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2008年4月14日 (月)

ロングテール

「Web2.0」とセットになって流布されたのは、「ロングテール」というコンセプトだった。「ロングテール」というのは、文字通り「長い尻尾」のことである。
Photo図に示すように、世の中にある多くの事象において、少数の要素が全体の中で重要な比率を占める、ということが知られている。
縦軸は、横軸にプロットされた要素が、全体の中でどの程度の比率を持っているかを示している。
一般に、「80対20」の法則などと言われるように、全体の20%程度の構成要素が、全体の80%の比率を占める、と言われ、それはわれわれの経験則にも合致している。
だから、全体に大きな影響を与える少数の要素を抽出し、先ずそこに集中的な影響を及ぼすように力を注ぐべきだとされた。
「ABC分析」などといわれるように、全体の構成要素を、先ず対処すべき重要なA(緑の部分)、さほどではないB(青の部分)、とりあえずは認識の外に置いておいてもいいC(赤の部分)と区別せよ、というのは、企業行動の鉄則であった。

ところが、「Web2.0」の時代に入って、今まで無視されていたCの部分に光が当てられるようになった。
Cの部分が今まで、優先順位が低いとされてきたのは、努力の割りに報われないからであった。
多くの場合、何らかの対策を打つ場合、最低限必要な努力度はほぼ共通すると考えられるから、コスト/パフォーマンスという指標で比べれば、AとCではAの方が効率的であることは明らかである。
しかし、インターネットの世界では、情報コストが著しく軽減される。
その結果、Cの部分でも、経済性が確保できるケースが出てきたということだ。

典型的なのは、書籍のネット販売である。
私などもそうであるが、本というのは、書店の店頭で手に持って、内容を立ち読みしてから買うのが一般的だろう。
ということは、書店の店頭に置かれない書籍は、販売の機会が永遠に失われているようなものである。
一方で、書籍の刊行点数は日を追って増大している。つまり、書店の店頭に置かれているのは、世の中に存在している書籍のごく一部に過ぎない。
それが、「Web2.0」の世界では事情が変わってくる。

世の中に刊行された書籍の販売部数をグラフ化してみれば、おそらく典型的に図のような形を描くであろう。
Aは、ごく僅かのベストセラーである。養老孟司『バカの壁」新潮新書(0304)だとか「○○の品格」などが、この希少な例である。
毎日毎日刊行されている多くの書籍は、著者にとっては一期一会の思いが込められているものが多いと思われるが、その思いとは裏腹に、広く社会に知られることもなく絶版ということになる。

その、世に知られることもなく消えていったのが、C(赤の部分)=(恐竜の)長い尻尾である。
それが、たとえばAmazonのようなネット書店の登場により、いささか事情が変わってきた。
実物を手にとって見てみる機会は別として、そういう書籍が存在すること自体は、殆んどコストゼロで多くの人に知らせることができるようになった。
Cのロングテールも、ネット上では無視できないターゲットになってきた、ということである。

私自身、ブログを書いていること自体が「Web2.0」の賜物と認識しているが、読者の数も知れているので、余り反響ということを意識しないで、自分の関心の流れに従って、それこそ徒然の文章を綴っている。
いわゆるKY語(08年2月14日の項)といわれるものの中に、「KZ」がある。
次のように解説されている(http://zokugo-dict.com/09ke/kz.htm)。

KZとは「絡みずらい(Karami Zurai:本来、絡み辛いなので「絡みづらい」が正しいが、頭文字がZのため、あえて「ずらい」と表記しています)」の頭文字からとった略語である。絡みづらい、つまり(人やグループ、話題に)接しにくい、関わりにくいさまのことで、「アイツ、KZだからなあ」「KZな話題」といった使い方をする。これはアルファベットの頭文字を使った略語は以前から使われているが、2007年にその中のKYが流行語になったことから、KY語(KY式日本語)と呼ばれ、話題となった。

私のブログなどは、私の関心を基本的な軸にしているので、典型的な「KZ」だろうと思う。

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