2017年6月24日 (土)

加計疑惑(25)安倍虚言を獣医師会が証言/アベノポリシーの危うさ(242)

加計学園の獣医学部開設をめぐる問題で安倍首相の答弁の矛盾、というよりも虚言、が当の獣医師会の証言で明らかになった。
「広域的に獣医学部が存在しない地域(空白地域)に限って新設を認める」とする政府の規制緩和について、首相は「(日本)獣医師会の意見に配慮した」と説明したが、日本獣医師会は次のように言っているのだ。

 内閣府が示した開設の条件について、日本獣 医師会が「加計学園ありきで出てきた文言ではないか」と主張した。
 日本獣医師会・北村直人顧問「ある面では青天の霹靂。加計ありきでこの文言が出てき たなと」
 加計学園の獣医学部開設をめぐっては、内閣府が、「広域的に獣医師系養成大学等のな い地域に限る」ことを開設の条件として付け加えたことが、加計学園側に有利に働いたの ではないかと指摘されている。
 政府は日本獣医師会の要請で、文言を加えたと説明しているが、22日の会見をした蔵 内会長は「この文言が付け加わった11月より前に要請したことはない」と話した。また 日本獣医師会は、「獣医学部の新設はこれまでの国際水準の獣医学教育の充実に向けた取 り組みに逆行するもの」と厳しく指摘した。
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日本獣医師会「加計ありきで出てきた文言」

獣医学部の新設に対して、獣医師会は2014年に「教員の争奪を激化させ、獣医学教育改善の努力に逆行する」などとして反対を決議した。

 獣医師会の蔵内勇夫会長は今年1月30日付のメールマガジンで、新設が決まってからも政府に要請活動を重ねた経緯を説明。「できれば獣医学部新設決定の撤回、これが不可能な場合でもせめて1校のみとするよう奔走した」と振り返り、新設を認めた結論については「余りにも早すぎる矛盾だらけの決定」と不満を述べている。
安倍首相答弁、目立つ矛盾 獣医師会反論も

しかし、政府の国家戦略特区諮問会議は2016年111月、獣医学部の新設について空白地域に限り新設を認めることを決め、内閣府と文科省は今年1月4日、「1校に限り」認めるとする告示を出した。

加計学園の認可は、岩盤規制に穴を開けるものなのか?
それとも「腹心の友」に対する便宜供与なのか?
政府の説明だけで納得しているのは、安倍同調者だけであろう。

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2017年6月23日 (金)

森友疑惑(52)「悪い奴」の真打は誰か?/アベノポリシーの危うさ(241)

19日夜、大阪地検特捜部が学校法人森友学園の強制捜査に乗り出した。
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森友学園 強制捜査 「寄付者リスト」入手 昭恵氏からとされる百万円、平沼赳夫議員の名も

果たして、森友疑惑は解明に向けて動き出すのであろうか?
疑惑の本筋は何か?
瑞穂の國記念小学院(旧安倍晋三記念小学校)の用地が、不当に安く払い下げられたのではないか、という疑惑である。
今回の強制捜査の補助金不正受給などは、言ってみれば枝葉である。
やはり国策調査ということになるのだろう。

 それは、強制捜査のタイミングを見ても明らかだ。大阪地検特捜部が籠池泰典前理事長の自宅や塚本幼稚園などを捜索したのは、19日午後7時頃。これは、通常国会閉幕を受けた安倍首相による記者会見が始まってわずか1時間後だ。どう見ても、官邸を忖度、配慮したとしか思えないだろう。
 いや、タイミングよりもっと怪しいのは、その捜索の容疑だ。今回の捜索は、小学校建設費をめぐる補助金適正化法違反容疑と、大阪府が告訴していた幼稚園従業員などをめぐる補助金不正受給の詐欺容疑で行われた。そう。そこには「国有地払い下げ」にかんする容疑がすっぽり抜けおちているのだ。
 財務省近畿財務局が不動産鑑定評価額9億5600万円の国有地をわずか1億3400万円で森友学園に売却し、しかも、条件面でもさまざまな優遇をしていたというこの国有地払い下げ疑惑は森友疑惑の核心部分だ。国民の財産をただ同然で売却した財務省近畿財務局の責任を厳しく問う必要があるのはもちろん、さまざまな政治家、さらには安倍首相や昭恵夫人の関与も指摘されている。ところが、大阪地検はそれを完全にスルーしてしまったのである。
 大阪地検幹部は「今回の捜索は刑事告訴を受けて、粛々と進めただけ」などと言い張っているようだが、刑事告発なら、国有地払い下げ問題に対しても行われている。今年3月、豊中市議の木村真氏ら市民230人が、背任容疑で財務省近畿財務局職員を告発し、検察もこれを受理していた。
 もちろん、財務省近畿財務局は9億5600万円の土地を約8億円も不当に値引きし、国民の財産に損害を与えているのだから、十分「背任罪」の対象となるし、これまでのパターンを考えると、森友学園への強制捜査でこの背任容疑もいっしょに調べるというのが普通のやり方だった。それが一切そういう動きを見せなかったのである。
森友学園強制捜査は疑惑隠しの国策捜査だ! 国有地払い下げを捜査対象から外して安倍夫妻を守った検察の忖度

籠池氏等は、いろいろ法に触れることもやっていると思われる。
何しろ、幼稚園児に「教育勅語」を暗誦させていたのだ。
しかし、その籠池氏等が、相対的に善人に見えてくるのが、政権との関係である。
疑惑を、トカゲのシッポ切りで幕を引こうとすれば、何本のシッポが必要なのだろうか?
⇒2017年6月17日 (土):加計疑惑(21)文科省はトカゲの尻尾になるか?/アベノポリシーの危うさ(235)

昔、「悪い奴ほどよく眠る」という映画があったが、本当に悪い奴は誰なのか?
徐々に明らかにされつつある。

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2017年6月22日 (木)

加計疑惑(24)「主犯」は萩生田副長官か?/アベノポリシーの危うさ(240)

