2017年7月23日 (日)

仲間ファーストの共謀4・部下にも「不実」を見抜かれた稲田防衛相/アベノポリシーの危うさ(261)

南スーダンPKOの日報問題を巡り、稲田朋美防衛相の関与の疑いが浮上した。
しかし稲田氏は一貫して否定している。
⇒2017年7月19日 (水):仲間ファーストの共謀・稲田防衛相の隠蔽疑惑/アベノポリシーの危うさ(257)

Ws000001_3
 南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊部隊の日報を巡る問題で、稲田朋美防衛相に陸自内で保管されていた日報の存在を防衛省幹部が伝えていたものの、特別防衛監察の結果の原案には反映されていないことが分かった。政府関係者が明らかにした。稲田氏は関与を否定しているが、陸自が防衛監察本部に提出した報告書では稲田氏への報告に触れられていたという。最終的な監察結果で、稲田氏の関与の有無がどのように説明されるかがポイントになる。
「稲田氏に報告」触れず 防衛監察の原案

i稲田氏について、7月22日の日経新聞朝刊コラム「春秋」が辛辣である。
テーマは「不実」。

辞書を引くと「不誠実なこと」などと書いてあるが、実際のニュアンスはもうすこし複雑だろう。ずるい、逃げ腰、弁解がましい、ぬけぬけと……。そんな印象を表すのがこの言葉ではないか。いま、稲田朋美防衛相に世間はまさに不実を見ている。政治家として、いやいや人として、どうにも信用の置けぬ挙措が目立つ。

部下の責任は問うが、自分の責任は問わないということでは、自衛隊ならずとも組織は統率できないであろう。
稲田氏の関与が表面化した背景には、制服組といわれる陸上自衛隊が不満を募らせていたことがあるようだ。
 防衛省関係者によると、監察結果の原案には(1)2月15日に岡部俊哉陸上幕僚長が黒江哲郎防衛次官に陸自内にデータが残っていることを報告した(2)陸自幹部がデータ消去と受け取れるような指示をした――などの記載がある。ただ稲田氏の関与に関する記述はほとんどないという。そもそも防衛監察は政務三役が監察の対象外になっている。
 監察結果が公表されればデータ保存を1月時点で知っていた岡部氏の責任論が浮上するのは必至。データ消去につながる指示を下した陸自幹部も処分対象となる。
 こうした監察結果に危機意識を抱いた陸自が、稲田氏が出席した2月15日の会議開催を公にしたというのが複数の政府関係者の見立てだ。「陸自ばかりが悪者にされ、責任を負わされると憤ったクーデターだ」と言い切る防衛省幹部もいる。稲田氏の関与を明確にし、組織防衛を図りたいとの狙いもある。菅義偉官房長官がことさら「文民統制」に言及することも、陸自の反発を買っているとの指摘もある。
稲田氏の関与なぜ浮上、制服組に強い不満? 

「文民統制」は絶対崩してはならない原則である。
それが揺らいでいるのは、稲田氏自身の言動である。
大体自分を観察の対象外にすること自体がおかしい。
世論の批判を受け、防衛監察本部が稲田氏を聴取したと報じられている。
しかし防衛相管轄組織が聴取したんでは、アリバイ作りにもならない。
2170722_2
東京新聞7月22日

第三者からなる権限を有する組織が監察しなければ意味がない。
閉会中審査の前に辞任するという見方もあるようだが、辞任すれば済むという話ではないことは言うまでもないだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年7月22日 (土)

仲間ファーストの共謀3・記録を否定する山本地方創生相/アベノポリシーの危うさ(260)

安倍内閣の閣僚は何でアホが揃っているのだろうか。
「学芸員はガン」発言で顰蹙を買った山本幸三地方創生相が、大臣になった理由は何か?
⇒2017年4月22日 (土):アホな内閣(3)山本幸三地方創生担当相/アベノポリシーの危うさ(188)

Wikipediaで履歴を見ると以下のようであった。

東大卒業後、大蔵省に入省した。大蔵省在職中の1973年、コーネル大学経営大学院に留学し、MBAを取得した。帰国後、岩国税務署長、アメリカ合衆国ハーバード大学国際問題研究所客員研究員等を経て、1987年6月から宮澤喜一大蔵大臣の秘書官を務めた。1991年4月より九州国際大学講師。

政界入りするまでの履歴は絵に描いたようなエリートである。
しかし大臣としての言動には疑問が多い。
「週刊文春」7月27日号では、「加計ありき」発言をスクープされた。
⇒2017年7月20日 (木):仲間ファーストの共謀2・山本地方創生相のフライング疑惑/アベノポリシーの危うさ(258)

