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2007年9月17日 (月)

中将姫とかぐや姫

中将姫は美しく育ち、帝から求愛を受けるが、それを断り、光の中を浄土に消えていく。そのストーリーは、私たちが子どもの頃に親しんだ『竹取物語』とよく似ているといえよう。
実際に、梅澤恵美子『竹取物語と中将姫伝説 』三一書房(9808)は、かぐや姫のモデルは中将姫であり、『竹取物語』の作者が中将姫の生涯を、かぐや姫に姿を変えて世に出したのだ、としている。

梅澤氏によれば、中将姫とかぐや姫の共通性として、以下のような点が挙げられる。
①時代背景
共に藤原の世である
②誕生
中将姫:蓮の花の化身として
かぐや姫:竹の中から
③求婚
共に多くの貴族や帝から求婚されるが拒否する
④昇天
中将姫:天から菩薩が来迎し昇天
かぐや姫:天から迎えが来て昇天
⑤因果応報
中将姫:過去よりの怨みを含める悪しき因縁に苦しむ
かぐや姫:前世の因縁で(月の国から)穢き世に落とされた

梅澤氏によれば、藤原氏が権力を掌握していく根源に位置した光明子は、とり憑かれたように善行を繰り広げる。病者に薬を施し治療する施薬院や、貧窮者を収容・救済する悲田院などである。
光明子がことさらに“積善”を強調しなければならなかったのは、長屋王などの祟りに脅えていたからではないか。
その贖罪の意識は、中将姫に共通する。
つまり、中将姫を苦しめたのは、藤原氏のあり方であって、光明子が積善にとり憑かれたものと同根である。
かぐや姫が中将姫から発想されたものであるとすれば、『竹取物語』は、藤原氏批判の書としての性格を持っていることになる。

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