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2009年2月14日 (土)

かんぽの宿売却は、偽装入札ではないのか?

2月13日、日本郵政の西川善文社長は、「かんぽの宿」のオリックスグループへの一括譲渡を完全に白紙撤回することを、鳩山総務相に伝えたという。
まあ、当然の結果といえよう。現状のまま、一括譲渡の話を進めれば、日本郵政もオリックスも、炎上という事態になりかねないだろう。
譲渡に関するファイナンシャルアドバイザーに選ばれたメリルリンチ日本証券には、1年間で1億2000万円のアドバイザー料が支払われているという。
アドバイスは完全に失敗だったのだから、このアドバイス料は全く無駄金だったということになるだろう。

あらためて、「週刊朝日090213号」に載っている入札経緯を見てみよう(09年2月9日の項)。
08年5月15日に、第一次の応札を締め切り、27社が応募した。
5月中旬から6月20日にかけて審査を行い、27社のうち22社が審査をパスして、第一次提案参加者となった。
「週刊新潮090212号」に載っている、メリルリンチ日本証券に400億円という査定額を提示した日本リライアンスなどのグループは、この段階でNGだったということだろう。
この22社にかんぽの宿等事業に関する資料を配布し、8月15日に第一次提案を締め切った。
この資料に、40~50億円の赤字情報が記載されていて、15社が辞退し、第一次提案をしたのは7社だけになった。
この7社について審査を行い、3社が選ばれて第二次提案を行うことになった。
10月31日に第二次提案が締め切られ、2社だけが応募した。
12月9日までの間、この2社の提案内容を審査し、オリックス不動産を最終審査通過者に決定し、同社との間で契約条件等の詰めを行ったうえ、12月26日に契約を締結した。

問題は2つあるだろう。
1つは、一般競争入札とされていたものが、「企画提案型の競争入札」だった、という点である。
「企画提案型の競争入札」自体が悪いということではない。
しかし、企画提案を審査するということについては、ある程度主観的な判断が入り込むことは避け得ない。
言い換えれば、審査者の判断力が問われるわけである。
「企画提案型の競争入札」という以上、審査担当者が誰であったのか、それぞれの企画提案の内容がどのようなものであり、それをどう評価したのか、ということがオープンにされなければならないのではないか。
これらが開示されず、審査結果だけが開示されるとしたら、判断そのものが密室での作業ということになってしまう。
重要な国有財産の処分が、密室の中で判断されていいわけがない。

2番目の問題は、最終審査は2社による入札とされているが、実際は、具体額を提示したのはオリックス不動産だけだった、ということである。
1社しか応札しないようなものが、果たして公正な入札と言えるのだろうか。
その1社に絞り込まれる過程には、「審査」というプロセスを経ている。
普通は、1社を候補者とする契約は、随意契約と呼ぶだろう。

言い換えれば、「競争入札」は偽装だったということである。
勝谷誠彦さんに、『偽装国家―日本を覆う利権談合共産主義 』扶桑社(0703)という著書がある(07年9月2日の項)。
「日本郵政よ、お前もか」という感を拭えない。

少なくとも、審査過程がオープンにされない限り、結果として1社しか応札しないような形が、公正なものだとは到底思えないとすべきだろう。

日本郵政もオリックス不動産も、なめていた、ということではないだろうか。
契約日が12月26日という年末の押し迫った人目につきにくい時点の設定だったこと、競争入札という文言を書き換えていることなど、いずれも姑息というしかない。
上掲の週刊朝日によれば、オリックスの宮内代表は、『経営論』日経ビジネス人文庫(0712)(元版は、東洋経済新報社刊(0106))において、官が民を圧迫している事例として、「かんぽの宿」を上げているという。
「かんぽの宿」のような公営の施設に、民間のホテルや旅館が対抗していくのは容易ではない、と説いている。
そこまではいい。
その公営の施設を、格安の競争入札を装ったバーゲンセールで入手しようとするのは、才覚と言えば才覚なのだろうが、果たして国家の経済の牽引車たる企業と評価することができるだろうか?

このような事態になった以上、経緯は可能な限り精細に開示しなければならないだろう。
麻生首相が福田内閣時代、参院で否決された法案の扱いに関し、衆院の3分の2以上の賛成で再可決・成立させることができるとした規定は、「予算関連法案にはなじまない」という考え方を夕刊紙で表明していたことが明らかにされた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090213-00000231-jij-pol
小泉元首相ではないが、どうやら「笑っちゃう」しかないような事態になりつつあるようだ。

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投稿: 一般競争入札 | 2009年3月11日 (水) 20時47分

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