この件に関して、山本氏と獣医師会側の見解には大きな乖離がある。

Vs
 内閣府の塩見英之参事官の説明によると、山本氏が日本獣医師会を訪れた昨年十一月十七日の会合に事務秘書官も同席。「メモみたいなもの」はつくったものの、それに基づく記録文書は作成せず、メモ自体も現在は存在しないとした。メモを破棄したのか紛失したのかには言及しなかった。
 獣医師会の面会記録は山本氏が「(愛媛県)今治市が土地で三十六億円」「残りは加計学園の負担となった」などとして、今治市に加計学園の獣医学部が新設される前提で説明していたことになっている。
 民進党議員からは「公務での面会であり、メモを必ず残すはずだ」と疑問視する声や「都合のいいところだけは覚えている」という批判が相次いだ。
 これに先立ち、山本氏は内閣府で記者団の取材に対し「四国(の今治市)で決めたとは言っていない。(競合していた)京都もあり得るという話もした」と強調。「獣医師会側の思い込みと、私の発言を混同したもので、正確ではない」と反論した。
 面会があった当時、京都産業大も京都府での新設に名乗りを上げていたことを踏まえ「私が京都もあり得ると述べたところ、獣医師会側から、進めるのなら今治市のみと明記してほしいとの発言があった」とも主張した。
 山本幸三地方創生担当相と獣医師会幹部の昨年十一月十七日の面会について、獣医師会がまとめたやりとりの要旨は次の通り。
<山本氏> 獣医師が不足している地域に限って獣医学部を新設することになった。財政的に大丈夫か待ったをかけていたが、今治市が土地で三十六億円のほか積立金から五十億円、愛媛県が二十五億円を負担し、残りは加計学園の負担となった。
 先端のライフサイエンスに重点を置いて、創薬に役立てる。実験動物学分野の獣医師は不足しているので、これに重点を置く。四国は感染症に関わる水際対策ができていなかったので、新設することになった。
<獣医師会・北村直人顧問> 日本獣医師会総会で決議している。認めることができない。特区による獣医学部新設には反対だ。
<獣医師会・蔵内勇夫会長> 獣医師数については国も含めて調査してきたが数は足りている。今大学をつくることは流れに逆行する。どうしてもつくるというなら国際水準を満たすものにしてほしい。
山本創生相、獣医師会との面談 秘書官がメモ「今はない」

ユヴァリ・ノア・ハラリ『サピエンス全史-文明の構造と人類の幸福』河出書房新社((2016年9月)が評判である。
人類史を俯瞰した書で、約7万年前の「認知革命」が今日の人類を造り出す出発点だった。
「認知革命」の重要なエポックが「書記体系」の発明である。
C009
まんがでわかる サピエンス全史の読み方』山形浩生(監修)、葉月(イラスト)

「書記体系」の専門職が官僚である。
官僚出身の山本氏は、記録の重要性を熟知しているはずである。
紛失した「メモ」と現存する「議事録」のいずれが証拠能力が高いか。
もがけばもがくほど、墓穴は広く深くなっていく。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年7月21日 (金)

加計疑惑(36)世論は安倍不信に傾いた/アベノポリシーの危うさ(259)

安倍内閣の支持率が続落している。
1707192
東京新聞7月19日

上記の共同通信調査では35.8%であるが、時事通信の調査では、29.9%と3割を切り、危険水域と言われるゾーンに入っている。

  自民党内からも、ここへきて様々な声が上がっている。村上誠一郎・元行革相が「今まで説明責任をしっかり果たしてこなかったのが大きな要因」(16日)。石破茂・前地方創生相も、「答える側は、野党議員の向こうには国民がいることを忘れないでください」(14日)といった。
   菅義偉・官房長官はこれに、「支持率に一喜一憂することはないが、国民の声として真摯に受け止めたい」と型通りのコメントをした。が、その菅氏も、森友学園、加計学園問題への対応では、支持率の足を引っ張った。
   ズバリ、森友学園から加計学園と、首相個人、あるいは昭恵夫人が深くかかわったと思われる問題に、安倍首相も官房長官もまともに答えなかったことが、国民に疑念を抱かせたと言える。森友学園の8億円問題、加計学園の理事長は「お友達」と、筋道もわかりやすかった。閣僚が見せた無能力、不祥事がこれに加わった。
   決め手とも言えるのが、都議選の最終日、秋葉原での街頭演説で突如巻き起こった「安倍辞めろ」の大合唱に、安倍首相が「こんな人たちに負けるわけにいかない」と叫んだ。テレビで流れた映像に、「こんな人たち」が怒った。結果、自民党の歴史的惨敗となった。
   ここから支持率の急落が始まった。首相は「初心に立ち返り、謙虚に......丁寧に政策を進め......」とコメントしたが、その後の国会での対応は、謙虚でも丁寧でもなかった。
安倍内閣支持率30%を切り、危険水域に 理由のトップが「首相を信用できない」

安倍政権がこれまで比較的高い支持率を保ってきた理由の一つが、「他に支持できる人がいない」「他よりはいい」という理由だった。
確かに、政権交代した民主党が期待したものと大違いだった残像は今でも残っている。
民主党の罪は大きいが、さすがに安倍政権の不祥事のオンパレードが、このまま続けさせてはマズイという判断になってきたのだろう。

来週には、国会で加計学園問題の集中審議が行われるが、自民党は時間配分に注文をつけた。
惨めな首相の姿をさらしたくないという忖度だろうが、そんなことをすればするほど、首を絞めることになる。
⇒2017年7月11日 (火):加計疑惑(31)忖度が首相を追い込む皮肉/アベノポリシーの危うさ(252)

東京都議選では、自民党は過去最低の23議席にとどまる歴史的惨敗を喫したが、この選挙で示された民意の動向は、東京だけにとどまらないであろうことは、1週間前に行われた静岡県知事選および県議補選の状況を見ても明らかである。
⇒2017年7月 2日 (日):都議選の結果は国政にどう影響するか/日本の針路(323)

時事、共同の世論調査は民意が急速に離れつつあることを示している。
この傾向に加えて、稲田防衛相、山本地方創生相の問題である。
⇒2017年7月19日 (水):仲間ファーストの共謀・稲田防衛相の隠蔽疑惑/アベノポリシーの危うさ(257)
⇒2017年7月20日 (木):仲間ファーストの共謀2・山本地方創生相のフライング疑惑/アベノポリシーの危うさ(258)

次の世論調査がどう出るか分からないが、お友達ファーストが見抜かれている以上、小手先の内閣改造で浮上することはあり得ない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年7月20日 (木)

