« 郵政民営化の一帰結…「かんぽの宿」をオリックスに譲渡? | トップページ | 田母神前幕僚長のアパ懸賞論文への応募 »

2009年1月10日 (土)

田母神第29代航空幕僚長とM資金問題

航空幕僚長とは、いかなる職階か?
WIKIPEDIAの解説をみてみよう(08年12月24日最終更新)。

航空幕僚長(こうくうばくりょうちょう、Chief of Staff,ASDF)は、航空自衛隊の軍政(=行政)部門である航空幕僚監部の長。空幕長と略する。防衛大臣を補佐する。
階級は空将だが、階級章は一般の空将より桜星が一つ多く四つである。これはアメリカ空軍大将に類似した階級章であり、また英訳も航空幕僚長たる空将はGeneralである(大将参照)。
航空幕僚長の監督を受ける部隊及び機関に対する防衛大臣の指揮監督は、航空幕僚長を通じて行われ、航空幕僚長は部隊等に対する防衛大臣の命令を執行する。

分かりやすくいえば、大将の位にある航空自衛隊の最高責任者、ということである。
その第29代に、防衛大学15期卒業の田母神俊雄という人が就任した。2007年3月のことである。
そして、2008年10月31日に、アパグループ主催の第1回『「真の近現代史観」懸賞論文』に応募した「日本は侵略国家であったのか」が最優秀藤誠志賞を受賞した。
この論文の内容が、政府見解と異なる歴史認識であり、かつ独断で外部発表したことにより、防衛大臣から航空幕僚長の職を解かれ、航空幕僚監部付となって、60歳定年が適用され、11月3日を以て自衛隊を定年退職した。

田母神氏は、速攻で『自らの身は顧みず』ワック出版(0812)という著書を出版し、世に問うた。
この田母神氏が、M資金詐欺の片棒を担いだのではないか、と問題になっている。
内容は、例えば、以下のような動画サイトで見ることができる。
http://www.veoh.com/videos/v16789597cCNjZw4e

軍事評論家の田岡俊次氏が、「新潮45」の08年12月号に掲載されている「『お騒がせ幕僚長』とM資金女詐欺師」という記事を読み、「まさか」と思いつつウラをとってみたら、事実だったことが確認された、ということである。
田岡氏が、「まさか」と思ったのは、次のようなことである。
①田母神氏が統合幕僚学校長時代に、M資金話を持ち込んだ女性に講演をさせている
②その女性を、防衛省出入りの防衛産業社長に紹介し、M資金話の仲介をした

もちろん、田母神氏が、M資金話のエージェントだったなどということではないだろう。
しかし、M資金話といえば、余りにも有名な詐欺話である。
最近のM資金話は、かつてのような「大蔵大臣の証書」というような単純なものではなく、手が込んだものになりつつある。
しかし、この女性詐欺師の場合は、かなり程度の低い話だったようである。
そのような話に安易に乗るような人が、航空幕僚長のような要職にあった、ということは大きな問題だろう。

アパグループの論文は別として、このM資金問題においても、十分辞職に値するのではないか。
防衛産業の社長は、おかしな話だと思ったが、田母神氏の紹介だったので、断れなかったという。
実害がなかったということだろうが、M資金話で被害が発生した事例は少なくない。

M資金話に触れたことのない人は、何でそんな荒唐無稽な話を信じてしまうのだろう、と思うだろう。
また、既に歴史になってしまった詐欺話と思うだろう。
しかし、おそらく万を越える金融ブローカーが、M資金まがいの話を持って、東京の街を徘徊しているのではないかと想像する。
だからこそ、田母神氏のような立場にあった人が、その仲介の片棒を担ぐなどということはとんでもないことと言わなければならない。
女性詐欺師に講演させたことについて、田母神氏は、なんらスキャンダルを起こしたということではない、と力説している。
しかし、その女性のM資金話の仲介に係わっていたのであれば、十分にスキャンダラスではないか。

|

« 郵政民営化の一帰結…「かんぽの宿」をオリックスに譲渡? | トップページ | 田母神前幕僚長のアパ懸賞論文への応募 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

投稿: | 2016年9月24日 (土) 10時04分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 田母神第29代航空幕僚長とM資金問題:

« 郵政民営化の一帰結…「かんぽの宿」をオリックスに譲渡? | トップページ | 田母神前幕僚長のアパ懸賞論文への応募 »