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2009年2月17日 (火)

需要はどこへ行った?

内閣府は2月16日、平成20年10月~12月の国内総生産(GDP)の速報値が、実質年率換算で12.7%減となった、と発表した。
Gdp3_2 
昭和49年1~3月期の13.1%に次ぐ大きさで、2桁の減少は戦後2度目だという。
輸出は、13.9%減と過去最大の減少率で、世界的な景気後退の波をもろにかぶったことになる。
「100年に1度」という表現が、あながち過大とはいえないことを示している。
このような時代に生きていることを、とりあえずは得難い体験として、前向きに受け止めることにしたい。

日本経済新聞社は、同社の日本経済モデルにこの速報値を織り込んで予測を行ったところ、08年度の実質成長率は-2.7%、09年度も-2.8%となった、と発表した。
Gdp2_3 
http://www.nikkei.co.jp/keiki/gdp/

07年10月に、戦後最長の景気拡大期が終わっているが、現下の日本経済は急降下しつつある。
このような折りも折り、経済の舵取りの元締めの役割を担うべき中川財務相が、国際的な記者会見の場であってはならない醜態を見せてしまった。
海外メディアも、「Japanese finance minister drunk at G-7」と、しどろもどろの記者会見を、飲酒によるものと断定している。
http://www.youtube.com/watch?v=lWLeWqPOFpU&NR=1
首相は罷免をしない意向だったようだが(罷免すれば任命責任を問われる)、中川氏は辞意を表明したらしい。
当然だとは思うが、この深刻な難局に向き合っているというのに、余りに緊張感が欠如している。
私も含め、深酒になりがちな人は、中川氏を他山の石として自戒しよう。

上表をみると、輸出が大きく崩れたことが大きいが、国内需要も減少している。
特に設備投資は4四半期連続で減少しており、個人消費も減少している。公共投資も景気を下支えする力がなかったことが分かる。
あたかも需要が蒸発してしまったかのようである。
需要はどこに消えてしまったのか?
このような事態は、08年9月15日のリーマン・ブラザーズの破綻以降の金融危機によって一気に現出したようにみえるが、緊急対応だけでなく、もう少し中長期の視点で考えないと、的確な対策を打つことはできないだろう。

わが国の経済変動の姿を見てみよう。
2 (出典:NRI Public Management Review Vol.66)

現在の危機から抜け出るために、グリーン・ニュディールということが言われている。
世界大恐慌の際に、ルーズベルト大統領が実施したニューディール政策に倣おうとするもので、グリーンは、特に新(自然)エネルギーなどの分野に力点を置くことを意味している。
CO2排出による地球温暖化については、必ずしも温暖化しているとは言えない、という反対意見もあるが、化石燃料が有限であることには変わりがない。
最近の家電製品の省エネ度は、一昔前と比べると雲泥の差があるようであるが、さらに大きなイノベーションが期待されている。

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