仲間ファーストの共謀2・山本地方創生相のフライング疑惑/アベノポリシーの危うさ(258)

やはり「週刊文春」のスクープと言うべきだろうなあ。
7月27日号で、山本幸三地方創生相が獣医師会に対して、政府が決定する2カ月前に加計に決めたと説明していた決定的証拠を入手し、『「加計に決めました」出来レース議事録』という記事にまとめている。
同記事から引用する。
Img_21582

山本氏が獣医師会を訪問した時の議事録に山本氏の説明内容が記されていたのだ。
Photo
「加計に決めた」政府決定2カ月前に山本大臣発言 議事録を入手

前後の動きを「週刊文春」誌から引用する。
Img_21603_2

「加計ありき」であるのは明らかであり、問題は、「加計ありき」の是非であると言えよう。
確かに、加計学園はずっと開設を希望しており、根回ししているのだから当然だという人もいる。
それが「たまたま」安倍首相の友だちだった?
「プロセス」に一点の曇りもない?

しかし、大学の設置や運営には多額の税金が使われるのである。
条件を決めてからの「プロセス」には一点の曇りもないのかも知れないが、全体を俯瞰した場合、適切なのかどうか?
首相出席の予算委でどこまで明らかにされるのか分からないが、新しい疑惑が生まれている以上、幕引きが許されるわけがない。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2017年7月19日 (水)

仲間ファーストの共謀・稲田防衛相の隠蔽疑惑/アベノポリシーの危うさ(257)

またしても稲田朋美防衛相である。
それにしてもヒドイ。
稲田防衛相が2月に行われた防衛省最高幹部による緊急会議で、保管の事実を非公表とするとの方針を幹部から伝えられ、了承していたのだ。
1707192
東京新聞7月19日

2月15日には、この問題で、稲田防衛相の対応を隠蔽と批判する4野党が一致して辞任を求めた。
⇒2017年2月19日 (日):不適格大臣列伝(15)稲田朋美防衛相(6)/アベノポリシーの危うさ(134)

こんな大臣不適格人間をいつまで放置しておくのか?
⇒2016年10月16日 (日):稲田防衛大臣の資質と適性/人間の理解(18)
⇒2016年10月22日 (土):南スーダンの安全と危険/アベノポリシーの危うさ(102)
⇒2016年11月21日 (月):不適格大臣列伝(3)・稲田朋美防衛相/アベノポリシーの危うさ(107)
2016年12月 4日 (日):不適格大臣列伝(4)・稲田朋美防衛相-2/アベノポリシーの危うさ(111)
⇒2017年1月 5日 (木):不適格大臣列伝(6)・稲田朋美防衛相-3/アベノポリシーの危うさ(120)
⇒2017年2月 8日 (水):不適格大臣列伝(11)稲田朋美防衛相(4)/アベノポリシーの危うさ(130)
⇒2017年2月10日 (金):不適格大臣列伝(13)稲田朋美防衛相(5)/アベノポリシーの危うさ(132)

森友疑惑でもあからさまで悪質な虚偽答弁をした。
⇒2017年3月12日 (日):森友疑惑(19)稲田防衛相の係わり/アベノポリシーの危うさ(154)
⇒2017年3月19日 (日):森友疑惑(26)稲田防衛相は何を隠したかったのか/アベノポリシーの危うさ(161)

その上、防衛相の肩書きを錯覚して自衛隊を私物視し、都議選惨敗のA級戦犯の1人となった。
⇒2017年6月28日 (水):自衛隊を私物視する愚かな稲田防衛相/アベノポリシーの危うさ(245)

それでも自分のお気に入り(思想・信条が近い)という理由で更迭しなかったツケが、内閣支持率急落という局面で回ってきたのだろう。
すでに支持率は危険水域と言われる20%にまで落ちている。
どこまで下がるか見ものである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年7月18日 (火)

葉っぱのフレディ-いのちの旅・日野原重明/追悼(107)

聖路加国際病院名誉院長の日野原重明さんが、18日、呼吸不全で死去した。
105歳だった。

Ws000001 1911年山口県生まれ。京都帝大医学部卒。41年から内科医として聖路加国際病院に勤めた。同病院内科医長、聖路加看護大学長、同病院長などを歴任。2002年度朝日社会福祉賞。05年に文化勲章を受章した。
 専門は内科学。54年、勤務していた聖路加国際病院で、国内の民間医療機関で初めて人間ドックを導入した。成人病と呼ばれていた脳卒中、心臓病などを「習慣病」と呼んで病気の予防につなげようと70年代から提唱してきた。旧厚生省は96年になって成人病を生活習慣病と改称し、今では広く受け入れられている。
 医師が患者を大切にして、対等に接する米国医療の側面に戦後早くから注目し、看護師の仕事も重視した。51年の米留学後、医師の卒後臨床研修の改革や、看護教育の充実、看護師業務の拡充などを求めてきた。聖路加看護大学長を務め、88年には看護学として日本初の大学院博士課程を開設した。
100歳超えて現役医師 日野原さん「習慣病」も提唱

日野原さんは昭和45年の「赤軍派」ハイジャック事件の日航「よど号」に乗客として搭乗していた。

 日野原氏は45年3月、出張で搭乗したよど号で事件に遭遇。乗客がハイジャックを理解せず、メンバーも説明に窮する中、声をあげて「人質を取る乗っ取り」と説明。「ハイジャックする人が説明できないのはおかしい」とマイクで語り、緊張する機内をなごませた。
 日野原氏は後年、産経新聞への寄稿で、メンバーが革命歌「インターナショナル」を歌うと、乗客が別れの歌「北帰行」を吟じたエピソードなどを回顧。「生きるも死ぬも皆が同じ運命にあるという意識から生じたストックホルム症候群という敵味方の一体感に一同が酔ったといえるのかもしれない」と振り返っていた。
「思い上がりを正した恩人。直接おわびしたかった」日野原氏の訃報によど号メンバーも弔意