松野文科相が、「10/21萩生田副長官ご発言概要」というタイトルの文書の存在を公表した。
⇒2017年6月20日 (火):加計疑惑(23)萩生田新証拠と文科省の逆襲?/アベノポリシーの危うさ(238)

萩生田氏自身は次のようなコメントを出し、真っ向から反論している。
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東京新聞6月21日

「誰が何のために作った文章なのか」は別として、メモは存在するわけであり、その証拠能力を多面的に検証すべきだ。
特に萩生田氏は、さまざまな接点がある官邸と加計学園グループの中でも、中核的な位置にいる。
⇒2017年6月11日 (日):加計疑惑(17)官邸と加計グループの多面的な関係/アベノポリシーの危うさ(230)

萩生田氏は、社民党の福島瑞穂議員の「安倍首相と加計孝太郎理事長が「腹心の友」であることを知っていたか」という質問に、およそ誠実さが感じられない姿勢の答弁をした。

Pk2017062202100062_size0 萩生田氏は十六日の参院予算委員会で、首相が加計氏を「どんなことでも打ち明け相談できる仲」という「腹心の友」と呼んでいることを知っていたか問われ、「報道でそう形容されていると知った。確認も承知もしていない」と答えた。
 ただ、萩生田氏は二〇一三年五月十日付のブログで、缶ビールを片手に首相、加計氏と休暇を楽しむ写真を掲載した。ブログに書き込んだ説明によると、山梨県内の首相の別荘でバーベキューをした際の一コマとみられる。
 萩生田氏自身、学園との関係は深い。〇九年の衆院選で落選した翌年から返り咲く一二年まで、学園が運営する千葉科学大学(千葉県銚子市)の客員教授に迎えられ、月額十万円の報酬を得ていたことを明らかにしている。自民党議員は「議員報酬が得られない落選時に安定収入を得られるのは非常にありがたい存在だ」と指摘する。
加計問題 萩生田氏「知らない」と言うけど… 自身ブログに3氏写真

最近どころではないことは明らかで、なめているのか!
⇒2017年6月17日 (土):加計疑惑(21)文科省はトカゲの尻尾になるか?/アベノポリシーの危うさ(235)

だいたい、加計グループの大学に所属すること(現在も名誉客員教授)と、内閣官房副長官の職責が相反すると思わないのだろうか?
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加計問題 萩生田氏「知らない」と言うけど… 自身ブログに3氏写真

安倍首相が記者会見で反省し、「真摯に丁寧な説明をする」と言っているのである。
1枚のコメントだけで済ますわけにはいかないだろう。

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2017年6月21日 (水)

アベ友・山口敬之氏の超弩級疑惑(4)/アベノポリシーの危うさ(239)

安倍ヨイショの山口敬之氏のレイプ事件は、この内閣の本質の一面を照射するものであろう。
事件の経緯を、改めて「週刊新潮」6月8日号から引用しておこう。
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この時系列を見ると、事件後、被害者の詩織さんは警察に相談に行き、警察は防犯カメラで確認をした。
その1週間後に、山口氏はTBSワシントン支局長を解任されている。
さらに1週間後、告訴状が受理されたが、約40日後、逮捕状執行が取り消しになっている。

逮捕状実務に詳しい若狭勝氏は、次のように言う。

この種の犯罪で、所轄警察署が入手した逮捕状につき、警視庁本部刑事部長がその逮捕状の執行をストップすることは通常絶対にあり得ない。
裁判官の判断は何だったのか。そもそも、裁判官は、逮捕する理由も相当ではなく、逮捕の必要もない、ひいては、逮捕するに適さない案件に逮捕状を発付したということなのか。
若狭勝議員(元東京地検特捜部副部長)が断言!「元TBS記者山口敬之氏レイプ疑惑、警視庁本部刑事部長がその逮捕状の執行をストップすることは通常絶対にあり得ない」

あり得ないことの連続である。
いかに法治がないがしろにされているかと言うことであろう。
そして、「通常絶対にあり得ない」逮捕状執行取り消しから約1年後、ヨイショ本『総理』が発売され、さらに半年後に第2弾のヨイショ本が発売されている。
つまり、あたかも逮捕状取り消しの御礼の如くである。

法治がないがしろされていることは、「閣議決定の私物化」でも分かる。
安倍首相の夫人昭惠氏が公人か私人か問題になった。
⇒2017年3月 4日 (土):森友疑惑(12)総理夫人は私人か公人か/アベノポリシーの危うさ(146)

これに対し、政府は3月14日、「公人ではなく私人であると認識している」との答弁書を閣議決定した。
閣議決定してもらう「私人」というのも論理矛盾であるが、その後明らかになりつつあることは、私人の域を遙かに超えていると言わざるを得ない。
⇒2017年4月 9日 (日):森友疑惑(43)昭惠夫人の壮大な勘違い/アベノポリシーの危うさ(180)
⇒2017年4月 5日 (水):加計疑惑(1)昭恵夫人の関与/アベノポリシーの危うさ(177)
⇒2017年3月25日 (土):森友疑惑(32)焦点となった昭惠夫人/アベノポリシーの危うさ(167)
⇒⇒2017年3月24日 (金):森友疑惑(31)「藪の中」は解明されたか?/アベノポリシーの危うさ(166)
⇒2017年3月18日 (土):森友疑惑(25)昭惠夫人の役割/アベノポリシーの危うさ(160)

公人と認めてしまうと、首相との一体性を認めることになると考えたのだろうが、ムリにムリを重ねた結果、「閣議決定」そのものの権威性を地に落とした。
その後、昭恵夫人付の公務員は5人いることが分かった。
その内の2人は首相官邸に常駐しており、森友との連絡を担当した谷査恵子氏もその一人だった。
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東京新聞4月11日

このように体制が膨れたのも、安倍首相が「女性が輝く社会」などというスローガンを打ち出し、それに夫人を利用すると共に、夫人もそれに乗ったからである。
空疎なスローガンを打ち上げただけの、後は野となれ山となれ、がこの政権の本質なのは、「魂の殺人」とも言われるレイプ犯を放免させたことに現れている。

