は、この選挙区の住人ではないし、城内氏の支持者でもない。
城内氏の政策の相当部分については、違った意見を持っている。
しかし、郵政民営化にまつわる利権が明るみに出て、それが疑獄事件に発展するかと思ったとたんに、あたかもそれを覆い隠すかのような小沢民主党代表秘書の逮捕というセンセーショナルな事件が発生した。
もちろん、何の相関関係もないのかも知れない。

政治資金規正法違反の問題は、極論すれば「認識」の問題である。
献金を受けた政治団体が実質的には企業だったと認識していたか否か?
しかし、小沢氏の弁明にもあったように、企業だと認識していれば、政党として受け入れればいいことだった。
しかも、献金の請求書が証拠として存在するという。
献金を要請するとしても、そんな形を取るだろうか?
報道されている構図自体に、釈然としないものがある。

それに比べて、「かんぽの宿」の譲渡問題はどうだろうか?
鳩山総務相が声を上げなければ、多くの国民が知らぬ間に、国有財産が叩き売られていたのである。
それを、郵政民営化利権と呼ぶのは不自然ではないだろう。
郵政民営化についてブラウンジングしていたら、城内氏のブログに行き着いた。
そこには、「郵政(改革)利権」という言葉があった。

かんぽの宿問題をはじめとするいわゆる郵政利権問題は、絶妙なタイミングでおこった中川昭一財務大臣(当時)の意識もうろう状態での記者会見や麻生政権支持率低下とそれにともなう武部元自民党幹事長らによる麻生おろしの動きなどで表舞台から消え去ったかのようにみえる。
しかし、そうではない。水面下ではマグマのようなものが沸々とわいているのだ。まさに嵐の前の静けさだ。
http://www.m-kiuchi.com/2009/03/

しかし、状況はどうやらこの時点での城内氏の想定とは異なる方向に進みつつあるようだ。
西松建設献金問題で、郵政利権問題など、吹き飛ばされてしまっているかのようだからだ。
以下は、郵政民営化特別委員会での城内氏と竹中平蔵氏とのやりとりである。

平成17年6月7日郵政民営化特別委員会
城内実委員(当時):「昨年(注:平成16年)の四月から現在までの約一年間、郵政民営化準備室に対する、米国の官民関係者との間での郵政民営化問題についての会談、協議ないし申し入れ等が何回程度行われたか、教えていただきたい。」
竹中平蔵国務大臣 (当時):「昨年の四月二十六日から、郵政民営化準備室はアメリカの政府、民間関係者と十七回面談を行っている。」
城内実委員(当時):「十七回ということは、月に一回は、アメリカの方で早く民営化してくれと言ってきているということだ。かなりの頻繁な数ではないか。それでは、米国生命保険協会がこれまで累次にわたり郵政に関し要望を行っているが昨年から現在まで、郵政民営化に関してどのような内容の声明を出しているのか、そしてそれは大体何回ぐらい出しているのか。」
竹中平蔵国務大臣 (当時):「米国生命保険協会は、昨年来、郵政民営化に関連して、完全なイコールフッティングが確立するまでは郵便保険会社は新商品の発売を認められるべきではない等の主張をする声明等を出している。同協会のホームページによれば、昨年三月以降現在まで、九回の声明等を発出したものと承知している。さらに米国生命保険協会は、郵政民営化法案に関し、五月十七日付で、この協会は引き続き日本の郵政民営化法案に懸念と期待を表明すると題する表明を発表したというふうに承知をしております。」

どういうことか?
郵政民営化、特に保険事業に関して、アメリカの要求が非常に熱意のあるものだった、ということである。
そして、「かんぽの宿」の譲渡問題である。
城内氏のブログでは、譲渡のアドバイザーに選ばれたメリルリンチ証券の報酬について、以下のような報道を紹介している。

《メリルリンチの成功報酬、最低6億円=「かんぽの宿」売却で-日本郵政(2月10日17時58分配信 時事通信)》
日本郵政が「かんぽの宿」など80施設の売却にあたり財務アドバイザーに起用したメリルリンチ日本証券に対し、譲渡完了後に最低6億円の成功報酬を支払う契約を結んでいたことが10日、分かった。両社が昨年2月にかわした業務委託契約書によると、既に日本郵政が1年分を支払った手数料(月額1000万円)とは別に、売却価格の1.4%か、この額が6億円を下回る場合は6億円を報酬として支払うとしている。売却額109億円の5.5%にも相当する報酬額には、与野党から高すぎるとの批判が出そうだ。
報酬額は80施設の売却が前提。日本郵政は不動産市況が悪化したことや、入札の最終段階で世田谷レクセンター(簿価62億円)を売却対象から外したことで事情が変わったとして、メリルリンチと報酬額の見直しを協議している。

「かんぽの宿」の譲渡問題は、とりあえず白紙に戻っている。
つまり、アドバイザーのメリルリンチ証券の成功報酬部分は、当然払われないのだろう。
しかし、それにしても高すぎる成功報酬額ではないだろうか。
具体的に、何をアドバイスするということだったのだろうか?
その辺りもしっかりと開示して欲しいものだ。

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