私には、レオ・バスカーリアの『葉っぱのフレディ-いのちの旅』のミュージカル化の印象が強い。
同書は子供向けの絵本であるが、1998年10月27日の日本経済新聞朝刊のコラム「春秋」と産経新聞朝刊のコラム「産経抄」が揃って紹介したことが忘れられない。
「産経抄」から引用する。

絵本といえば絵本、童話といえば童話なのだが、「死」についての本である。子どもに「死」を考えさせる絵本は珍しいのではないか▼小欄へ贈ってくださる本は多いのだが、そんなことでご紹介する気になった。本の題は『葉っぱのフレディ』(みらいなな訳、島田光雄画)といい「いのちの旅」という副題がある。作者はアメリカの哲学者レオ・バスカーリア、生涯でただ一冊書いた童話だった▼葉っぱのフレディは大きな木の太い枝に生まれ、夏には木かげをつくって涼しい風を送っていた。しかし、季節はかけ足で過ぎ、秋の寒気がきて紅葉する。霜をうけ枯れ葉となった仲間はつぎつぎに散っていく▼「こわいよう、ぼくも死ぬの?」とおびえるフレディに友人のダニエルは教えた。「その通りさ、でも世界は変化しつづけているんだ。変化しないものはひとつもないんだよ。死ぬというのも、変わることのひとつなんだ。だれでもいつかは死ぬ。でも“いのち”は永遠に生きている」▼だが春に生まれて冬に死んでしまう一生にどんな意味があるというのだろう。「ねえ、ぼくは生まれてきてよかったのだろうか」。よかったのさ、夏は木かげをつくり、秋は紅葉でみんなを楽しませたじゃないか、といってダニエルは夕暮れの光のなか枝を離れていく▼翌朝は雪で、フレディもねむりに入るが、また春はめぐってきた…。わたしたちはどこから来て、どこへ行こうとしているのだろうか。子どもはだれでも一度はそのことを考える。そういう難問に、この本は真正面から答えている。

約20年が過ぎたが、この絵本の問いかけはますます考えさせられる。
人生を1年に見立て、「青春」「朱夏」「白秋」「玄冬」というが、わが人生も、白秋から玄冬へ入った。
生き続けるかのように見えた日野原さんも、自然の摂理に従って、従容として旅立って行ったのだろう。
合掌。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年7月17日 (月)

加計疑惑(35)今治市の情報不開示の不可解/アベノポリシーの危うさ(256)

「加計学園」の獣医学部新設問題で、愛媛・今治市が情報公開請求に応じて開示してきた職員の首相官邸訪問記録などの関係書類を一転して全面非開示とした。
170715
東京新聞7月15日

まさに「語るに落ちる」であろう。
国家戦略特区での獣医学部新設の決定に関わった諮問会議の竹中平蔵東洋大学教授らがいうように、「今回の決定プロセスには1点の曇りもない」のならば、すべてオープンにすれば良い。
それをわざわざ非開示にするというのは、インチキや不明朗だったと認めたのも同然だろう。

全面非開示とされたのは、市が国家戦略特区に申請する直前の2015年4月2日、特区担当の市職員が首相官邸を訪問した出張記録など9件である。
今治市は開示判断を変えたことについて「再度精査した結果」と説明し、一方、国の関与は否定した。

いま、世論調査で、多くの国民が「安倍首相は信用できない」という結果が出ている時に、誰が信じるだろうか。
自分たちにとって都合の悪い情報は隠す。
『森友、加計問題』の本質は情報公開と公文書管理にアリ」と言われている。

 そもそも今回の森友・加計問題は、通常とは異なる権力の行使が行われ、その結果として普通では降りないはずの許認可が降りたと同時に相当額の税金が投入されているにもかかわらず、その権力行使の正当性を裏付ける記録が何も残っていないところに問題の核心がある。権力行使の妥当性をめぐる議論が交わされているのではなく、そもそもそこで権力が行使されたかどうかが確認できないまま、時間ばかりが過ぎているのだ。
 もし安倍政権が、森友にしても加計にしても、一切不当な政治介入はなかったと主張するのであれば、一連の手続きが適正だったことを示す文書を公開すればいいだけの話だ。しかし、安倍首相やその周辺は、当時の記録は既に「廃棄」され、交渉担当者たちも当時の「記憶」がないの一点張りで逃げ切ろうとしている。それはそれで政治的には大きな問題だが、そもそもその記録が残っていないことや、その保存や情報公開が義務付けられていないことの方がより大きな問題なのだ。
 「国家戦略特区」も「岩盤規制への風穴」も、それはそれで政治的には重要な論点かもしれない。しかし、もし権力が行使されたのであれば、その妥当性を証明する挙証責任は政府側にあり、それを裏付けるための証拠となる文書を保存しておくことは、権力が不正に行使されていないことを証明する上では必須となる。政府や官僚にとっては、その証拠を保存しておくことは、国民に対して自分たちの行為の正当性を証明する上では必要不可欠なものだ。ましてや今回のように、評価額の8分の1の値段で国有地が払い下げられていたり、従来の基準では認められていない新設の獣医学部の設置が特別に認められたのであれば、その決定の正当性の裏付けを残しておくことは、国民に対する説明責任は言うに及ばず、政府にとっても担当の官僚にとっても、身の安全を保障する命綱になるはずだ。繰り返しになるが、それを残していないということは、まずあり得ない。