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2017年6月20日 (火)

加計疑惑(23)萩生田新証拠と文科省の逆襲?/アベノポリシーの危うさ(238)

安倍晋三首相の「腹心の友」が理事長を務める学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画を巡り、松野博一文科相は20日、萩生田光一官房副長官に係わる文書を発表した。
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総理が18年開学期限…「萩生田氏発言」新文書

この文書は、「10/21萩生田副長官ご発言概要」というタイトルである。
萩生田氏自身は次のようにコメントしている。

萩生田光一官房副長官は20日、学校法人「加計学園」による獣医学部新設計画を巡り、文部科学省が同日発表した同氏の発言概要とされる新たな文書について「このような不正確なものが作成され、意図的に外部に流されたことについて非常に理解に苦しむ。強い憤りを感じている」とのコメントを文書で発表した。
萩生田副長官「強い憤り」 文科省確認の新文書 

私が第一報に接したのはNHKの「クローズアップ現代」であった。
まとめれば以下のようである。
1.萩生田官房副長官が文科省に指示を下している発言録が見つかった
2.官邸は絶対にやると言っている。
3.「総理は平成30年4月に開学とおしりを切っている」との指示だ。
4.「加計学園の事務局長を(文科省へ)会いに行かせる。
5.文科省の職員は「加計学園ありきの指示」と受け止めた。

安倍首相の記者会見の後であり、記者会見がいかに表面的に糊塗するだけのものであったのを鮮やか示した。
どうやら、NHKは真っ当なジャーナリスト(安倍批判を行なう)と権力の番犬とが相克しているようだ。
まさに分水嶺である。

NHKに限らず、文科省にも反安倍の空気が滲んでいる。
京産大外しが萩生田氏の指示であることを示すメールの開示も文科省から出た。
⇒2017年6月16日 (金):加計疑惑(20)京産大外しに官房副長官の指示/アベノポリシーの危うさ(234)
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日刊ゲンダイ6月16日

ビジネススキルの一丁目一番地と言われているのがロジカルシンキングである。
俗に「空・雨・傘」のフレームなどと呼ばれている。
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「空と雨と傘と」

萩生田氏は発言を否定しているというが、文書の存否を問題にすることはできない位の学習能力はあるだろう。
つまり、「空:萩生田副長官ご発言概要」という文書の存在事実から出発して、「雨が降るだろう」と解釈するか、「雨は降らないだろう」と解釈するかの問題である。
この際、徹底的に事実関係を解明すべきだろう。

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2017年6月19日 (月)

蹂躙された国会と日本の分水嶺/アベノポリシーの危うさ(237)

第193国会が、多くの疑問が残されたまま6月18日に閉会した。
組織的犯罪賞罰法の改正は、277の行為について、計画段階での処罰を可能にするものであり、熟議が必要なことは当然である。
しかし、中間報告という禁じ手を使ってまで、成立させた。
⇒2017年6月15日 (木):共謀罪強行成立という極めて大きな汚点/アベノポリシーの危うさ(233)

なぜ、そんなことになったのか?
もちろん「安倍一強」という状況があるが、その一強が揺らぎ始めたことがある。
⇒2017年6月 2日 (金):内閣支持率の動向が示す潮目の変化/アベノポリシーの危うさ(223)
それは、数を頼みにする強引な安倍政治に、多くの国民が気づき始めたということである。

「加計 (かけ)学園」の獣医学部新設問題や「森友学園」への国有地売却問題で疑いのまな ざしを向けられ、「共謀罪」法の審議で厳 しい追及を受けた政府は、「認めない」 「調べない」「謝らない」答弁を連発し た。会期150日間の答弁に、批判や疑問 を正面から受け止めない姿が浮かぶ。
 三つの「ない」がはっきり表れたのが、 共謀罪法案が審議されていた4月19日の 衆院法務委員会だった。
 民進党の山尾志桜里氏が、法案の処罰対 象になるのは「最初から犯罪を目的として いる集団」に限られるのか、「捜査当局に 犯罪集団に一変したとみなされた団体」も含むのか、安倍晋三首相にたずねた。
 国会冒頭で首相が「(処罰対象は)『そもそも』犯罪を目的としている集団でなければなら ない」と述べたのに、その3週間後、政府が市民団体も「犯罪集団に一変したら対象になる」 と説明を変えたからだ。
 共謀罪法案の要件に関する根源的な問題で、変化を突かれた首相はメモを手に、「『そもそ も』の意味は辞書で調べてみたが、『基本的に』という意味もある。山尾委員はご存じないか もしれないが」と答弁。政府の説明の一貫性を主張しようとした。
 ところがその後、「そもそも」の意味を「基本的に」と説明する国語辞典が存在しないこと が判明。それでも政府は5月12日、「三省堂発行『大辞林』には『そもそも』について 『(物事の)どだい』等と記述され、『どだい』について『基本』等と記述されている」との 答弁書を閣議決定。「そもそも=どだい=基本」の三段論法で、答弁を正当化しようとした。
 誤りを認めず、謝らず――。さらに、首相が大辞林を調べていなかったことも判明した。
 首相や妻昭恵氏の関与の有無が問われた加計学園や森友学園の問題では、国有地売却や国家 戦略特区の指定の行政過程の不透明さを指摘する証言が出ても、証言や証拠の真偽を調べたり しなかった。
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「認めない」「調べない」「謝らない」主な答弁

村上誠一郎氏のように、自民党のあり方を心配する自民党議員もいる。
明治150年を迎える日本の分水嶺である。

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2017年6月18日 (日)

加計疑惑(22)「焼きが回った?」菅官房長官/アベノポリシーの危うさ(236)

