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2007年9月24日 (月)

三嶋暦師の館の『竹取物語』

三嶋暦という暦(カレンダー)がある。
仮名文字の暦として日本で一番古いこと、木版刷りの品質が良く、細字の文字模様がたいへん美しいことなどが特徴で、江戸時代には東海道三島宿を往来する旅人の街道土産として人気があったという。
価格は慶応4年で、綴り暦(16ページ)が150文(今の価格で3,000円くらい)、一枚ものが15文(今の価格で300円くらい)だったらしい。
明治5年に明治政府によって、太陽暦が採用されるまで流通していた。

「三嶋」と明記された現存する最古の暦は、史跡足利学校(栃木県足利市)所蔵の周易古写本の表紙裏から発見された永享 9年(1437)の三嶋暦である。
また、南北朝時代の禅僧義堂周信の日記『空華日工集』の応安 7(1374)年 3月 4日の条に、三嶋暦の名が見えるという。
河合家の伝承では、祖先が山城国賀茂より三島神社を勧請して伊豆国三島に下ったのは、光仁天皇の宝亀年間(770~80)で、以後代々暦を製作してきた。
伊豆に流された源頼朝は、源氏再興を祈願するなど、三嶋大社を深く崇敬したことから、鎌倉幕府は、三嶋暦を使っていたのではなかと推測されている。

Photo_3河合家の建物が三島市に寄贈され、三島市はこの建物を、「三嶋暦師の家」として整備し、暦の歴史や文化に親しめる場所として活用している。平成18(2006)年6月、国の登録有形文化財に指定された。
河合家の元の建物は安政元(1854)年の大地震で倒壊してしまったが、韮山の代官であった江川太郎左衛門のはからいで、十里木(裾野市)に廃屋になっていた関所の建物を移築した。玄関は武家風で立派な式台が付いており、奥の座敷は一段高くなった上段の間になっている。

三嶋暦師の館で、9月23日、「仲秋の名月」のイベントが行われた。今年の旧暦8月15日は25日に当たるが、その近辺で人が集まりやすい日に設定したのであろう。
三嶋大社で開講されている万葉講座でご一緒のKさんのお誘いで、このイベントに参加した。
舞、朗読、ギター・ハモニカ・琴の演奏などが行われ、ボランティアの三嶋暦の会の人たちの努力で、手作りの快いイベントを楽しめた。
天候が危ぶまれたため、室内での開催となったが、当初の計画では屋外で観月をしようということだったらしい。
帰りの道すがらでは、時折雲の合間から月が顔を見せてくれた。

Pict0002_4_2朗読の作品が、偶然ではあるが、ちょうど『竹取物語』だった。
江戸期からの建物の中ということもあって、幻想的な雰囲気が醸し出されていた。
三島の有名な禅寺・龍沢寺の名僧として知られる山本玄峰師の手になる「掬水月在手」という軸が掛けられ、真ん中の見事な「月」の字が、観月の会を演出していた。
朗読は、時間の制約もあって細部は省略されていたが、ほぼ原作に忠実にあらすじを追ったもので、懐かしそうに耳を傾けている人が多かった。
私も、日本の建国事情とどう係わるのか、などといった余分なことを考えずに
、観月の夜に相応しいおとぎ話として素直に聞いた。

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コメント

ブログを覗いていたら、なにやら知った顔が出ていた。真面目な顔をして何を朗読しているのですか。
いろんな趣味を持った人達との交流もまた面白いですね。

投稿: 山の友 | 2007年9月28日 (金) 10時12分

山の友さん、こんにちは。
朗読の人をご存じなんですか?
たまたま誘われて行ったのですが、ちょうど『竹取物語』について調べたりしていたところだったので、グッドタイミングでした。
やはり三島は歴史もあるし、いろいろなイベントがあり、結構面白い町だと思います。

投稿: 管理人 | 2007年9月28日 (金) 12時00分

私の勘違いです。男の人をショウちゃんと間違えました。大変失礼いたしました。よく見たら違う人ですね。
文面からはおかしいとは思ったんですが、慌てものの私です、よくこういう失敗をやらかして妻から叱られています。不真面目なコメントはこのブログには似合わないですね。
これからもよろしくお願いいたします。

投稿: 山の友 | 2007年10月 1日 (月) 07時01分

山の友さんこんにちは。
ライトを消したシーンだったので、分かりづらいですね。
勘違いかと思ったけど、三嶋暦保存会のボランティアの人たちの中に、山の愛好家がいるということなので、ひょっとしてその関係かな、などとも想像したりしていました。
我ながらもう少し面白いことが書けないか、と思いますが、とりあえず自分の好奇心を放し飼いにしますので、今後とも宜しく。

投稿: 管理人 | 2007年10月 1日 (月) 10時02分

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