今治市の姿勢は全く不可解であり、この一事だけでもクロの心証だろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年7月16日 (日)

加計疑惑(34)大学設置基準は意欲の問題か?/アベノポリシーの危うさ(255)

新しく学部を開設する作業は大変である。
私も親しい友人が新学部の準備責任者だったので、大体の推測はできる。
あるいは、私自身が直接専門学校の開設準備に携わったこともある。
文科省の「設置基準」はきめ細かく、厳しい。

このような規定を「岩盤規制」と見るかどうかは、立場によるだろう。
しかし、一定の「質」の確保のためには、何らかの基準は必要である。
ところが、安倍首相は「意欲があれば獣医学部新設を認める」と言う。
加計疑惑を逃れるために深く考えないで言ってしまったのだろうが、耳を疑うような言葉である。
皿を1枚割ってしまったから、他の皿も割ってしまおう、と言うに等しい。

しかし、ネット上には「安倍さんカッコいい(*≧∀≦*)」というような反応もあるのだから、驚く。
加計学園グループが今治市に設置しようとしている獣医学部の開設準備の経緯は以下のようである。
1707052
東京新聞7月5日

加計学園と同様に獣医学部新設構想を持っていた京都産業大が、断念せざるを得なくなった事情を記者会見で説明した。

 同大は、学校法人「加計学園」などと共に特区での新設を要望していたが、政府が昨年11月、広域的に獣医師系養成大学が存在しない地域に限り新設を認める方針を決定。既に大阪府立大(堺市)に獣医師系学部があるため、条件的に排除される形となっていた。
 黒坂副学長は、断念の理由は地域的な条件によるものではないと説明。特区に関する告示で指定された2018年4月の開学には準備期間が足りず、加計学園が先に申請したため優秀な教員の確保も難しくなったとした。
 副学長は「残念だ」と述べる一方、加計学園をめぐる問題については「大学によって状況は異なり、(加計学園が)どう準備していたのかは知らない」と話した。
 京産大は、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を用いた創薬分野などで実験動物を扱う獣医師養成を目指し、京都府綾部市での校舎建設を計画していた。 
獣医学部断念を発表=京産大「準備期間足りず」

要するに、開学までの準備期間の不足などが理由である。
京産大排除の論理を組み立てたのは誰か?
⇒2017年5月28日 (日):加計疑惑(7)京産大排除の論理/アベノポリシーの危うさ(218)
まさに「総理の意向」文書に記されていたこととも合致する。
2

⇒2017年5月17日 (水):加計疑惑(3)総理の意向という文科省文書/アベノポリシーの危うさ(209)
⇒2017年5月26日 (金):加計疑惑(5)文書の存在確認/アベノポリシーの危うさ(216)

これでもシラを切るつもりなのだろうか?。
「安倍さんカッコいい(*≧∀≦*)」だろうか?

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2017年7月15日 (土)

加計疑惑(33)戦略特区という利権/アベノポリシーの危うさ(254)

最初は、いかにも怪しげな、という「印象」の加計疑惑であった。
⇒2017年3月14日 (火):森友疑惑(21)加計学園の李下の冠/アベノポリシーの危うさ(156)

しかしどんなに巧妙に隠しても隠しきれないものである。
先ず、全体の構図を簡単に要約している「炙り出されてきた加計学園疑獄の黒幕」から。

1)
認可が下りる前から「加計学園獣医学部認可」を既成事実化する行政ルールとそのプロセスを見ていくと、「官邸の最高レベルの意向」が、安倍晋三によるものであることは自明。
2)
絵を描いた”和泉洋人首相補佐官が、前川喜平・前事務次官に圧力をかけたときに言った言葉-「総理の口から言えないから、私が代わりに言う」という言葉から、確定していい。
3)
では、すべてを仕切っているのが、安倍晋三と和泉洋人の二人なのか?
そうではない。
なぜなら、追い詰められると、決まって外遊を理由に海外にトンズラするような男になど、仕切りができるはずがないからだ。
    第一、この男には、常に『家庭教師』が必要なのだから。
4)
では、和泉洋人が、安倍をけしかけた?
あり得ない。出世にだけしか関心がない乞食官僚に過ぎないのだから、そんなリスクは冒さない。
つまり、この二人には、『家庭教師』がいた、ということだ。それが、全体の青図面を描いた本当の黒幕。

安倍首相&和泉洋人首相補佐官の「家庭教師」の名前は?

つまり、国家戦略特区の5人の民間議員は、8月の時点で、すで「加計学園に内定」を出していたということなのだ。
設計図の日付けが「2016年12月28日」になっている。
1月4日の一般公募前に、すでに加計学園獣医学部の青図面が完成していた
のである。
それどころか、12月14日に着工していたのである。
入札なり、コンペティションなりの公募を行う前に、「すべてが決まっていた」ということである。
つまり、8月に認可の前提となる「内定」が決まっていたということ。

認可の「内定」が出ていたからこそ、加計学園は50億円以上もの借り入れを起こしたのである。
もちろん、文部科学省は、認可に反対していたのであるから、「内定」を出すはずがないのである。
    文部科学省の職員の目は、京都産業大学のエントリーに向けられていだだけでなく、官邸の萩生田や内閣府から圧力をかけられていたのであるから、そもそもが「内定」を出せるはずもないのだ。
「加計学園ありき」は、完全に文部科学省の意思を無視して強行されたということである。
日本獣医師会の蔵内勇夫会長が証言したように、「明らかに加計学園ありき」で、獣医師会にも、相当なプレッシャーがかけられていた。
    安倍内閣は、ここでも「黙って、言うことをきけ!」ということだ。
だから、安倍政権下で、やりたい放題やっている竹中平蔵ということになる。