「焼きが回る」という言葉がある。
故事ことわざ辞典』の解説は以下のようである。

意味:年を取るなどして、思考力や腕前が鈍ることのたとえ。
注釈:刃物に焼き入れをするときに、火が回りすぎて焼きが強すぎると、かえって切れ味が悪くなることから。

記者会見に立つ菅官房長官を見ると、この言葉を連想する人も多いのでのではないか。
東京新聞の望月記者の質問に明らかな狼狽ぶりを見せ、結果的に加計文書の再調査をせざるを得なくなったのだ。
「のら猫 寛兵衛」氏はブログで次のように評価している。

圧巻です
菅がいろいろ高圧的なんだけれども
進行役のおっさんも同じことなんども聞くなというんだけれど
彼女は、ちゃんと答えをもらっている気がしないので
同じこと聞かざるを得ないんだと言って
前川氏のことで食らいつく
加計問題で食い下がる
記者魂を見た
これもあって政府は文科省の再調査を決めたのだと思う
望月記者.jpg
この世をばわが世とぞ思ふ望月の加計たることもなしと思へば

加計文書について、当初、菅官房長官は「怪文書」と切り捨て、文書の内容を検討しようとはしなかった。

 菅義偉官房長官は(5月)17日午後の記者会見で、「全く、怪文書みたいな文書じゃないか。出どころも明確になっていない」と言い切り、記録文書の信頼性自体も否定した。文書は役所の正式な文書ではない、とすることで政権へのダメージを回避し、特区をめぐる判断にも問題がないとの姿勢を維持する狙いがある。森友学園問題で首相が追及を受けても内閣支持率が大きく落ち込むことはなかった経緯も、強気の背景にありそうだ。
・・・・・・3月13日の参院予算委員会では、加計氏から獣医学部新設の計画を聞いていたか問われ、安倍首相は「私がもし働きかけて決めているとあれば、責任を取る」と強く関与を否定した。首相本人が言い切っただけに、政権としても「否定」に躍起。菅氏は17日午前の会見で「首相からも一切指示はない」とした。
 自民党も歩調を合わせる。二階俊博幹事長は首相と会談後、記者団から加計学園問題について質問され、「事態を見守って党としてもしっかり対応したい」と述べた。後ろに控える林幹雄幹事長代理が「官房長官も文部科学相も『こういうことはない』と明確に言っているんだから」と口を挟む一幕があった。
菅氏「全く怪文書みたい」 加計学園巡る文書、強気否定

その後の経過は、菅氏のウソを満天下に明らかにしてきたのである。
⇒2017年5月25日 (木):加計疑惑(4)衝撃の前川前文科事務次官会見/アベノポリシーの危うさ(215)
⇒2017年5月26日 (金):加計疑惑(5)文書の存在確認/アベノポリシーの危うさ(216)

にもかかわらず、官邸は前川氏に関する印象操作まで行って、「怪文書」らしさを維持しようとした。
⇒2017年5月30日 (火):加計疑惑(9)国家の悪事の告発とプライバシー/アベノポリシーの危うさ(220)
「策士、策に溺れた」ということか。
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「週刊新潮」6月22日号

国会が閉会して官邸はヤレヤレと、一安心しているかも知れない。
しかし、策謀が暴かれるのはこれからであろう。

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2017年6月17日 (土)

加計疑惑(21)文科省はトカゲの尻尾になるか?/アベノポリシーの危うさ(235)

加計文書に関する内閣府の調査結果が発表された。

 「課内で飛び交っている話を聞いて確認しないままに書いた」。十六日、山本幸三地方創生担当相は会見で、内閣府側から文科省側に送信された獣医学部新設の条件の修正を求めるメールについて弁明した。
 メールは「藤原審議官曰(いわ)く、官邸の萩生田副長官から」との記述から、官邸が加計学園に有利になるよう便宜を図ったことをうかがわせる内容。十五日に文科省が公表した再調査結果で明らかになった。
 内閣府からのメールにあった「萩生田氏の指示」の通り、獣医学部の設置条件に「広域的な」の文言が追加されたことで、加計学園に事実上絞り込まれた。隣接の大阪府に獣医学部がある京都産業大学は要件を満たせなくなるためだ。
 萩生田氏は指示を否定。内閣府は「加計ありき」ではないと反論する。
 しかし、事業者公募の二カ月前に、加計学園は愛媛県今治市の学校予定地でボーリング調査を始めている。内閣府が文科省に迫っていたとされる「二〇一八年四月」の開学時期は、早くから内閣府と今治市が情報共有していた記録も残っており、加計学園を前提にしたような文書や手続きが散見される。Photo_3
「加計」内閣府調査1日足らず 文科省文書と照合のみ

文科省が新たに公開したメールおよび添付書類によって、「安倍首相の側近中の側近」である萩生田光一官房副長官が、「広域的に」「限定する」という事実上の「京都産業大学外し」を指示していたことが発覚した。
⇒2017年6月16日 (金):加計疑惑(20)京産大外しに官房副長官の指示/アベノポリシーの危うさ(234)

萩生田官房副長官は安倍首相の最側近である。
そのような人物が獣医学部新設の加計学園決定に関与していたという新事実は、「総理のご意向」が働いていたとする決定的証拠にほかならない。
しかし、山本幸三地方創生相は「萩生田官房副長官ではなく自分が指示した」と言い出し、「メールを送った職員は文科省の出向者で、陰に隠れて本省に注進した」などと職員を個人攻撃する下劣さである。

しかし萩生田官房副長官は、閉会前の予算委であからさまな「嘘」をついている。
社民党の福島瑞穂議員が、安倍首相と加計孝太郎理事長が「腹心の友」であることを知っていたか、と質問したのだが、対して萩生田官房副長官はこう答えた。
「最近、盛んに報道されているから承知している」

萩生田官房副長官は加計学園傘下の千葉科学大学で客員教授を務めているのである。
2013年5月5日から6日にかけて、安倍首相の別荘でBBQをやった時に、安倍、萩生田、加計の3人が談笑している写真を萩生田氏自身のブログにアップされているのだ。
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はぎうだ光一の永田町見聞録

