青木昌彦さん
日本経済新聞の今月の「私の履歴書」は、経済学者の青木昌彦さんが執筆している。
青木さんは、ノーベル経済学賞に最も近い日本人と言われているが、第1回(1日)に書いているように、2008年から「世界経済学連合」の会長に就任することが決まっている。
門外漢からすると、国際的な学会の会長に就任するのか、という程度の認識になってしまうが、実は大変に重要なポストである(らしい)。
先ず、日本人としては都留重人さんに次いで2人目である。任期は3年で、その任期中に1回(つまり3年に1度)世界大会が開かれる。会長の主な仕事は、そのプログラムを作ることである。
青木さんは、「経済学の流れに一石を投ずることもできる」とあっさり書いているが、要するに経済学のパラダイムを問い直す、という野心の表明だろう。
青木さんのプロフィールを、ホームページから引用する。
1962年東京大学経済学部卒業。1964年東京大学経済学修士。1967年ミネソタ大学経済学博士号(Ph.D.)を取得。スタンフォード大学とハーバード大学で助教授を務めた後、京都大学において助教授、教授(現在同大学名誉教授)。1984年から2004年スタンフォード大学教授を経て、現在は同大学名誉教授。さまざまな国際的活動に従事しながら研究に取り組んでいる。
まさに赫々たる履歴といえるだろう。
しかし、その研究内容は難解である。私も、処女著作の『組織と計画の経済理論』岩波書店(7101)などを覗いてみたことがあるが、残念ながら私の学力ではとても歯が立たなかった。
その風貌には一度だけ接したことがある。
経済同友会が『第15回企業白書:市場の進化と企業の社会的責任』(0303)という調査報告書をまとめ、その発表を兼ねたシンポジウムを開催した。
私もそのシンポジウムの聴衆の1人だった。その時青木さんが基調講演を行った。
見事な白髪で、いかにもシャープな頭脳の持ち主という感じだったことを覚えている。
青木さんは、知る人ぞ知る、「60年安保」当時の全学連指導者で、逮捕されて万世橋警察署の独房に入ったことがある、と書いている。
現在の専門分野は、比較制度分析ということだが、「社会問題や国際的なかかわりへの関心、よくいえばベンチャー精神(シニカルにいえば軽はずみ)が、学生運動時代からのものだ」と振り返っている。
ベンチャー精神(シニカルにいえば軽はずみ)という表現が面白いが、『ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書) 』(0602)の著者の梅田望夫さんは、ブログで、それはシリコンバレー全体の雰囲気の形容にぴったりだ、と評している。
確かに、ベンチャー精神と軽はずみは、表と裏のような関係なのだろう。
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