Ws000001
加計学園はこの3年間で、52億も借り入れを増やしています。私学振興・共済事業団は、私学に土地を担保に資金を貸す政府組織です。 融資の使途は設備投資に限定されてますが、加計が52億もの設備投資をした形跡がありません。 今治市からの補助金をあてにしたマネーロンダリングがありそう。
黒川敦彦@今治で加計問題追及中 @democracymonst

国家戦略特区での獣医学部新設の決定に関わった諮問会議の民間議員である八田達夫大阪大学名誉教授や竹中平蔵東洋大学教授の記者会見の内容は、論点をずらそうという意図がミエミエなことが私でも分かる。
⇒2017年6月29日 (木):加計疑惑(27)論点をずらす特区諮問会議の学者/アベノポリシーの危うさ(246)

特区という制度自体が、「特別な施策を可能にする」ものであるから、運用次第では容易に利権に転化するのである。
特区に係わる人間には高い倫理性が必要だが・・・

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2017年7月14日 (金)

中国民主化運動の象徴・劉暁波/追悼(106)

天安門事件(中国の民主化運動)の象徴的存在だった劉暁波(リウシアオポー)氏が7月13日、入院先の遼寧省・瀋陽の病院で死去した。
61歳だった。
私は、天安門事件の20周年を迎える日に、天安門広場を訪れる機会があった。
そのものものしい警戒ぶりに、事件が未だに歴史にはなっていないことを実感した。
⇒2009年6月 5日 (金):天安門の“AFTER TWENTY YEARS”

事実、新疆ウイグル族が関与していると考えられる自爆テロが起きたりしている。
⇒2013年11月 4日 (月):天安門自爆テロ?/世界史の動向(1)

劉氏は、北京オリンピックがあった2008年、「世界人権宣言」 60周年に合わせ、インターネット上で中国の民主化を呼びかける「08憲章」を発表して、中国共産党の一党独裁の放棄や言論の自由などを訴えた。
しかし、2009年に「国家政権転覆扇動罪」で懲役 11年の判決を受け服役した。

北京オリンピックがあった2008年、劉氏は「世界人権宣言」 60周年に合わせ、インターネット上で中国の民主化を呼びかける「08憲章」を発表。中国共産党の一党独裁の放棄や言論の自由などを訴えた。多くの署名が集まったが、2009年に「国家政権転覆扇動罪」で懲役 11年の判決を受けた。
服役中の2010年、「中国での基本的人権の確立のため長年にわたり非暴力の闘いを続けてきた」という理由でノーベル平和賞を授賞した。
だが当時は獄中にあったため、授賞式には出席できなかった。妻の劉霞(リウシア)さんも中国当局によって自宅に軟禁され、代理出席は叶わなかった。

Photo
劉暁波氏と、妻の劉霞氏
授賞が決まった直後、劉氏は劉霞さんに「(ノーベル平和賞は)天安門事件で犠牲になった人々の魂に贈られたものだ」と、涙を流しながら語ったという。
2017年5月末、服役していた刑務所で腹部に異常が見つかった。中国当局は6月、劉氏が末期の肝臓がんであることを公表した。
劉氏はドイツかアメリカでの治療を希望。7月8日に診察したドイツとアメリカの医師は「安全な移送は可能」としていたが、中国当局が出国を認めず、劉氏の望みは叶わなかった。
劉暁波氏が死去 中国民主化運動の象徴、ノーベル平和賞の人権活動家

中国はアメリカと並んで、世界の2大強国になった。
しかし今後の発展は、民主化なしにはあり得ないだろう。
そえを確認できなかったのは心残りかも知れないが、礎になったことは人々が記憶し続けろと思う。
合掌。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年7月13日 (木)

加計疑惑(32)支持率の下落が止まらない安倍政権/アベノポリシーの危うさ(253)

先に行われた閉会中審査を踏まえ、民進党など野党が求めた安倍晋三首相出席の予算委員会開催は、自民党に拒否されていた。
⇒2017年7月11日 (火):加計疑惑(31)忖度が首相を追い込む皮肉/アベノポリシーの危うさ(252)

それが一転して開催に同意することになった。
安倍政権の支持率低下が止まらないのを見て、官邸側が慌てて肯定的な態度を示したものである。
首相の意向を忖度ばかりする自民党国対は、滑稽なことに気が付かないのであろうか?

 首相は13日、竹下氏に「国会の場に出て説明する意思がある」と電話で伝えた。この後、竹下氏は民進党の山井和則国対委員長に連絡し、予算委開催へ調整を進める方針を示した。8月上旬に内閣改造が予定されていることから、野党側は、加計問題の経緯を把握している現閣僚の答弁が必要として、7月中の速やかな開催を求める。
 竹下氏は山井氏に対し、予算委開催に当たっては与野党の時間配分を「1対1」とすることが条件だと通告。これに対し、山井氏は「そこは交渉だ」として野党側への配分拡大を求める意向を示した。
 これに先立ち、竹下氏は国会内で行った山井氏との会談で、首相質疑をいったんは拒否。山井氏は「国民から逃げ回っている」と強く反発していた。
 山井氏は同会談で、萩生田光一、杉田和博両官房副長官、和泉洋人首相補佐官ら政府関係者と、加計学園の理事長ら計7人の証人喚問も求めたが、竹下氏は応じなかった。また、山井氏は臨時国会の早期召集も改めて要求。竹下氏は「首相官邸に伝える」と述べるにとどめた。
安倍首相、予算委出席へ=加計問題説明、世論考慮