「天網恢恢疎にして漏らさず」である。
盗人猛々しいとはこのことであろう。
こんな説明で幕引きできると思ったら大間違いである。
森友疑惑では、籠池一家が「トカゲの尻尾切り」の対象になった。
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柴田順吉
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財務省出身の高橋洋一氏は、文科省を三流官庁と呼んでいる。

はっきりいえば、勝負のついた後に、文科省は言い訳を言っているだけにすぎないのだ。「文書」にある「総理の意向」という文言は、文科省側のでっち上げ・口実の可能性さえあると、本コラムでは前から書いている。
いずれにしても、官邸としては文書が発見されたところで何の不都合もないのだ。むしろ文書が見つかれば、これらの経緯が明らかになり、文科省がまともな政策議論ができない「三流官庁」であると分かってしまうことになる。
加計学園問題は、このまま安倍官邸の「圧勝」で終わる

なんという傲慢さだろう。
加計疑惑では文科省が「尻尾切り」されるのか? テレビのCMにも使われている名言に次のようなものがある。

一年の計は穀を樹うるに如くはなし、十年の計は木を樹うるに如くはなし、終身の計は人を樹うるに如くはなし。

非合理が永続できるはずがない。
たとえ圧勝のように見えても、局地戦に過ぎないのだ。

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2017年6月16日 (金)

加計疑惑(20)京産大外しに官房副長官の指示/アベノポリシーの危うさ(234)

共謀罪の成立を見届けるかのように、加計文書の存在を松野文科省が認めた。
しかし、既に電子書籍化されている文書を、「実はあった」と言われても、という感じである。
⇒2017年6月12日 (月):加計疑惑(18)最初のボタンの掛け違い/アベノポリシーの危うさ(231)
⇒2017年6月 8日 (木):加計疑惑(15)「あるもの」を「ないことにする」政権/アベノポリシーの危うさ(228)

獣医学部新設には、加計学園の他、京都産業大学も手を挙げていた。
しかし京産大は、安倍首相が主導する国家戦略特区に付けられた条件のため、学部新設を諦めざるを得なかった。
それは既存の学部が「広域的に」存在ているか否かという条件である。
⇒2017年5月28日 (日):加計疑惑(7)京産大排除の論理/アベノポリシーの危うさ(218)

その条件の付加に、萩生田光一官房副長官と内閣府の藤原豊審議官が文科省の担当者に対し、「広域的に」と「限り」の文言を付け加えるよう指示していたことが15日に公表された文科省の資料で分かった。
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加計有利な要件「官房副長官が指示」 内閣府のメール

 メールや文書によると、藤原氏ら内閣府側と文科省の担当者が諮問会議に提出する文面を内々に打ち合わせた際、藤原氏が「獣医師系養成大学等のない地域において獣医学部の新設を可能とする」という文科省の原案の冒頭に「広域的に」を付け加え、「おいて」を「限り」に変更するよう指示した。メールには「指示は藤原審議官曰(いわ)く、官邸の萩生田副長官からあったようです」と記されていた。
 萩生田氏は記者団に対し「修正の指示を出したことはなく、文科省が公表したメールの内容は事実に反する。違和感を感じている」と語った。
 安倍晋三首相は5日の衆院決算行政監視委員会で「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限る、1校に限るという要件は、獣医師会等の慎重な意見に配慮した。獣医師会から要請があった」と答弁し、「加計ありき」との批判に反論していた。一方で日本獣医師会顧問の北村直人元自民党衆院議員は「獣医師会として空白地域に限るというお願いをした事実はない」と説明している。
「官房副長官が修正指示」新たなメール明らかに

疑惑の解明はこれからが本番である。
やましいことがないのなら、急いで幕引きを図らずに、納得できるように説明すれば良いのだ。

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2017年6月15日 (木)

共謀罪強行成立という極めて大きな汚点/アベノポリシーの危うさ(233)

共謀罪が、委員会審議を飛ばす中間報告という奇策を使って、今朝、参議院で可決した。
奇しくも6月15日は、60年安保で樺美智子さんが亡くなった日でもある。
⇒2012年10月22日 (月):60年安保と岸信介/戦後史断章(3)
⇒2007年10月 9日 (火):60年安保…③6月15日
57年後に、岸信介の孫の安倍晋三によって、再び歴史的な暴挙が行われたのだ。

なぜ、多くの検討課題を積み残し、成立を急いだのか?
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東京新聞6月15日

やはり、加計疑惑隠しと見ざるを得ないだろう。

 国会では学校法人「加計学園」の獣医学部新設に、安倍晋三首相の意向が働いていたか否かをめぐり、野党側が追及を強めている。
 内閣府が「官邸の最高レベルが言っていること」「総理の意向だと聞いている」と働き掛けたとされる文書が明らかになり、文部科学省は再調査を余儀なくされた。
 短期間でも国会を延長すれば、野党に疑惑追及の機会を与える。強行してでも早めに同法案を成立させて国会を閉じ、野党の追及機会を封じた方が得策と、与党側が考えても不思議ではない。
 しかし、それは疑惑隠し以外の何ものでもない。
 この法案は拡大解釈され、冤罪を生む可能性は消えていない。官憲が内心に踏み込んで処罰し、人権を著しく侵害した治安維持法の復活との懸念は、審議を通じて解消されるどころか、むしろ深まった。国民が懸念を抱く法案の成立を政府与党は急ぐべきではない。安倍政権に猛省を促したい。
「共謀罪」法案 成立強行は疑惑隠しか

共謀罪を成立させ、加計疑惑にフタをして、「政権の圧勝」だろうか?
例えば、財務省出身の高橋洋一氏は、政権のコールド勝ちという。

民進党は、6月18日までの国会会期内のできるだけ早期に再調査結果を出せというだろう。国会は1週間程度の小幅延長のようである。
となると、再調査結果をいつ公表するかどうかは、政府のさじ加減次第である。再調査結果が出てくれば、野党は前川氏の証人喚問などを言うかもしれないが、国会会期後の閉会中審査で、という手もあるので、それだと野党の追及は困難になるだろう。
結局、無理筋であるはずの「総理の意向」という点にこだわり、思い込みで間違えてしまった民進党は、森友学園問題のときと同じように、何も影響を与えられないまま、またしても空回りして終わるだろう。
加計学園問題は、このまま安倍官邸の「圧勝」で終わる

私は森友学園問題も「何も影響を与えられないまま」とは思わないし、政権が追い詰められた果ての強行突破だと考える。
元外交官で、原田武夫国際戦略情報研究所代表の原田武夫氏は次のように言う。

私は今回、前川喜平・前文部科学事務次官の「糾弾」によって露呈した我が国政治の本当の病巣はここにあると見ている。「安倍一強」と言われているが、全く持ってそれはそれはハリボテなのであって、その実、「性悪説から逃れられない地方議員上がりの小心者」による恐怖政治と「娑婆のマネー・フローを全く知らず、出来ることといえば虚栄心に基づく利権づくりだけである経済産業官僚たち」による”霞が関の常識“の破壊でしかそれはないのだ。「全ての存在するものは合理的であり、合理的なものは存在する」とはかのヘーゲルの名言だが、そうした冷静なチェックが一切行われることなく、しかも「最高責任者そのものが全く引責しようとしない」という異常な体制が続いているという意味で安倍晋三体制とは、かつての「民主党体制」よりも筋が悪く、唾棄すべきものだというべきなのである。
ハウス・アフェアーについては実質的に菅義偉官房長官が取り仕切る首相官邸は、このことについて声を大にして叫び始めた前川喜平・前文部科学事務次官に対して、実に卑劣な個人攻撃を始めた。「新宿・歌舞伎町の出会い系バーに通っていた前歴を持ち、そこで買春していた嫌疑すらある」と騒ぎ立てたのである。その背後には、「またか」とその実、あきれ顔で首相官邸の”主人“たちに面従腹背をする公安警察の面々の影を感じ取ることができる。
だが、事態は全くもってこれら”主人“たちの意のままにはなっていないのである。
私は「前川喜平」を断然支持する。

「”主人“たちの意のままにはなっていない」ことは、前川氏の証人喚問すらできないことが示している。
⇒2017年5月30日 (火):加計疑惑(9)国家の悪事の告発とプライバシー/アベノポリシーの危うさ(220)
⇒2017年5月31日 (水):加計疑惑(10)証人喚問の二重基準/アベノポリシーの危うさ(221)

国会が閉会したからと言って、すべてが終わったわけではない。
疑惑の真相追究の過程で、志のある人、品性下劣な人間などの識別もできてきた。
民進党の拙劣な戦術にいささかガッカリはしたが、内閣不信任案を審議する衆議院における金田法務相と山本地方創生相の姿を見れば、任せておくわけにはいかないだろう。
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与党、「共謀罪」成立強行へ 野党、内閣不信任案は否決


この国の明日のためにも、さらに追究を続けて行かなければならない。

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2017年6月14日 (水)

加計疑惑(19)唖然とする義家副大臣の暴言/アベノポリシーの危うさ(232)

義家弘介副大臣と言えば、ヤンキーが更正して熱血先生になったというイメージがあった。
しかし、加計疑惑に関する文科省の調査に関する発言を聞いていて、それは単なる伝説に過ぎないことがハッキリした。

あることがハッキリしている「総理の意向」文書について、文科省が「追加調査することになった。
⇒2017年5月25日 (木):加計疑惑(4)衝撃の前川前文科事務次官会見/アベノポリシーの危うさ(215)
⇒2017年6月 7日 (水):加計疑惑(14)送受信者が実在しても怪文書?/アベノポリシーの危うさ(227)
⇒2017年6月 8日 (木):加計疑惑(15)「あるもの」を「ないことにする」政権/アベノポリシーの危うさ(228)
⇒2017年6月10日 (土):加計疑惑(16)文書の有無も総理の意向を忖度?/アベノポリシーの危うさ(229)

その文書に関して、義家氏は自由党の森ゆう子氏の質問に対して、次のように答弁した。

Ws000001 自由党の森ゆうこ氏は、「文科省の文書再調査は(文書の存在をあると告発した)犯人捜しのためにやっているという話も出ている。今回告発した人は公益通報者にあたると思うが、権利を守る意識はあるか」と尋ねた。
 これに対し、義家氏は「文科省の現職職員が公益通報制度の対象になるには、告発の内容が具体的にどのような法令違反に該当するのか明らかにすることが必要だ」と説明。さらに森氏が「『(告発者を)守る』と言えないのか。勇気を持って告発した人たちの権利を守ると言って欲しい」と求めると、義家氏は「一般論」と断った上で、「告発内容が法令違反に該当しない場合、非公知の行政運営上のプロセスを上司の許可無く外部に流出されることは、国家公務員法(違反)になる可能性がある」と述べた。
 森氏は「残念な発言だ。この件に関して報復の動きがあったら許さない」と述べた。
加計問題の内部告発者、処分の可能性 義家副大臣が示唆

これが偶々の発言でないことは、再調査せざるを得なくなる前には次のように言っていたことでも分かる。

この文書をめぐっては、文科省の前川喜平・前事務次官は朝日新聞の取材に対し「自分が昨年秋に、担当の専門教育課から説明を受けた際、示された」と、存在を認める証言をしたが、政府・文科省は「(5月の)調査で存在を確認できなかった」とし、再調査をしない方針だ。
一方、民進党など野党側は、文科省の調査について「個人のパソコンを調べておらず不十分」「説明責任を果たしていない」と、再調査を要求。前川氏の証人喚問も求めている。
7日の衆院内閣委員会では、民進党の緒方林太郎氏が「(文書を)“確認できない“というのは、“ない”ということを確約する表現ではない」「共有フォルダに(文書が)なかっただけでは意味がない」と、再調査を要求した。
これに対し義家弘介・文科副大臣は、「通例であれば、出どころ不明の文書を一つ一つ確認することはない。違法や法廷調査が必要でないものについて、一つ一つ検討する必要なものではない」とした上で、「私が確認していない文書、副大臣が確認していない文書がどうして行政文書になるのか。私には理解できない」と発言した。
義家弘介・文科副大臣「私が確認していないものは行政文書じゃない」 加計問題めぐる再調査拒否