報道各社の世論調査で、内閣支持率は東京都議選を前に急落し、自民党は23議席の歴史的惨敗を喫した。
⇒2017年7月 2日 (日):都議選の結果は国政にどう影響するか/日本の針路(323)
⇒2017年7月 5日 (水):自民ワーストの都議選と自民の「反省」/日本の針路(324)

 2日の東京都議選は、加計学園の獣医学部新設問題などの影響で内閣支持率が急落した直後に行われ、自民党の議席は57から23まで半減した。その後、実施された世論調査でも、軒並み30%台となり、第2次安倍政権発足後の最低水準を記録した。
Photo_6
安倍政権の支持率低迷で積極財政求める声-財政再建とのジレンマも

最近の世論調査では、不支持の理由は「安倍首相が信用できない」がトップである。
石破茂前地方創生担当相も、安倍首相が看板政策を「地方創生」「1億総活躍」「人づくり革命」などと次々更新してきたことを、「大河ドラマではない」と批判している。
内閣改造などの小手先の対応は効果が出ないだろうし、積極財政では矛盾が拡大する。
インチキ政権の年貢の納め時が近づいている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年7月12日 (水)

暗号革命と素数(1)暗号化の基礎/知的生産の方法(161)

素数について、初めて学校で教わった時の記憶がない。
ちょっと調べてみたら、以下のような図があった。
Photo_3
算数の系統表の一部 (新学習指導要領における算数・数学内容系統一覧表より抜粋)

つまり、小学校5年の教程に位置づけられている。
遙かな昔であるが、小学校の担任教師の顔を思い浮かべても、素数にまつわるエピソードをまったく思い出さない。
しかし、この素数が暗号のパラダイムシフトに深く関係している。

暗号と言って先ず思い浮かべるのは、例えば、ホームズものの『踊る人形』であろう。
森谷明子『春や春』光文社文庫(2017年5月)でも、俳句甲子園を目指す高校生の共通の話題として取り上げられていた。
⇒2017年7月 7日 (金):森谷明子『春や春』/私撰アンソロジー(48)

以下のような図が何を意味するか?
Dancing_men

何かのいたずら書きだろうか?
しかし、ホームズは、これがメッセージだと考え、人形の図形とアルファベットを対応させた。
最初のステップは、英語で最も使用頻度の高い文字「E」の特定である。
ホームズは何とか解読して、対応表を完成する。
古典的な暗号の代表が、文字の置換である。
Photo_6
このように、暗号化のカギを知っていることが、解読の必要条件である。
Photo_4

しかし、このカギの安全性をどう担保するか?
カギを盗まれたら、暗号化の意味がなくなる。
Photo_7

特にインターネットが普及した現代において、「確実な情報伝達」と「情報の保秘」という反対のベクトルの要請にどう応えるかが重要な課題になっている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年7月11日 (火)

加計疑惑(31)忖度が首相を追い込む皮肉/アベノポリシーの危うさ(252)

前川前文科事務次官の参考人招致があった。
疑惑の中核と目される人物が出席しないのだから、当然のことながら、霧は立ちこめたままである。
21707112
東京新聞7月11日

日経新聞社説も「与野党は関係者をさらに国会に招致し、事実の解明に向けた努⼒
を続けるべきだ。」と書いているが、上図に載っている人たちは、疑惑解明のためにも自ら進んで国会の審議に出席するべきだ。

問題の本質の一端は、首相周辺の過剰な忖度にある。
「総理のご意向」と記された文書が、意向に反するのか?
もし、意向に反するものならば、間違った「忖度」だったのだから、首相はやり直しを指示すればいいのだ。

やり直しの指示がないということは、意向通りだということである。
竹下自民党国対委員長は、都議選の前に、閉会中審査について、「都議選の結果を見て考える」と言っていた。
意味不明ではあるが、都議選の結果の自民党の惨敗を受けて閉会中審査に応じたことを見れば、勝っていれば、あるいはそこそこの敗北であれば、閉会中審査に応じないつもりだったのだろう。

その竹下氏は、閉会中審査を踏まえ、民進党など野党が求める安倍晋三首相出席の予算委員会開催に否定的な考えを示した。

 「野党の質問は『言った』『言わなかった』というレベルにとどまり、何も新しいことは出てこなかった。これで予算委を開く必要があるのか。このレベルの議論だったら国会ではなく、別のところでやればいいだけの話だ」と述べた。国会内で記者団に語った。
自民・竹下亘国対委員長、加計問題めぐる安倍晋三首相入りの予算委員会開催に否定的

もはや喜劇的と言うしかない。
首相の外遊中に日程を設定し、疑惑の中核を呼ばないで、「何も新しいことは出てこなかった」とは、語るに落ちている。
新しいことが出ないように必死であるのは、夫子自身なのは明らかである。
「関係者をさらに国会に招致し、事実の解明に向けた努⼒を続けるべき」と思っているのが、日経新聞だけでなく、国民の大勢だと言うことがまだ理解できないのであろうか。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2017年7月10日 (月)

加計疑惑(30)今治獣医学部はライフサイエンスの拠点になる得るか/アベノポリシーの危うさ(251)

国家戦略特区制度による加計学園獣医学部新設の大義名分は、国際的なライフサイエンス分野での競争力向上である。
獣医学部新設に関して、地方創生相だった石破茂氏による「石破4条件なるものがある。
Photo_2
【加計学園問題】石破4条件とはなにか?