まったくヤンキーのまま、と言うか、ヤンキーには反権力という姿勢があるが、権力を笠に着ているとしか言いようがない。
さすがに斎藤美奈子さんは次のように指摘している。
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東京新聞6月14日

文科省は「イジメ問題」を主管する官庁である。
内部告発者を脅迫するようなものではないか。
こんな副大臣がいるようでは、100年経っても「イジメ」はなくならない。

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2017年6月13日 (火)

獄死した牧口常三郎と公明党・共謀罪/日本の針路(317)

今国会は18日に会期末を迎える。
「共謀罪」の成立要件を改め「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案の採決日程を巡り、与野党の折衝が続いていたが、秋野公造委員長(公明党)が職権で13日の委員会開催を決定した。
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会期末控え攻防 委員長職権で13日、参院法務委

13日に開催すると、参院での審議時間は20時間になり、与党側が採決のめどとしていた衆院の審議時間(30時間)の約7割になる。
与党の立場とはいえ、創価学会を支持母体とする公明党が共謀罪の成立の執着するのは不思議なような気がする。
というのは、創価学会を設立した初代会長牧口常三郎は、治安維持法違反および不敬罪で検挙され、獄死しているからだ。
治安維持法の再来と言われる「共謀罪」の成立に加担するのは、如何なものだろうかと思う。

治安維持法の犠牲になったのは、牧口などの宗教者を始め幅広く厚い。
牧口の生涯の概要を、牧口常三郎:Wikipediaで拾ってみよう。

1871年7月23日〈明治4年6月6日〉 - 1944年〈昭和19年〉11月18日。
1891年、札幌の北海道尋常師範学校(現:北海道教育大学)第一学部3学年に編入、1893年3月に卒業し、母校の付属小学校の教師となる。
1902年、国粋主義で知られる地理学者の志賀重昂の門を叩き、1903年、人間の生活と地理との関係を論じた『人生地理学』を32歳で発刊。
1828年、日蓮正宗に入信。
1930年11月18日、『創価教育学体系』第1巻を刊行する。創価学会はこの日を創価教育学会設立の日としている。
1941年、機関誌『価値創造』を発刊するが、翌年廃刊。戦時下の特別高等警察による監視が続けられる。
1943年7月6日、伊豆下田での座談会開催直後、伊勢神宮の神札を祭ることを拒否したために、治安維持法違反並びに不敬罪の容疑で下田警察署に連行、検挙。獄中においても転向を拒否し、1944年11月18日、東京拘置所内の病監で栄養失調と老衰のため死去。

牧口の獄死が、治安維持法の直接の被害であることは疑えない。
「テロ等準備罪」の担当大臣である金田勝年法務相は、治安維持法は適法であったと答弁している。
しかし、凄惨なリンチ・拷問は、当時といえども不法行為であった。
そしてひとたび法律が成立すると、その拡大解釈が行われることは歴史が示すところである。
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東京新聞6月9日

公明党は、初期創価学会の苦難に学ぶべきではないか。

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2017年6月12日 (月)

加計疑惑(18)最初のボタンの掛け違い/アベノポリシーの危うさ(231)

加計疑惑が国会の場で質問が始まったのは、3月8日の福島伸亭議員の質問に始まり、13日の福島みずほ議員の質問で世間の耳目を集めた。
その時点では、疑惑の全体像は明らかではなく、私も安倍首相と加計理事長の親交の深さに注目しただけであった。
⇒⇒2017年3月14日 (火):森友疑惑(21)加計学園の李下の冠/アベノポリシーの危うさ(156)

しかし、この時点で、安倍首相が過剰とも思える不自然な反応をしたことが引っ掛かった。
渡辺輝人弁護士は次のように書いている。

今国会で、加計学園が今治市に獣医学部を新設する件についの最初の質問は3月13日の参院予算委員会での福島みずほ議員のものと思われ、安倍首相が直接答弁に立っていますが、現在まで、議事録が公開されていません。そこで該当部分を文字起こしして、分析しました。以下、パートごとに区切って文字起こしした後、筆者の考えを記します。なお、該当部分は、参議院インターネット中継のホームページの3月13日予算委員会の動画のうち、6:35:24~で確認することができます。
加計学園問題の原点:安倍首相の3月13日の参院予算委での答弁を分析する

渡辺氏が上記記事を書いたのは6月5日であるが、議事録の公開がなされていないのは、ここでも何らかの「忖度」が働いているのを窺わせる。
渡辺氏の分析は上記サイトで読むことができるが、結論部分の「今日から見た意義」の箇所を抜粋する。

まずは、国会審議から2ヶ月半も経つのに、議事録がホームページに掲載されていないこと自体、非常に不当でしょう。安倍政権がこの国会質問について、何かを隠したがっていると疑念を持たれても仕方ないのではないでしょうか。
そして、3月13日の段階では、安倍首相は、確証もなしに国会質問をすべきでない、などと述べていました。しかし、その後、この件について「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」等と書かれた文部科学省の内部文書が流出しました。それが本物であり、また、2016年9月から11月にかけてその旨の報告があったことや、安倍政権の首相補佐官の和泉洋人氏や、内閣官房参で、同時に加計学園理事でもあった木曽功氏から繰り返し働きかけがあった旨、前川喜平・前文部科学次官(1月18日に天下り問題で引責辞任)が何度も証言しています。前川氏は和泉氏が「総理は自分の口からは言えないから私が代わりに言う」と言ったとまで証言しています。
・・・・・・
ところが、これだけ証拠が揃った今日、松野文部科学大臣は、今度は「入手経路が明らかにされておらず、改めて調査を行うことは考えていない」と答弁したようです。具体的な証拠があるのに、入手経路を明らかでなければ答えない、というのは、違法・不当な業務執行を内部者が曝露する、公益通報や、ジャーナリズムを全否定するものであり、また、国民の疑問に対して全く答えになっていないでしょう。
加計学園問題の原点:安倍首相の3月13日の参院予算委での答弁を分析する

「総理の意向」文書についての不誠実な態度は世論の反発を受け、文科省も「追加調査」をすることにした。
⇒2017年6月10日 (土):加計疑惑(16)文書の有無も総理の意向を忖度?/アベノポリシーの危うさ(229)
しかし、働きかけを行った側の内閣府等の調査はしないらしい。
「いじめ問題」に例えれば、いじめた側は不問に付すとしているようなものである。
いかに「本気ではない」ことを表しているようなものでじゃないだろうか。

いまさら調査もない。
件の文書は、電子書籍化されて市販されているのである。
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本来は、この文書の証拠能力を吟味すべきであったが、「あるものを、ない」としたために時間をムダにしたのである。
⇒2017年6月 8日 (木):加計疑惑(15)「あるもの」を「ないことにする」政権/アベノポリシーの危うさ(228)
こんな国会で「共謀罪」成立を図ろうとすることこそ、テロ行為である。
客観的に見れば、「もはや勝負あった」と見なければなるまい。

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2017年6月11日 (日)

加計疑惑(17)官邸と加計グループの多面的な関係/アベノポリシーの危うさ(230)

加計学園グループの加計孝太郎理事長と、安倍首相が長年の友人関係、首相自身の言葉によれば「腹心の友」であることは公知の事実である。
「週刊朝日」6月16日号に、安部首相の人脈と加計学園グループの関係を表した以下の図が載っている。
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まさに「ズブズブ」というに相応しい関係である。
⇒2017年6月 5日 (月):加計疑惑(12)底なし沼のようなズブズブの関係/アベノポリシーの危うさ(225)

このような親しい関係にある場合は、特に疑われないような心構えが必要である。
いわゆる「李下に冠を正さず」であり、「瓜田に履を納れず」である。
⇒2017年3月14日 (火):森友疑惑(21)加計学園の李下の冠/アベノポリシーの危うさ(156)
ところが、安倍官邸は、千葉科学大学学長に「天下り」している木曽功元内閣官房参与が典型であるが、余りにもしばしば「李下に冠を正し」、「瓜田に履を納れ」ている。

獣医学部開設計画が急進展したのは、昨年の内閣改造後である。
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東京新聞6月9日

内閣改造では、地方創生担当相が石破茂氏から山本幸三氏に、文科相が下村博文氏から松野博一氏に交代した。
時を同じくして、今治市では、決定前にもかかわらず開学を前提としたスケジュールが共有されていた。
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東京新聞6月9日

学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)が愛媛県今治市で獣医学部を新設する計画を巡り、京都産業大(京都市)も学部新設を希望していたにもかかわらず、内閣府が加計学園側の開学時期についてだけ協議していた疑いが浮上している。政府が「2018年4月開学」とする要件を公式に公表したのは昨年11月だが、毎日新聞が入手した今治市議会の資料からは、公表前から市と内閣府が連携して来春開学を目指していた様子がうかがえる。
「18年開学」内閣府が協議の疑い 公表前に

さあ、これだけの状況証拠が出揃いつつある。
「関与は明白」であろう。
さすがに自民党の中にも危機感が生まれつつあり、「安倍下ろし」の予感もする。
「恋々としがみついている」のは誰なのか?
「国家百年の計」を考えるならば、一刻も早く辞任すべきではないか。

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2017年6月10日 (土)

加計疑惑(16)文書の有無も総理の意向を忖度?/アベノポリシーの危うさ(229)

文科省は「確認できなかった」としていた「総理の意向文書」について、世論の反発から再調査をすることになった。
もはや握り潰すのはムリということだ。

安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部新設計画を巡り、内閣府が文部科学省に早期開学を促したとされる文書について、松野博一文科相は9日、文書が存在するか再調査することを明らかにした。これまで野党が求める再調査を「文書は出所不明」として拒んできたが、松野氏は閣議後の記者会見で「追加調査すべきだという国民の声を総合的に判断した」と述べた。
「総理の意向」文書再調査へ 世論受け一転

既に電子書籍化もされている文書の有無を、いまさら「追加調査」もないだろう。
どのような調査結果になるのか予断はできないが「あるものを、ないという」のは明らかなウソであり、国家百年の計を司る文科省が、そんなことをして良いはずがない。
⇒2017年6月 8日 (木):加計疑惑(15)「あるもの」を「ないことにする」政権/アベノポリシーの危うさ(228)

Ws000001
加計 文科省職員から批判も

笑ってしまうのは、この「追加調査」をするにあたっても、松野文科相が「総理の意向」と説明していたことだ。
菅官房長官が、「文科省の問題」と言っているのだから、なぜ「私が必要と判断した」と言えないのだろうか。
そもそもの間違いは、「首相の進退発言」にある。
それで次々と墓穴を掘るようなことになっているのだ。
⇒2017年5月31日 (水):加計疑惑(10)証人喚問の二重基準/アベノポリシーの危うさ(221)
⇒2017年6月 6日 (火):加計疑惑(13)前川氏に対する印象操作という墓穴/アベノポリシーの危うさ(226)
⇒2017年6月 7日 (水):加計疑惑(14)送受信者が実在しても怪文書?/アベノポリシーの危うさ(227)
⇒2017年6月 8日 (木):加計疑惑(15)「あるもの」を「ないことにする」政権/アベノポリシーの危うさ(228)21706102_2
東京新聞6月10日

風向きが変わって、慌てて方針転換したのだろうが、遅きに失している。
⇒2017年6月 2日 (金):内閣支持率の動向が示す潮目の変化/アベノポリシーの危うさ(223)
「あるものをない」と言い張ったツケは、国民の真っ黒な心証である。
もはや危機管理能力を疑わなければならないレベルではないか。

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