例えば竹中平蔵氏は次のように説明している。

(1)日本では獣医学部は52年間一つもつくられていない。これでは日本がライフサイエンスで取り残されてしまう。ただ抵抗勢力もいるのでとりあえず特区で1校となった。
(2)決まってからは抵抗勢力とのバトル。加計孝太郎理事長はたまたま友人だっただけ。当然ながら安倍総理は印象操作だと主張した。
(3)抵抗勢力は批判できるものは何でもするということで本当にたまたま安倍総理の友人という点を責めた。私は、加計学園問題とは印象操作がつくられた問題のことだと捉えている。
(4)抵抗勢力の圧力を避けるために「広域的に」という条件をつけた。これで新潟、京都、今治が候補になり3つぐらいは認可したいと考えた。ところが獣医師会が物凄い圧力をかけてきて1校ということに…。四国には獣医学部がなく、今治は10年間要求し続けていた。だから3つの候補の中で選ばれた。
(5)国民に対してちゃんと説明はしているのにメディアで物凄いバイアスがかかって前川さんの発言がドーンと出た。印象操作が物凄くあった。
竹中平蔵が総括する加計学園騒動の全て。5つのポイントにまとめてみた

竹中平蔵氏が論点をずらしていることは既に指摘した。
⇒2017年6月29日 (木):加計疑惑(27)論点をずらす特区諮問会議の学者/アベノポリシーの危うさ(246)

ここでは今治市に開設する加計グループの岡山理科大学獣医学部が、国際的なライフサイエンス分野での競争力向上に貢献できるかどうかについて、考えてみよう。
同じ加計グループの千葉科学大学薬学部では、設立当初の定員150人(その後120人に減員)で、国家試験合格者が20数名である。
つまり8割程度の卒業生が、薬剤師の国家資格を得られなかったというのが現実である。

獣医師と薬剤師はもちろん異なるが、国家試験との関係で見れば共通性がある。
今治市に設置予定の獣医学部は定員160人(既に設置審議会の審査で20名減員)で、そのうち一体、何人が国家試験に合格できるであろうか?
獣医学部は出たけど獣医師国家資格も取得できないというのでは、国際的なライフサイエンス分野での競争力向上など、とても期待できまい。

内閣府の指示で「広域的に存在しない」と言う条件を付したことにより断念せざるを得なくなった京産大は、京都大学との連携によるiPS細胞による創薬研究構想を持っており、4条件に適うように思われる。
Ws000001
獣医学部設置構想について
⇒2017年5月28日 (日):加計疑惑(7)京産大排除の論理/アベノポリシーの危うさ(218)

加計疑惑については、徹底的に解明しないと「国家百年の計」に悔いを残すことになろう。
⇒2017年6月11日 (日):加計疑惑(17)官邸と加計グループの多面的な関係/アベノポリシーの危うさ(230)

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2017年7月 9日 (日)

加計疑惑(29)前川招致の論点と問題/アベノポリシーの危うさ(250)

前川前文科省事務次官の参考人招致が、10日に行われる。
加計疑惑の論点は数多いのでとても1回の招致で終わるとは思えない。
主要な論点は以下のように整理されている。
Photo
加計問題 あす前川氏招致 「行政ゆがめられた」「官邸圧力」焦点

個人的に言えば、内閣府から文科省に送られたメールの文章に示されている修正の経緯に関心がある。
Ws000008
加計有利な要件「官房副長官が指示」 内閣府のメール

字句の修正により文意を大胆に変える「霞が関文学」の精華とも言える。
メール自体、は山本幸三途方創生相によれば、「文科省から内閣府へ出向していた職員が、陰に隠れてやった」ということだ。
しかし、この修正によって京産大は断念せざるを得ず、加計学園のみという条件が整ったのだ。
少なくとも萩生田副官房長長官や和泉首相補佐官は何らかの関与をしているであろう。
⇒2017年6月22日 (木):加計疑惑(24)「主犯」は萩生田副長官か?/アベノポリシーの危うさ(240)

一貫して情報を隠蔽しようとし、疑惑解明に消極的なのは、官邸サイドである。
Ws000000
1通のメール、首相側近の関与疑惑浮上 文科省再調査

首相不在での閉会中審査を容認した民進党の姿勢にはガッカリするが、自民党の都議選敗北の戦犯たちも、こぞって「丁寧な説明」から逃げ回っている。

 大敗の“戦犯”のひとりである稲田防衛相は7日、都内のホテルで開催するはずだった政治資金パーティーを「諸般の事情を考慮した」として、急きょ中止した。
「稲田大臣は都議選の応援演説で“防衛省、自衛隊としてもお願いしたい”と発言し、大バッシングを浴びました。それから間もない九州豪雨の対応中に防衛省を70分間も留守にしたのだから呆れます。内閣改造で交代は間違いありませんが、その前に自ら辞職を申し出るべきです」(政治評論家・伊藤達美氏)
 加計学園から「200万円の闇献金」が渡っていたことが報じられた下村博元文文科相も5日に講演会をドタキャン。「このハゲーーッ!!」のパワハラ暴行の豊田真由子衆院議員は、入院したまま行方知れずになっている。森友学園と加計学園に関与したとされる安倍昭恵夫人は、今月21日に登壇挨拶する予定だった「日米国際海洋環境シンポジウム」を辞退した。
逃げる都議選の戦犯たち “安倍一派”退陣運動が全国に拡大

いつまでも逃げ回れるものでもないだろうに、情けない人たちだ。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

«「こういう人たち」への向き合い方/アベノポリシーの危うさ(249)